「ちょい投げ釣りをやってみたいけれど、仕掛けを投げたあと何をすればいいの?」「竿やオモリはどれを選べばいい?」と迷っていませんか。
ちょい投げは、難しそうに見える海釣りの中でも、かなり始めやすい釣り方です。本格的な投げ釣りのように100m以上の遠投を目指す必要はありません。堤防や河口、砂浜などから仕掛けを軽く投げ、海底付近にいるキスやハゼなどを狙えます。
ただし、単純に「エサを付けて投げれば釣れる」というわけでもありません。仕掛けを海底まで沈める、糸ふけを取る、ゆっくり誘う、アタリがなければ場所を変えるという基本を知っているかどうかで、釣りやすさはかなり変わります。
この記事では、ちょい投げの基本的なやり方を、初めて竿を持つ人でも釣り場で再現できる順番で解説します。必要な道具、仕掛け、オモリ、エサ、投げ方、着底後の誘い方、アタリが出たあとの対応まで順番に見ていきましょう。
さらに、キスを狙うコツや、アタリがあるのに掛からない場合、根掛かりが多い場合、まったく釣れない場合の対処法も紹介します。
この記事で分かること
- ちょい投げ釣りの準備から魚を釣り上げるまでのやり方
- 初心者向けの竿・リール・仕掛け・オモリの選び方
- 失敗しにくいちょい投げ仕掛けの投げ方
- 着底後のズル引きやストップ&ゴーのやり方
- キスやハゼなど、ちょい投げで狙いやすい魚
- アタリがあるのに掛からない場合の対処法
- 根掛かりや仕掛け絡みを減らすためのポイント
- 虫エサが苦手な場合に使える人工エサやルアーの選択肢
ちょい投げのやり方は7ステップで覚えよう
細かな道具の説明に入る前に、まずは「ちょい投げで何をするのか」を確認しておきましょう。
基本的な流れは、次の7ステップです。
- 竿・リール・天秤・仕掛けをセットする
- 針にイシゴカイやアオイソメなどのエサを付ける
- 周囲を確認して仕掛けを軽く投げる
- オモリが海底へ着くまで待つ
- 余分な糸を巻き取り、ゆっくり仕掛けを動かす
- 「ブルブルッ」「コツコツッ」というアタリを確認する
- 糸を緩めないようにリールを巻いて魚を取り込む
最初に覚えたいのは「着底してからゆっくり巻く」こと
初心者のうちは、遠くへ投げることよりも、仕掛けが海底へ着いたことを確認できるようになる方が大切です。
オモリが海底へ着いたら糸ふけを取り、リールをゆっくり巻いて仕掛けを動かします。これだけでもキスやハゼなどを十分狙えます。
最初から複雑なテクニックを覚えなくても大丈夫ですよ。まずは「投げる→底まで沈める→ゆっくり巻く」の3つを意識してみてください。
ちょい投げの基本的なやり方と準備
- ちょい投げと本格的な投げ釣りの違い
- 初心者が最初に揃えたい道具
- 仕掛けの基本構成
- ちょい投げで使うオモリの選び方
- 基本のエサと虫が苦手な場合の対策
- ルアーロッドを使う場合の注意点
ちょい投げと投げ釣りの違いとは?
ちょい投げ釣りは、その名前の通り、仕掛けを「ちょいと投げる」感覚で楽しめる手軽な釣りです。
一方、本格的な投げ釣りでは長い専用ロッドと重めのオモリを使い、沖のポイントを狙うために遠投するスタイルが一般的です。
ちょい投げでは、ルアーロッドや万能竿、コンパクトロッドなど比較的取り回しやすい道具を使用できます。狙う距離も足元付近から数十mほどまでで十分です。
「遠くへ飛ばすこと」より、「近い場所を丁寧に探して魚を見つけること」を重視する釣りと考えると分かりやすいでしょう。
特にキスやハゼは岸からそれほど離れていない場所へ入っていることがあります。魚が手前にいるのに、無理に遠投する必要はありません。
ちょい投げと本格的な投げ釣りの比較
「ちょい投げを始めるために投げ釣り専用ロッドまで必要なの?」と迷う方もいると思いますが、目的がかなり違います。初心者が堤防や河口で楽しむなら、まずはちょい投げからで十分です。
| 項目 | ちょい投げ | 本格的な投げ釣り |
|---|---|---|
| 主な竿 | ルアーロッド、コンパクトロッド、万能竿など | 専用の投げ竿 |
| 竿の長さ | 1.8m~3m程度が扱いやすい | 4m前後の長い竿が中心 |
| オモリ | 軽量~中程度。 | |
| 必ず竿の適合範囲内で選ぶ | 遠投用の比較的重いオモリを使うことが多い | 狙う距離 | 足元付近~数十m | 遠投して沖まで探る | 主な魚 | キス、ハゼ、ベラ、メゴチ、小型カレイなど | キス、カレイなどを沖まで広く狙える | 始めやすさ | 初心者でも始めやすい | 専用道具やキャスティング技術が必要になる |
必要な道具はちょい投げセットでOK

これから初めてちょい投げをするなら、道具を一つずつ選ぶより、釣具店や通販で販売されている「ちょい投げセット」を利用する方法が分かりやすいです。
セット商品なら、竿とリールの組み合わせを大きく間違える可能性を減らせます。
- 竿(ロッド):1.8m~3m程度の万能竿やコンパクトロッドなど。長すぎない方が初心者や子どもでも扱いやすくなります。
- リール:2000番~3000番程度のスピニングリールが使いやすいサイズです。
- ライン:セット品ではナイロンラインがあらかじめ巻かれている商品もあります。
- 天秤・オモリ:仕掛けを海底まで届けるために必要です。
- ちょい投げ仕掛け:市販品なら天秤側の金具へ接続するだけで使えるものが多く、初心者でも準備しやすくなっています。
さらに実際の釣りでは、エサだけでなく、ハサミ、フィッシュグリップ、プライヤー、水汲みバケツ、タオルなどもあると便利です。
そして忘れてはいけないのがライフジャケット。特に子どもと一緒に堤防へ行く場合は、道具以上に安全装備を優先してください。
手持ちのルアーロッドも流用できる場合があります
すでにエギングロッドやシーバスロッドなどを持っているなら、新しく竿を買わなくても、ちょい投げに流用できる場合があります。
ただし、「8~9フィートだから使える」と長さだけで判断するのは避けましょう。
重要なのは、竿に記載されているルアーウェイトやオモリ負荷の範囲内に、使用する天秤・オモリの重量が収まっていることです。
例えば最大30gまでのロッドなら、約37.5gになる10号オモリは適合範囲を超えます。手持ちのロッドを流用するときは、必ず重量を確認してください。
ちょい投げ仕掛けの基本構成
初心者の場合、自分で針やハリスを一から組む必要はありません。市販のちょい投げ仕掛けを使えば十分です。
仕掛けの基本構成は、次のようになります。
ちょい投げ仕掛けの基本
竿 → リール → 道糸 → 天秤オモリ → 市販のちょい投げ仕掛け → 針 → エサ
市販の完成仕掛けなら、パッケージに接続方法が記載されています。スナップなどの金具を使って天秤と仕掛けをつなぐタイプなら、結び方を何種類も覚える必要はありません。
また、初心者は最初から針が3本、4本付いた長い仕掛けを使うより、1~2本針程度の短い仕掛けから始めた方が扱いやすいです。
針が多ければ一度に複数の魚を狙えるメリットがありますが、その分だけ投げる際に絡みやすく、魚を外す作業も増えます。特に家族で楽しむなら、シンプルな仕掛けの方がトラブルを減らしやすいですよ。
ちょい投げで使うオモリの選び方

オモリは仕掛けを飛ばし、海底まで沈めるための重要なパーツです。
ここで初心者が覚えておきたいのは、「重いほどよく飛ぶから重いものを選べばいい」という考え方ではないことです。
選ぶときは、オモリの形と重さを確認しましょう。
オモリの種類
ちょい投げでは、オモリと天秤が一体になったタイプが手軽です。
- ジェット天秤:回収するときに浮き上がりやすい構造で、障害物をかわしやすいのが特徴です。底に岩や海藻が点在する場所では使いやすい選択肢です。
- L型天秤・小型天秤:構造がシンプルで、コンパクトなちょい投げ仕掛けと組み合わせやすいタイプです。砂地を中心に探る場合にも使えます。
完全な砂底ならシンプルな天秤でも問題ありません。一方、初めて行く釣り場で海底の状態が分からない場合は、根掛かりしにくさを意識して選ぶと安心です。
オモリの重さは竿に合わせる
オモリ選びで最も大切なのは、使用する竿の適合重量を超えないことです。
竿の適合重量は必ず確認してください
竿が対応している重量を超えるオモリを付けてキャストすると、竿に想定以上の負荷がかかり、破損につながる可能性があります。
特にルアーロッドでは「MAX 30g」「10~35g」など、グラム表記になっている場合が多いため注意してください。
ちょい投げで使われるオモリには5号、8号、10号などさまざまな重さがありますが、「ちょい投げなら必ず10号」と決めるのではなく、竿の適合範囲、潮の速さ、水深、必要な飛距離を見ながら選びます。
オモリの「号」とグラムの換算目安
オモリは「号」で表示されることがあります。1号は約3.75gです。
5号:約18.75g
8号:約30g
10号:約37.5g
12号:約45g
15号:約56.25g
ルアーロッドを使用する場合は、この換算を参考にしながら適合ルアーウェイトを超えないようにしてください。
例えば最大30gまでのルアーロッドなら、8号は約30gなので上限付近です。実際には仕掛けやエサも付き、キャスト時には負荷がかかります。無理に上限いっぱいを使わず、余裕を持たせる方が安心でしょう。
逆に万能竿やちょい投げセットで十分なオモリ負荷があるなら、潮が速い場所で少し重くすると底を取りやすくなります。
基本のエサはイシゴカイとアオイソメ

ちょい投げで定番なのが、イシゴカイ(ジャリメ)やアオイソメといった虫エサです。
- イシゴカイ(ジャリメ):比較的細く、キスやハゼなど小さな口の魚を狙いやすいエサです。
- アオイソメ:イシゴカイより太めで、キス、ハゼ、カレイ、根魚など幅広い魚を狙えます。
キスなど小型魚を狙うときは、エサを大きく付けすぎないことも重要です。
針から垂れる部分が長すぎると、魚がエサの先だけをくわえて、針まで吸い込まないことがあります。
アタリはあるのに掛からないときは、エサの垂らしを短くするだけでも改善する可能性があります。
虫エサが苦手でも大丈夫です
「釣りには興味があるけれど、生きた虫だけは触れない」という方もいますよね。
その場合は人工エサを使う方法があります。
マルキユーの「パワーイソメ」などは、虫エサの形を模した釣り用の人工エサです。生きた虫を触らなくてよく、必要な分だけ使えるので、家族での釣りや短時間の釣行にも向いています。
商品仕様や保存方法は変更される可能性もあるため、購入時には公式情報を確認してください。(参照:マルキユー「パワーイソメ」公式サイト)
初心者向けちょい投げの投げ方
道具を準備したら、いよいよ仕掛けを投げます。
ここで一番大切なのは飛距離ではありません。周囲の安全を確認して、仕掛けをまっすぐ前へ飛ばすことです。
投げる前に必ず後ろを確認する
ちょい投げ仕掛けにはオモリと針が付いています。後ろに人がいる状態で竿を振れば、大きな事故につながりかねません。
投げる前には必ず、前方だけでなく左右と後方を確認してください。
- 後ろに人がいないか
- 隣の釣り人との間隔は十分か
- 竿先に仕掛けが絡んでいないか
- 針が服や荷物に引っ掛かっていないか
- 頭上に電線や障害物がないか
- 投げる方向に船や人がいないか
特に子どもと一緒の場合、大人が毎回確認してから投げさせるくらいでちょうどいいでしょう。
スピニングリールで投げる基本手順
一般的なスピニングリールなら、次の流れでキャストします。
- 竿先から天秤まで適度な長さを取る
- 人差し指でラインを押さえる
- リールのベールを開く
- 周囲と後方を確認する
- 竿をゆっくり後方へ構える
- 前方へ竿を振りながら、タイミングよく人差し指からラインを離す
- 仕掛けが着水したらラインが出ていく様子を見る
- 着底を確認してベールを戻す
最初から全力で投げる必要はありません
ちょい投げは遠投競技ではありません。
最初は力を入れすぎず、20m前後をまっすぐ投げられれば十分です。魚が近くに寄っている状況なら、10m程度でも釣れる可能性があります。
力任せに振るより、竿の曲がりを使ってゆっくり投げる方が仕掛けも絡みにくくなります。
飛ばないときに確認したいこと
初めて投げると、「思ったより全然飛ばない」と感じるかもしれません。
でも、ちょい投げなら飛距離だけで失敗と判断する必要はありません。
- ベールを開き忘れていないか
- 人差し指からラインを離すタイミングが遅すぎないか
- オモリが竿に対して軽すぎないか
- ラインが竿先に絡んでいないか
- 仕掛けが長すぎて投げにくくなっていないか
- 力いっぱい振りすぎて動作が崩れていないか
初心者は飛距離を伸ばそうとするより、同じ方向へ安定して投げられることを目標にしてください。
仕掛けを投げた後のちょい投げのやり方
ちょい投げでは、実は「投げた後」の方が重要です。
魚が釣れないとき、「もっと遠くへ投げないとダメなのかな」と考えがちですが、原因は着底を確認できていなかったり、仕掛けを速く巻きすぎていたりすることもあります。
まずオモリを海底まで沈める
仕掛けが海へ着水したら、すぐ巻き始めるのではなく、まずオモリを海底まで沈めます。
オモリが沈んでいる間はラインが出たり、張った状態が続いたりします。海底へ着くと、ラインの動きが止まったり、手元へ「トンッ」と感触が伝わったりします。
これが「着底」です。
着底が分からない場合
風や潮が強いと、初心者には着底が分かりにくくなります。
その場合は、少し重いオモリへ変更すると底を取りやすくなることがあります。ただし、竿の適合重量を超えてはいけません。
また、強風や流れが速すぎる状況では、無理をして釣りを続けず、場所や時間を変える判断も必要です。
着底したら糸ふけを取る
仕掛けが海底へ着いたら、リールを少し巻いて余分なラインを回収します。
この余分にたるんだラインが「糸ふけ」です。
糸が大きくたるんだままだと、魚がエサを食べても振動が竿まで伝わりにくくなります。
ただし、強く張りすぎる必要もありません。オモリの存在を軽く感じられるくらいまで巻けば十分です。
基本はゆっくりズル引きする
着底して糸ふけを取ったら、リールをゆっくり巻きます。
キスを狙う場合は、リールのハンドルを2~3秒で1回転する程度のゆっくりした速度から始めると分かりやすいでしょう。
すると、オモリが海底をズルズルと移動します。
これが「ズル引き」です。
単にエサを移動させるだけではありません。ズル引きすると、海底の感触も手元へ伝わってきます。
- 軽く一定に引ける → 比較的平らな底の可能性
- コツコツする → 石などがある可能性
- 急に重くなる → 海底の起伏や海藻などに差しかかった可能性
- 何度も引っ掛かる → 岩や障害物が多い可能性
魚は何もない平らな場所だけではなく、砂地の起伏や底質が変わる場所の周辺にいることがあります。
「さっきより少し重くなった」という場所があれば、そこで数秒仕掛けを止めてみるのも一つの方法です。
ストップ&ゴーも覚えておこう
ずっと巻き続けても反応がない場合は、「ストップ&ゴー」を試します。
やり方は簡単です。
- リールを2~3回転ゆっくり巻く
- 仕掛けを5秒ほど止める
- アタリがなければ再び2~3回巻く
- 再び止める
魚が動いているエサを見つけ、仕掛けを止めた瞬間に食いついてくることがあります。
ズル引きで広く探り、気になる場所で止める。この組み合わせは、初心者にも実践しやすい方法です。
アタリが来たらどうする?
キスやハゼがエサへ食いつくと、「コツコツッ」「プルプルッ」「ブルブルッ」という振動が竿先や手元へ伝わることがあります。
初めてこの感触が来ると、びっくりして勢いよく竿をあおりたくなるかもしれません。
しかし、ちょい投げでは必ずしも大きく合わせる必要はありません。
まずは少し巻くか、一度止めて魚がしっかり食い込むのを待ちます。
その後、魚の重みを感じたら、ラインを緩めないよう一定の速度でリールを巻くのが基本です。
大物が掛かったら竿で抜き上げない
小型のキスやハゼならそのまま取り込めることがありますが、予想外に大きな魚が掛かる場合もあります。
堤防の高さがある場所や魚が大きい場合、無理に竿で持ち上げると竿やラインが破損する可能性があります。
大きな魚はタモ網を使って取り込みましょう。
ちょい投げで釣れる魚と狙い方

ちょい投げの魅力は、身近な堤防や河口、砂浜からいろいろな魚を狙えることです。
基本的には海底付近へ仕掛けを置くため、砂地や砂泥底にいる魚が中心になります。
| 魚 | 狙いやすい場所 | 基本の狙い方 |
|---|---|---|
| キス | 砂浜・砂底の堤防 | ゆっくりズル引き |
| ハゼ | 河口・港内 | ズル引き+停止 |
| メゴチ | 砂底 | キス狙いと同様 |
| ベラ | 砂地と岩場が混ざる場所 | ゆっくり誘う |
| カレイ | 砂泥底 | エサを止めて待つ時間を長めに取る |
| カサゴなど | 岩や障害物周辺 | 根掛かりに注意して止めて狙う |
地域や季節、海底の地形によって釣れる魚は変わります。
「ちょい投げなら必ずこの魚が釣れる」と考えるより、釣り場の釣果情報を事前に確認して、その時期に岸近くへ入っている魚を狙う方が効率的です。
メインターゲットのキスを狙うコツ
ちょい投げを始めるなら、代表的なターゲットがシロギスです。
キスを狙うときに覚えておきたいのは、同じ場所だけを延々と狙わないこと。
キスは海底付近を移動しているため、魚のいる場所へ仕掛けを通せるかどうかが重要になります。
そこで、正面だけではなく、少し右、中央、少し左というように投げる方向を変えます。
さらに、最初は20m程度、次は少し手前というように距離を変えると、扇状に広い範囲を探れます。
1匹釣れた場所を覚えておく
キスは複数で行動していることがあります。
1匹釣れたら、「何mくらい投げたか」「どの方向だったか」「巻き始めて何秒くらいでアタリが来たか」を覚えておきましょう。
次も同じコースを通すと、追加で釣れる可能性があります。
キスの基本はゆっくりズル引き

仕掛けが着底したら、竿を楽に構え、リールをゆっくり巻きます。
目安は2~3秒でハンドル1回転程度。あくまでスタート地点なので、反応を見ながら少し速くしたり遅くしたりしてください。
アタリがなければ途中で数秒止めても構いません。
ズル引き、停止、再びズル引き。この繰り返しで魚のいる場所を探していきます。
連掛けを狙うか、1匹ずつ確実に取るか
2本針や3本針でキスを狙っていると、最初のアタリの後もゆっくり巻き続けることで、別の針へ追加のキスが掛かる場合があります。
これが連掛けです。
ただし、初心者の場合は無理に連掛けを狙う必要はありません。魚が掛かった感触がはっきりしたら、その1匹を確実に取り込む方法でも十分です。
慣れてきてから、「同じ場所にまだ魚がいそうだな」と感じたときに試してみるくらいでいいでしょう。
キスのエサは大きくしすぎない
キスは口がそれほど大きくありません。
そのため、イシゴカイや細めのアオイソメを針に沿わせて付け、針から垂れる部分を短めにします。
アタリだけが続いて針掛かりしない場合は、エサの垂らし部分が長すぎないか確認してください。
釣れる季節や時間帯まで詳しく知りたい場合は、こちらも参考にしてください。
ハゼは河口や港内で狙いやすい
河口や汽水域、港内でちょい投げをするなら、ハゼも狙いやすい魚です。
ハゼ狙いでは遠くへ投げる必要がないケースも多く、足元から少し先を丁寧に探るだけでも十分です。
基本はキスと同じようにズル引きし、数回巻いたら数秒止めます。
アタリがある場所を見つけたら、その周辺を重点的に探りましょう。
カレイは少し待つ釣りも有効
カレイを狙う場合は、キスほど仕掛けを動かし続ける必要はありません。
仕掛けを少し動かして海底の変化を探し、「ここに魚がいそう」と感じる場所で止めて待つ方法があります。
キス狙いのテンポの速い釣りとは少し違うため、ターゲットによって誘い方を変えることが大切です。
アジは普通のちょい投げで釣れる?
アジを狙いたい人も多いと思いますが、一般的な天秤+エサ針のちょい投げ仕掛けは、アジを専門に狙う方法としては効率的ではありません。
キスやハゼは海底付近を狙うのに対し、アジはその日の状況によって表層から中層、底付近まで泳ぐ層が変わるからです。
ただし、ちょい投げに使っている竿やリールを活用して、仕掛けを変更すればアジを狙える場合があります。
代表的なのはサビキ仕掛けやジグサビキです。
アジを狙うなら仕掛けを変える
「ちょい投げ用の竿を使う」ことと「ちょい投げ仕掛けでアジを狙う」ことは分けて考えましょう。
アジを専門に狙うなら、アジの泳いでいる水深へ仕掛けを通しやすいサビキ釣りなどの方が向いています。
アジが回遊している時間帯について詳しく知りたい場合は、次の記事も確認してみてください。
ルアーでも手軽な釣りは楽しめる
「虫エサを使わずに同じ竿で釣りたい」という場合は、ルアーへ付け替える方法もあります。
厳密にはエサを使ったちょい投げとは別の釣り方になりますが、同じルアーロッドやスピニングリールを使って楽しめるため、道具を増やしたくない人には相性の良い選択肢です。
メタルジグを投げる
メタルジグは金属製のルアーで、重さがあるため比較的投げやすいのが特徴です。
10g~30g程度の商品も多くありますが、ちょい投げのオモリと同様、使用するロッドの適合ルアーウェイト内で選んでください。
基本は投げたあと海底まで沈め、一定速度で巻く「ただ巻き」や、竿で持ち上げてから沈める「リフト&フォール」などで誘います。
カサゴ、マゴチ、ヒラメなど、エサのちょい投げとは違った魚が狙える可能性があります。
ジグサビキなら回遊魚も狙える
メタルジグの上にサビキ仕掛けを組み合わせる「ジグサビキ」なら、アジ、サバ、イワシなどの回遊魚を狙えることがあります。
エサを付ける必要がなく、魚のいる層を広く探りやすいのが特徴です。
ただし、針が複数付いているため、キャスト時は通常のメタルジグ以上に周囲へ注意してください。
具体的なしゃくり方や釣れないときの動かし方は、こちらの記事で詳しく解説しています。
ちょい投げで釣れないときの対処法
道具も仕掛けも合っている。それでもまったくアタリがない。
初めてのちょい投げでは、ここで「自分のやり方が間違っているのかな」と不安になるかもしれません。
でも、魚がいない場所へ何度投げても釣れません。ちょい投げで釣れないときは、同じことを続けるより条件を一つずつ変えていく方が効率的です。
アタリがないなら投げる方向を変える
最初に変えたいのが、投げる方向です。
正面へ投げて反応がなければ、少し右。次は左というように扇状に探ります。
魚の群れが数m横にいるだけなら、これだけで急にアタリが出ることがあります。
次に投げる距離を変える
遠くへ投げたから釣れるとは限りません。
30m先に反応がなければ20m、10mと距離を変えてみましょう。
逆に手前で反応がなければ、無理のない範囲で少し遠くを探ります。
巻くスピードを変える
初心者に多いのが、仕掛けを速く回収しすぎるケースです。
魚にエサを見せる時間が短くなっている可能性があるため、まずは2~3秒にハンドル1回転ほどのゆっくりした速度まで落としてみてください。
それでも反応がなければ、途中で5~10秒止める方法も試します。
エサが残っているか確認する
アタリがないまま長時間仕掛けを入れている場合、一度回収してエサを確認しましょう。
知らないうちにエサだけ取られていたり、キャストした衝撃でエサが外れていたりする場合があります。
エサがなくなっていれば、新しいエサを付け直します。
それでもダメなら立ち位置を変える
方向、距離、誘い方を変えても反応がないなら、立ち位置そのものを変えます。
釣りが許可されている範囲内で数十m移動するだけでも、海底の地形が変わることがあります。
同じ場所で粘り続けるより、「魚のいる場所を探す」という意識を持つことが大切です。
釣れない原因をさらに整理したい場合は、次の記事でも釣り全般のチェックポイントを紹介しています。
釣りで釣れない理由とは?原因別の具体的対策と初心者の改善法まとめ
アタリはあるのに釣れないときの原因
まったくアタリがない場合より悔しいのが、「ブルブルッと来るのに釣れない」状態です。
ただ、魚からの反応があるなら、少なくとも魚のいる場所へ仕掛けを通せている可能性があります。
ここでは仕掛けを大きく変える前に、次のポイントを確認してください。
エサを短くする
まず試したいのが、エサを少し短くすることです。
エサが長いと、魚が針のない先端部分だけをくわえている可能性があります。
特に小型のキスやハゼが相手なら、垂らしを短くすることで針まで吸い込みやすくなることがあります。
アタリのあと数秒止めてみる
アタリが出た瞬間に仕掛けを動かし続けると、魚が十分にエサを食い込めないことがあります。
「コツコツッ」と反応が来たら、一度リールを止めて数秒待ってみましょう。
その後、魚の重みが乗ればゆっくり回収します。
針の大きさも確認する
狙っている魚に対して針が大きすぎる場合も、エサだけ取られる原因になります。
市販のちょい投げ仕掛けには対象魚や針のサイズが表示されているため、キスやハゼなど狙う魚に合ったものを選んでください。
「アタリがあるのに針に掛からない」というとき、すぐにポイントを移動する必要はありません。
魚からの反応がある場所なら、まずはエサを短くする、数秒止める、針のサイズを確認する。この順番で調整してみると分かりやすいですよ。
それでも掛からなければ、少し小さな針の仕掛けへ交換してみるのも一つの方法です。
根掛かりや仕掛け絡みを減らすコツ
ちょい投げ初心者が釣果以上に困りやすいのが、根掛かりと仕掛け絡みです。
根掛かりが多いならズル引きをやめる
ズル引きは便利ですが、岩や海藻の多い場所で続けると仕掛けが引っ掛かりやすくなります。
何度も根掛かりするなら、その場所は砂地中心ではない可能性があります。
仕掛けを引きずり続けず、少し動かしてから止める釣りへ変更するか、砂底のポイントへ移動しましょう。
初心者の場合、仕掛けを何個か予備で持っておくことも大切です。根掛かりで1セット失っただけで釣りを終了しなくて済みます。
仕掛けが絡むなら投げ方を弱くする
毎回仕掛けが絡んで戻ってくる場合、力いっぱいキャストして仕掛けが空中で暴れている可能性があります。
少し力を抜き、竿の反発を使ってなめらかに投げてみてください。
また、初心者は短い仕掛けや1~2本針へ変えるだけでも扱いやすくなります。
初心者がちょい投げをする場所の選び方
仕掛けやテクニックと同じくらい大切なのが釣り場です。
ちょい投げでキスやハゼを狙うなら、砂や泥を含む海底の場所が候補になります。
- 砂浜
- 海底が砂地の堤防
- 港内
- 河口
- 海釣り公園など管理された釣り場
初めてなら、足場が安定し、釣りが許可されている場所を選びましょう。
立入禁止の防波堤や危険なテトラポッドへ入ってまで釣る必要はありません。
釣り場によって利用時間、釣り方、使用できる仕掛け、駐車場所などのルールが異なる場合があります。出かける前に現地の案内や管理者の公式情報を確認してください。
ちょい投げでは毒魚に注意
ちょい投げでは本命以外の魚もよく掛かります。
そこも楽しさの一つですが、中には毒のある魚もいるため注意が必要です。
知らない魚は素手で触らないでください
釣り場によっては、ハオコゼ、ゴンズイ、アカエイなど、毒棘を持つ生き物が掛かる可能性があります。
魚の種類が分からない場合は「小さいから大丈夫」と判断せず、素手では触らないようにしてください。
フィッシュグリップやプライヤーを使用し、安全を確保して針を外します。
危険生物に刺された場合は、魚種によって適切な処置が異なります。自己判断による処置だけで済ませず、医療機関へ相談・受診してください。
海上保安庁も、知らない魚には直接触れず、危険生物に刺された場合は医療機関で治療を受けるよう案内しています。(参照:海上保安庁「海の危険生物」)
ちょい投げを安全に楽しむための注意点
ちょい投げは手軽ですが、水辺で行う以上、安全対策は欠かせません。
- ライフジャケットを正しく着用する
- 滑りにくく脱げにくい靴を選ぶ
- 天候や風、波の状況を確認する
- 立入禁止区域へ入らない
- キャスト前に周囲を確認する
- 子どもだけで水辺へ近づかせない
- 知らない魚を素手で触らない
- スマートフォンなど連絡手段を確保する
- ゴミや使用済みの仕掛けを持ち帰る
海上保安庁も、釣りではライフジャケット、釣り場に合った履物、通信手段などの準備を案内しています。
特に天候が悪化してきた場合は、「もう少しだけ」と粘らず、安全を優先して釣りを終了してください。
釣れるかどうかより、無事に帰ることの方がずっと大切です。
ちょい投げのやり方でよくある質問
ちょい投げは何m投げればいい?
最初から50m以上飛ばす必要はありません。
10~30m程度の近距離から始め、アタリがなければ少しずつ距離を変えてみましょう。魚が岸近くに寄っていれば、それほど遠くへ投げなくても釣れます。
ちょい投げのオモリは何号がいい?
竿によって変わるため、「何号なら必ず正解」とは言えません。
まず竿に記載されたオモリ負荷または適合ルアーウェイトを確認し、その範囲内で選びましょう。
ルアーロッドなら、1号約3.75gで換算すると判断しやすくなります。
エギングロッドでもちょい投げできる?
適合重量が合っていれば使用できる場合があります。
ただし、オモリだけでなく天秤や仕掛けも付くため、ロッドの上限重量ぎりぎりを使うのは避けた方が安心です。
初心者は何本針が使いやすい?
扱いやすさを優先するなら1~2本針がおすすめです。
針が増えるほど連掛けを狙いやすくなりますが、仕掛け絡みや根掛かりのリスクも増えます。
投げたらそのまま待ってもいい?
ターゲットによっては待つ釣りも有効です。
ただ、キスなどを狙うなら、ずっと同じ場所へ置いておくより、ゆっくりズル引きして広く探る方法から始めると魚の居場所を見つけやすくなります。
アタリが来たらすぐ合わせる?
キスやハゼのちょい投げでは、大きく竿を振り上げる必要がないケースが多いです。
アタリが来たら少し待つか、そのままゆっくり巻き、魚の重みを感じてから一定速度で回収してみてください。
虫エサを触れなくても釣れる?
人工エサを使う方法があります。
ただし、魚の活性や場所によって生エサと反応が変わる可能性があります。「絶対に生エサと同じように釣れる」と考えるのではなく、虫エサを使えない人の選択肢として考えるとよいでしょう。
この記事でちょい投げのやり方を習得
ちょい投げは、本格的な投げ釣りのような遠投技術がなくても始めやすく、キスやハゼをはじめ、さまざまな魚を狙える釣りです。
最初は道具や専門用語が多く感じるかもしれませんが、実際のやり方はそれほど複雑ではありません。
仕掛けを作る、エサを付ける、投げる、底まで沈める、ゆっくり巻く。
まずはこの流れを覚えれば十分です。
- ちょい投げは軽めの道具で近~中距離を探る釣り
- 初心者は完成された「ちょい投げセット」を使うと準備しやすい
- 手持ちのルアーロッドも適合重量が合えば流用できる場合がある
- オモリは重ければよいのではなく、竿の適合重量を優先して選ぶ
- 1号は約3.75gなので、ルアーロッドを使う場合は重量を換算する
- 初心者なら1~2本針の短い仕掛けが扱いやすい
- 基本のエサはイシゴカイやアオイソメ
- 虫エサが苦手なら人工エサを選択できる
- キャスト前には必ず後ろ・左右・前方を確認する
- 最初から遠投せず10~30m程度から探ればよい
- 着水後はオモリが海底へ着いたことを確認する
- 着底後は余分な糸ふけを取る
- キス狙いの基本はゆっくりしたズル引き
- 目安は2~3秒にハンドル1回転程度から始める
- 反応がなければ途中で5~10秒ほど止めてみる
- アタリがなければ投げる方向や距離を変える
- 1匹釣れた場所は同じコースをもう一度狙う
- アタリだけで掛からないならエサを短くしてみる
- 根掛かりが多い場所ではズル引きを続けない
- アジを狙うなら通常のちょい投げ仕掛けではなくサビキやジグサビキも検討する
- 知らない魚や毒魚の可能性がある魚を素手で触らない
- ライフジャケットを着用し、天候や釣り場のルールを確認する
ちょい投げを始めたばかりなら、いきなり大物や大量の釣果を目標にしなくても大丈夫です。
まずは仕掛けを安全に投げ、着底が分かり、海底をゆっくり引いて、「ブルブルッ」という魚のアタリを一度感じてみてください。
その感覚が分かると、次は「少し右へ投げてみよう」「ここで止めてみよう」「さっき釣れた距離をもう一度狙おう」と、自分で考えながら釣れるようになります。
それが、ちょい投げの面白いところです。
道具をまだ揃えていない方は、最初から高価な専用品を何本も買う必要はありません。自分が行く釣り場と、やってみたい釣り方に合う最低限の道具から揃えてみてください。
🎣 これから釣りを始める方へ
「ちょい投げ以外にも使える道具を一式揃えたい」「竿やリール以外に何が必要か分からない」という方は、初心者向けの道具をまとめた記事もチェックしてみてください。
※竿・リールだけでなく、安全用品や小物までまとめて確認できます

