【2025年版】海釣りは許可いらない?初心者が知るべきルール

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「海釣りは許可がいらないって本当?」そんな疑問から釣りの世界に一歩踏み出そうとしている方も多いのではないでしょうか。気軽に始められるイメージのある海釣りですが、実は知っておくべき大切なルールが存在します。例えば、釣ってはいけない魚が定められていたり、漁業権という権利が関係していたりします。海釣り初心者の場合、川釣りで聞く遊漁券とはどう違うのか、そもそも釣りが禁止される理由は何ですか?といった基本的な疑問も浮かぶでしょう。さらに、便利な道具であるお魚キラーが禁止の県があることや、海のルールを地図で確認できる「海しる」の存在など、安全に楽しむための知識は多岐にわたります。この記事では、これらの疑問を一つひとつ丁寧に解説し、安心して海釣りデビューできるようサポートします。

  • 海釣りの許可に関する基本ルールが分かる
  • 法律で定められた禁止事項や罰則を理解できる
  • 安全に釣りを楽しむための具体的な方法が身につく
  • 初心者でも自信を持って釣り場を選べるようになる
目次

「海釣りの許可がいらない」は本当?基本を解説

  • 海釣り初心者でも分かる許可の基本
  • 許可が不要な釣り場と条件
  • 川釣りに必要な遊漁券と海釣りの違い
  • 逆に許可や届出が必要になるケース

海釣り初心者でも分かる許可の基本

結論から言うと、個人が趣味として楽しむ範囲の海釣りであれば、ほとんどの場合、特別な許可や料金は必要ありません。これが「海釣りは許可がいらない」と言われる主な理由です。日本の法律では、海は特定の人の所有物ではなく「公共の用」に供されるものとされており、誰もが自由に利用できるのが原則です。このため、川や湖のように特定の管理者が遊漁料を徴収する仕組みが、海には基本的に存在しないのです。

そのため、海釣り初心者の人でも、釣竿やリール、仕掛けといった基本的な道具さえ揃えれば、すぐにでも釣りを始めることが可能です。この参入障壁の低さ、思い立ったらすぐに行ける手軽さが、海釣りの大きな魅力の一つと言えるでしょう。

海釣りの基本ポイント

個人がレジャー目的で行う一般的な釣り(岸からの竿釣りなど)は、原則として許可不要です。ただし、この「自由」は「無制限」という意味ではありません。後述する法律や地域の条例、マナーといった社会的なルールの中で認められた自由です。場所や釣り方、対象魚によってはルールが定められているため、事前の確認が大切になります。

もちろん、許可が不要だからといって、どこでも、何でも自由に釣って良いわけではありません。後述する漁業権の対象となっている生物を採捕したり、安全のために立ち入りが禁止されている区域に入ったりすることは法律で厳しく禁じられています。まずは「基本的に許可は不要だが、守るべきルールがある」という点をしっかり理解しておくことが、トラブルを避け、長く安全に釣りを楽しむための第一歩です。

許可が不要な釣り場と条件

海釣りで許可が不要な場所は数多くありますが、具体的にどのような場所が当てはまるのでしょうか。一般的には、国や自治体が管理し、広く一般に開放されている以下のような場所が該当します。

  • 公共の海岸や砂浜:多くのサーフ(砂浜)やゴロタ浜は自由に釣りができます。
  • 多くの防波堤や堤防:漁港の外側に設置されている防波堤などは、立ち入りが禁止されていなければ基本的に釣り可能です。
  • 漁港内の一部:漁業活動の邪魔にならないエリアが「釣り人へ開放」されていることがあります。「釣りOK」の看板や、清掃協力金の看板がある場所は目安になります。
  • 海釣り公園:地方自治体や民間企業が運営する施設です。安全柵が設置され、トイレや売店も完備されていることが多く、初心者や家族連れに最適です。入場料は施設の維持管理費であり、個別の許可とは異なります。

これらの場所は、多くの人々が利用することを前提としており、比較的安全に釣りを楽しめるようになっています。周りでたくさんの人が釣りを楽しんでいる場所は、許可が不要である可能性が高いと考えて良いでしょう。

黙認されているだけの場所も存在

注意点として、釣り人が多くいるからといって、必ずしも公式に釣りが許可されているとは限りません。中には、本来は立ち入りが好ましくないものの、地域住民や管理者が黙認しているというグレーな場所も存在します。このような場所は、何かのきっかけ(事故やマナー違反の多発など)で突然釣り禁止になることがあります。トラブルを避けるためにも、できるだけ自治体の観光サイトで紹介されている場所や、公式に「釣りOK」と明記されている海釣り公園などを選ぶのが最も安心です。

そして、最も重要な条件は、「他の利用者に迷惑をかけず、環境に配慮すること」です。許可不要の場所であっても、ゴミは必ず持ち帰る、漁業関係者の作業の邪魔をしない、夜間に騒がないといった最低限のマナーを守ることが、すべての人が気持ちよく釣りを楽しむために不可欠です。

川釣りに必要な遊漁券と海釣りの違い

釣りの許可について話すとき、必ずと言っていいほど比較されるのが川釣りの「遊漁券(入漁券)」です。川や湖で釣りをする際には、その水域を管理する内水面漁業協同組合(漁協)が発行する遊漁券の購入が義務付けられていることがほとんどです。

これは、漁協が組合員の漁業だけでなく、釣り人(遊漁者)のためにアユやヤマメ、ニジマスといった魚の稚魚を放流したり、産卵場所を整備したり、河川の清掃活動を行ったりと、水産資源を維持・管理するための活動を行っているためです。遊漁券の料金は、これらの活動費用を釣り人が一部負担するという考え方に基づいています。いわば、管理された釣り場を利用するための「利用料」としての性格が強いのです。

一方、海は非常に広大で、特定の組織が全ての資源を管理することは不可能です。そのため、原則として遊漁券の制度は存在しません。

海釣りと川釣りの許可に関する違い(詳細版)
項目 海釣り 川釣り(中・上流域)
許可・料金 原則不要(一部施設を除く) 遊漁券の購入が必須な場合が多い
管理主体 国・自治体(広域的な管理) 地域の漁業協同組合(漁協)
料金の根拠 公共の場としての自由利用が原則 漁協による放流事業・環境整備など資源維持活動への協力
対象魚種 多種多様(アジ、サバ、イワシなど) アユ、ヤマメ、イワナなど放流対象魚が中心

このように、海と川では管理の仕組みや考え方が大きく異なるため、許可の有無も違ってきます。この違いを理解しておくと、なぜ海では自由に釣りができるのか、なぜ川では料金が必要なのかが明確になり、それぞれのフィールドでルールを守る意識が高まるでしょう。

逆に許可や届出が必要になるケース

「海釣りは許可がいらない」のが基本ですが、もちろん例外も存在します。レジャーの範囲を逸脱したり、特殊な状況下で釣りを行ったりする場合には、許可や届出、あるいは特別な料金が必要になることがあります。

1. 商業目的(漁業)での釣り

釣った魚を市場で販売したり、飲食店に卸したりするなど、レジャーではなく生業として(=商業目的)魚を採捕する場合は「漁業」にあたります。漁業を営むには、漁業法に基づき、都道府県知事から「漁業許可」を得る必要があります。これは趣味の釣りとは全く異なる手続きと資格が求められる専門的な領域です。

2. 特定の保護水域での釣り

水産資源の繁殖保護や研究などを目的として、国や自治体が「保護水面」「禁漁区」に指定している区域が存在します。例えば、特定の魚の産卵場や、希少な海洋生物が生息するサンゴ礁などがこれにあたります。こうした場所では、釣りが全面的に禁止されていたり、特別な許可を得た研究者等しか入れなかったりすることがあります。現地の看板や自治体のウェブサイトで必ず確認しましょう。

3. 大規模なイベントや大会の開催

個人や団体が釣り大会のような大規模なイベントを主催する場合、多くの人が集まることで安全上のリスクや他の利用者とのトラブルが発生する可能性があります。そのため、事前に海岸管理者(都道府県や市町村)や港湾管理者への届出や許可申請が必要になることが一般的です。これは安全確保や場所の占有に関する手続きです。

4. 特殊な漁具・漁法の使用

竿とリールを使った一般的な釣りではなく、小型の定置網や刺し網など、漁業者が使用するような漁具を用いて魚を採捕する場合には、たとえ個人であっても漁業許可が必要となる可能性があります。どの漁具が許可対象になるかは都道府県の規則によって定められています。

豆知識:私有地を通る際の注意

海岸線に面した土地が個人の別荘や工場の敷地など、私有地である場合、その土地への立ち入りには当然ながら所有者の許可が必要です。たとえその先の海が公共の場であっても、そこへ至る唯一のルートが私有地であれば無断で侵入することはできません。これは不法侵入にあたるため、厳に慎むべきです。必ず公道からアクセスできる釣り場を選びましょう。

言ってしまえば、一般的な趣味の釣りでこれらのケースに該当することは稀です。しかし、特殊な方法や目的で釣りを行う際には、それが法律や条例に抵触しないか、関係各所への確認を怠らないようにしてください。

「海釣りの許可がいらない」でも守るべき禁止事項

  • なぜ?釣りが禁止される理由は何ですか?
  • 密漁になる?漁業権の侵害に注意
  • 具体的に釣ってはいけない魚介類
  • お魚キラーが禁止の県とその理由
  • 海しるで禁止区域を事前に確認しよう
  • 立ち入り禁止場所での釣りは軽犯罪

なぜ?釣りが禁止される理由は何ですか?

許可不要の場所がある一方で、看板などで明確に「釣り禁止」とされている場所も少なくありません。これらの規制には、釣り人の安全確保から地域社会との共存まで、複合的で正当な理由が存在します。

1. 安全確保が困難なため

最も多いのがこの理由です。具体的には、以下のような場所が該当します。
高波や転落の危険がある場所:消波ブロック(テトラポッド)が積まれた場所や、柵のない断崖絶壁など。
船舶の航行に支障をきたす場所:大型船やフェリーが頻繁に通る航路筋や、港湾内の荷役作業が行われる岸壁。
工事区域や危険物施設周辺:予期せぬ危険が伴うため、関係者以外の立ち入りが厳しく制限されます。

2. 環境保全・水産資源の保護のため

特定の魚の重要な産卵場所(スポーニングエリア)や、稚魚が育つ藻場・干潟などは、未来の資源を守るために釣り禁止区域(禁漁区)に指定されることがあります。生態系全体を守るための重要な措置です。

3. 私有地・重要管理施設であるため

港湾施設や工場の敷地内など、そもそもが私有地や関係者以外の立ち入りを想定していない場所も多くあります。特に、2001年の米国同時多発テロ事件をきっかけに、国土交通省が推進するSOLAS(ソーラス)条約(改正海上人命安全条約)に基づき、国際航路に就航する船舶が利用する大規模な港湾施設(埠頭)では保安対策(テロ対策)が強化されました。これにより、全国の多くの埠頭でフェンスが設置され、関係者以外の立ち入りが厳しく制限されるようになりました。

4. 他の利用者や地域社会とのトラブルを避けるため

残念ながら、これが原因で釣り場が失われるケースが後を絶ちません。具体的には、以下のようなマナー違反が問題となります。
ゴミの放置:釣り糸やエサの袋、空き缶などを放置することで景観が悪化し、環境汚染にもつながります。
迷惑駐車:漁港関係者や地域住民の通行の妨げになる場所に駐車する。
騒音問題:特に夜釣りにおいて、大きな声での会話や車のドアの開閉音が迷惑となる。
漁業活動の妨害:漁船の係留ロープに仕掛けを絡ませたり、漁師の作業スペースを占拠したりする。

「釣り禁止」の看板は、先人たちの過ちや、やむにやまれぬ事情の結果であることが多いのです。自分や周りの人の安全、そして未来の釣り場を守るためにも、表示されたルールは絶対に守りましょう。

密漁になる?漁業権の侵害に注意

海釣りで最も注意すべき法律の一つが「漁業権」です。これは漁業法という法律で定められた、漁業を営む人のための重要な権利です。漁業権とは、地元の漁業協同組合などが、特定の海域でアワビやサザエ、コンブといった特定の水産動植物を優先的・独占的に採捕し、事業として成り立たせるための権利のことを指します。

この漁業権の対象となっている生物を、漁業権を持たない一般の人が採捕する行為は「漁業権侵害」となり、悪質な場合は密漁とみなされます。これは、たとえ自分で食べる目的で1つ採っただけでも成立する可能性があり、「知らなかった」では済まされない重大な違反行為です。

特に、アワビ、ナマコ、シラスウナギ(うなぎの稚魚)の3種は、資源への影響が大きく、密漁の対象となりやすいことから「特定水産動植物」に指定されています。これらを許可なく採捕した場合、さらに重い罰則が科されます。

漁業権侵害と特定水産動植物採捕の罰則

水産庁の発表によると、密漁に対する罰則は近年大幅に強化されています。

  • 漁業権侵害(一般):100万円以下の罰金
  • 特定水産動植物の採捕:3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金

このように、軽い気持ちで行った行為が、自身の人生に大きな影響を与えかねない深刻な事態につながる可能性があります。

もし漁業権の対象生物を偶然釣ってしまったり、仕掛けに引っ掛けてしまったりした場合は、ダメージを与えないよう配慮しつつ、速やかに海に返す(リリースする)義務があります。漁業は地域経済を支える重要な産業であり、その基盤となる資源を守るためのルールであることを深く理解し、尊重する姿勢が釣り人には求められます。

具体的に釣ってはいけない魚介類

前述の通り、漁業権の対象となっている魚介類を採捕することは法律で禁止されています。対象となる生物は、各都道府県の漁業調整規則や、地域の漁業協同組合が免許を持つ漁業権の内容によって異なります。一般的に以下のようなものが対象とされていることが多いです。

主な漁業権対象生物の例

  • 貝類:アワビ、サザエ、トコブシ、ハマグリ、アサリ、カキ、ミルクイ、ホタテなど
  • 甲殻類:イセエビ、クルマエビ、ケガニ、ガザミ(ワタリガニ)など
  • その他定着性の生物:タコ、ナマコ、ウニ、ホヤなど
  • 海藻類:コンブ、ワカメ、ヒジキ、テングサ、アオノリなど

これらの生物は「釣る」というよりは「獲る」「採る」というイメージに近いものが多いですが、例えばタコはエギングで人気のターゲットですし、イセエビが防波堤からの釣りで偶然釣れてしまうこともあります。地域によって対象が異なるため、釣りに行く前には必ず現地の漁協や釣具店などで情報を確認することが重要です。

サイズ制限や禁漁期間にも注意

漁業権の対象でなくても、水産資源の持続的な利用を図るため、都道府県の漁業調整規則によって、特定の魚種の採捕が禁止される期間(禁漁期間)や、採捕しても良いサイズ(全長制限、または体長制限)が定められている場合があります。

これは、産卵期の親魚や、まだ一度も産卵していない小さな個体を保護することが目的です。例えば、ヒラメは多くの県で全長30cm未満の個体の採捕が禁止されていますし、イセエビは産卵期にあたる初夏から夏にかけて禁漁期間が設けられている地域が多いです。これらの規則に違反した場合も罰則の対象となるため、狙う魚種については事前にルールを調べておく必要があります。

お魚キラーが禁止の県とその理由

「お魚キラー」や「カニ網」「もんどり」といった、エサで魚やカニをおびき寄せてカゴや網の中に閉じ込めるタイプの漁具(籠網漁具)は、手軽で高い捕獲能力を持つため、使用を考える人もいるかもしれません。しかし、これらの漁具の使用は、多くの都道府県で遊漁者(趣味の釣り人)に対して明確に禁止または厳しい制限が設けられています。

各都道府県が定める「漁業調整規則」には、漁業者以外の人(遊漁者)が使用できる漁具・漁法がリストアップされています。このリストに含まれていない漁具・漁法は、原則として使用できません。そして、多くの都道府県の規則では、竿釣り、手釣り、たも網、投網(船を使わないもの)などに限定されており、「お魚キラー」のような籠網漁具は含まれていません。つまり、これらの地域で許可なく使用することは規則違反となります。

なぜ「お魚キラー」は禁止されるのか?

これらの漁具が厳しく制限される主な理由は、資源管理の観点から問題が大きいためです。

  1. 過剰採捕(乱獲)の危険性:誰でも簡単に、かつ大量に水産生物を捕獲できてしまうため、地域の資源に深刻なダメージを与える可能性があります。
  2. 非選択的な捕獲(混獲):狙った魚だけでなく、小さな幼魚や希少な生物、漁業権の対象生物など、意図しない生物まで捕獲してしまう可能性が非常に高いです。
  3. 放置による環境問題(ゴーストフィッシング):設置したカゴを回収し忘れると、その中で魚が死に、その死骸を食べるためにまた新たな魚が入る…という死の連鎖が延々と続いてしまうことがあります。

他にも、「やす(銛)」の使用についても、ゴムなどを用いて発射するスピアガンのような道具は禁止されていたり、「ひき縄釣り(トローリング)」が制限されていたりと、漁具・漁法に関するルールは細かく定められています。使用したい道具がある場合は、必ず釣行先の都道府県のウェブサイトで最新の漁業調整規則を確認するようにしてください。

海しるで禁止区域を事前に確認しよう

ここまで様々なルールを解説してきましたが、「現地の複雑なルールを、どうやって事前に調べればいいの?」と感じる方も多いでしょう。そこでおすすめなのが、海上保安庁が提供する海洋状況表示システム、通称「海しる」です。これは、釣り人にとっての「海の地図帳」とも言える非常に便利なサービスです。

「海しる」は、パソコンやスマートフォンのブラウザから誰でも無料で利用できるウェブサイトで、日本の海の様々な公的情報を地図上で重ね合わせて表示することができます。この中には、漁業権が設定されている区域や、船舶の航路、保護区、定置網の位置といった、釣り人が安全かつルールを守って楽しむために欠かせない情報が満載です。

「海しる」の具体的な活用ステップ

  1. 海洋状況表示システム(海しる)公式サイトにアクセスします。
  2. 地図を拡大・移動させ、自分が行こうとしている釣り場を表示させます。
  3. 画面のメニューから「漁業」の項目を探し、その中にある「共同漁業権」や「区画漁業権」にチェックを入れます。
  4. 地図上に色付きのエリアが表示されるので、そのエリアをクリック(タップ)します。
  5. 詳細情報ウィンドウが開き、「どの漁協」が「どのような種類の漁業権(例:貝類漁業、藻類漁業など)」を「いつまで」持っているのかを確認できます。

これにより、例えば「この砂浜は貝類漁業の漁業権が設定されているから、潮干狩りはできないな」とか、「この磯は藻類漁業の対象だから、ワカメを採ってはいけないな」ということが事前に一目で分かります。

もちろん、「海しる」の情報が全てではなく、最新の状況やごく局所的なルール(例:特定の堤防の先端だけ釣り禁止など)までは網羅していません。しかし、釣行計画を立てる段階で、大きな法律違反を避けるための強力なツールであることは間違いありません。釣りの前に一度チェックする習慣をつけることで、意図せずルールを破ってしまうリスクを大幅に減らすことができます。

立ち入り禁止場所での釣りは軽犯罪

「釣り禁止」の看板は「ここでの釣りという行為を控えてください」というお願いやルール提示ですが、より厳格なのがフェンスや有刺鉄線、明確な看板で示された「立ち入り禁止」の場所です。このような場所に正当な理由なく侵入する行為は、単なるマナー違反ではなく、明確な法律違反となります。

具体的には、軽犯罪法第一条三十二号に「入ることを禁じた場所又は他人の田畑に正当な理由がなくて入つた者」を罰する規定があり、これに抵触する可能性があります。違反した場合、「拘留(1日以上30日未満、刑事施設に収容)または科料(1,000円以上1万円未満の金銭罰)」の対象となります。

たとえ「釣りのため」という目的があったとしても、それは法的な「正当な理由」にはなりません。「魚がたくさん釣れそうだから」「誰も見ていないから」といった軽い気持ちでフェンスを乗り越える行為は、検挙されれば前科がつく可能性もある犯罪行為です。警察に通報されれば、楽しいはずの釣りが、事情聴取や罰則といった最悪の結果に終わってしまいます。

さらに、立ち入り禁止区域は安全が確保されていない場所です。万が一、そのような場所で転落事故などを起こした場合、自己責任が厳しく問われるだけでなく、救助隊に多大な迷惑をかけることになります。安全のためにも、法律を守るためにも、立ち入り禁止の場所には絶対に入らないでください。釣りができる場所は、他にたくさんあります。

ルールを守れば海釣りの許可はいらない

この記事では、「海釣りは許可がいらない」という言葉の真意と、その裏にある守るべき法律、規則、そしてマナーについて詳しく解説してきました。最後に、安全で楽しい海釣りを持続させていくための重要なポイントを、改めて要点としてまとめます。

  • 個人の趣味で行う海釣りは、原則として国や自治体への許可申請や料金は不要
  • ただし、それは法律や地域のルールを遵守するという絶対的な前提の上で成り立つ自由
  • 川釣りでは漁協が資源管理を行っているため、その費用を賄う遊漁券が必要な場合が多い
  • 漁業権が設定された区域で対象生物(アワビ、サザエ等)を採捕する行為は密漁にあたる
  • 漁業権の対象生物は地域により異なるため、事前の確認が不可欠
  • 知らずに採捕してしまった場合は、ダメージを与えずに速やかに海へリリースする義務がある
  • 特にアワビ・ナマコ等の「特定水産動植物」の密漁は、3年以下の懲役または3,000万円以下の罰金という極めて重い罰則が科される
  • 都道府県の漁業調整規則により、魚種ごとに採捕可能なサイズや禁漁期間が定められている
  • 安全確保、環境保全、保安対策(SOLAS条約)などの理由から釣り禁止・立ち入り禁止の場所がある
  • ゴミの放置や迷惑駐車といった釣り人のマナー違反が、新たな釣り禁止場所を生む最大の原因の一つ
  • 立ち入り禁止区域への侵入は軽犯罪法違反であり、罰則の対象となる犯罪行為
  • お魚キラー等の籠網漁具は、資源への影響が大きいため多くの都道府県で遊漁者の使用が禁止されている
  • 海上保安庁のウェブサイト「海しる」を使えば、漁業権が設定されている範囲を地図で事前に確認できる
  • 釣り場でのルールやマナーを守ることは、自分自身の安全を守り、未来の釣り環境を守ることに直結する
  • 不明な点があれば、現地の釣具店や漁協に問い合わせるのが最も確実な方法
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