堤防でのウキ釣りを始めたいけれど、釣りで浮きの付け方がわからず、何から手をつけて良いか迷っていませんか。ウキ釣り初心者の方が最初に直面する疑問は、ウキの種類の多さや、オモリとウキのバランスは?といった専門的な部分かもしれません。また、ウキ釣りに適したラインは?という基本的な問いから、便利なウキ釣りの仕掛けセットの選び方、代表的な玉ウキの使い方まで、知りたいことはたくさんあるでしょう。さらに、ウキ止めは必要ですか?という疑問や、ウキ止めはゴムと糸のどちらが良い?といった細かい選択も釣果を左右する重要なポイントです。この記事では、そんなあなたの悩みをすべて解決します。
この記事で分かること
- ウキ釣りに必要な道具の基本
- ウキの種類と状況に応じた選び方
- 「固定」と「遊動」2種類の仕掛けの作り方
- 釣果を格段にアップさせる実践的なコツ
ウキ釣りの基本と釣り中の浮きの付け方
- ウキ釣り初心者が揃えるべき道具
- ウキの基本的な種類と選び方
- ウキ釣りに適したラインの選び方
- オモリとウキのバランス調整法
- 便利なウキ釣り仕掛けセットの紹介
ウキ釣り初心者が揃えるべき道具

ウキ釣りを始めるにあたり、最初に揃えるべき基本的な道具があります。結論として、「竿」「リール」「仕掛け」「エサ」そしていくつかの小物があれば、すぐにでも釣りに出かけることが可能です。これらを一つずつ揃えることで、釣りの準備がスムーズに進みます。
なぜなら、これらの道具はそれぞれが重要な役割を担っており、一つでも欠けると釣りを快適に行うことが難しくなるからです。例えば、竿とリールは魚とのやり取りの根幹をなし、仕掛けがなければ魚を誘うことすらできません。
最初はたくさんの道具に圧倒されるかもしれませんが、まずは基本のセットを理解することから始めましょう。釣具店で「初心者向けのウキ釣りセット」として販売されているものを活用するのも一つの良い方法です。
竿(ロッド)
初心者の方には、長さが3mから4.5m程度の「万能竿」や「磯竿」がおすすめです。これらの竿は、堤防からのウキ釣りに必要な長さを備えつつ、様々な魚種に対応できる柔軟性を持っています。特にコンパクトに収納できる振出(ふりだし)タイプは持ち運びにも便利です。

リール
リールは、2000番から2500番サイズのスピニングリールが最も扱いやすいでしょう。このサイズのリールは、後述する適合ラインを巻くのに十分な容量があり、重すぎないため長時間の釣りでも疲れにくいのが特徴です。

エサ
エサには、ハリに付ける「刺しエサ」と魚を寄せるための「撒きエサ(コマセ)」があります。刺しエサはオキアミやアオイソメ(虫エサ)が一般的です。撒きエサは、アミエビに集魚剤を混ぜたものが広く使われており、魚の活性を高め、釣果を大きく向上させる効果が期待できます。
撒きエサの注意点
釣り場によっては撒きエサの使用が禁止されている場合があります。釣行前には必ず現地のルールを確認し、マナーを守って釣りを楽しみましょう。
その他必要な小物
釣りをより快適かつ安全に行うために、以下の小物も準備しておくと安心です。
- ハサミ(糸を切るため)
- プライヤー(ハリを外すため)
- 水汲みバケツ(釣った魚を入れたり、手を洗ったりする)
- クーラーボックス(魚や飲み物を保冷する)
- タオル
ウキの基本的な種類と選び方

ウキには様々な種類があり、それぞれに特徴があります。釣り場の状況や狙う魚に合わせて適切なウキを選ぶことが、釣果を伸ばすための重要な鍵となります。主に「棒ウキ」「円錐ウキ」「電気ウキ」の3種類を覚えておけば、多くの状況に対応できます。
それぞれのウキは形状や得意な状況が異なるため、その特性を理解することが大切です。例えば、感度を重視するなら棒ウキ、風が強い日には円錐ウキといった使い分けが基本になります。
種類 | 特徴 | 得意な状況 | デメリット |
---|---|---|---|
棒ウキ | 細長い形状で、わずかなアタリも捉える高感度が魅力。視認性も高い。 | 波が穏やかな日、繊細なアタリを取る釣り(メバル、チヌなど) | 風に弱く、仕掛けが絡みやすいことがある。 |
円錐ウキ (ドングリウキ) |
風や波の影響を受けにくく、遠投性に優れる。仕掛けの操作がしやすい。 | 風や波が強い日、潮の流れに乗せて広範囲を探る釣り(グレ、チヌなど) | 棒ウキに比べると感度はやや劣る。 |
電気ウキ | 内部に電池や発光体をセットでき、夜間でもトップが光って見える。 | 夜釣り全般(タチウオ、メバル、アジなど) | 日中の釣りでは視認性が低い場合がある。電池が必要。 |
初心者はまず「棒ウキ」から
最初に使うウキとして、アタリが分かりやすい自立タイプの棒ウキがおすすめです。ウキが海中で立つため、仕掛けが馴染んだことが視覚的に理解しやすく、小さな魚のアタリも明確に伝わってきます。
ウキ釣りに適したラインの選び方

ウキ釣りで使用するライン(釣り糸)は、主にリールに巻く「道糸(みちいと)」と、ハリを結ぶ「ハリス」の2種類に分けられます。それぞれに適した素材と太さを選ぶことが重要です。
道糸とハリスで役割が異なるため、ラインの種類を使い分ける必要があります。道糸は操作性や視認性が、ハリスは魚に見えにくく、根ズレ(海底の岩などに擦れること)に強いことが求められます。
道糸の選び方
道糸には、しなやかで扱いやすいナイロンラインの2号から3号がおすすめです。ナイロンラインは適度な伸びがあり、魚が掛かった時の衝撃を吸収してくれます。また、色の付いたラインを選ぶと、海面での糸の動きが分かりやすく、仕掛けの操作がしやすくなります。
ハリスの選び方
ハリスには、水中での光の屈折率が水に近く、魚に警戒心を与えにくいフロロカーボンラインの1号から2号が適しています。フロロカーボンはナイロンに比べて硬く、根ズレに強いというメリットもあります。道糸よりも一段階細いハリスを使うのが一般的です。
なぜ道糸よりハリスを細くするの?
仕掛けが根掛かり(海底の障害物に引っかかること)してしまった際に、ハリスの部分で切れるようにするためです。これにより、ウキなどの仕掛け全体を失うリスクを減らすことができます。
オモリとウキのバランス調整法

ウキ釣りにおいて、オモリとウキの浮力のバランス調整は釣果を左右する最も重要な要素の一つです。このバランスが適切でないと、魚のアタリがウキに現れなかったり、仕掛けがうまく沈まなかったりします。
理由は、ウキが持つ「浮力」とオモリが持つ「沈む力」を釣り合わせることで、魚がエサを咥えたわずかな力でもウキが沈む、高感度な状態を作り出すためです。ウキの浮力ギリギリにオモリの重さを設定するのが基本となります。
例えば、ウキには「3B」「0.5号」といった浮力が表示されています。これに対応する重さのオモリ(ガン玉や割ビシ)を仕掛けに取り付けます。
バランス調整の具体的な手順
- ウキの浮力を確認する:まず、使用するウキのパッケージや本体に記載されている浮力表示(例:5B、1号など)を確認します。
- 対応するオモリを選ぶ:浮力表示に合った重さのガン玉や中通しオモリを選びます。
- 仕掛けを海に入れてみる:実際に仕掛けを海に投入し、ウキの沈み具合を確認します。
- 微調整を行う:理想は、ウキのトップ(先端の色が付いた部分)が海面スレスレに出る状態です。もしウキが浮きすぎている場合は小さなガン玉を追加し、逆に沈みすぎている場合はオモリを軽くします。
この微調整が少し難しく感じるかもしれませんが、ここを丁寧に行うことでアタリの数が格段に増えます。面倒くさがらずに、最適なバランスを見つけてくださいね。
便利なウキ釣り仕掛けセットの紹介

ウキ釣りの仕掛けは、ウキ以外にもウキ止めやシモリ玉、サルカン、オモリ、ハリス、ハリなど多くのパーツから構成されており、初心者が一からすべてを揃えるのは大変です。そこで、市販の「ウキ釣り仕掛けセット」の活用を強くおすすめします。

これらのセットには、ウキ釣りに必要なパーツがすべて含まれており、道糸に結ぶだけですぐに釣りを始められる手軽さが最大の魅力です。仕掛け作りの時間を短縮できるため、釣り場でより多くの時間を実際の釣りに費やすことができます。
例えば、ささめ針の「うきうき堤防五目」(参照:株式会社ささめ針 公式サイト)のような製品は、のべ竿(リールを使わない竿)でもリール竿でも使えるように設計されており、アジやメバル、サヨリなど堤防の人気者を狙うのに最適です。
セット仕掛けを選ぶ際のポイント
セット仕掛けを選ぶ際は、パッケージに書かれている「対象魚」と「竿の長さ」を確認しましょう。自分が釣りたい魚や、持っている竿の長さに合ったものを選ぶことが大切です。また、夜釣りをする場合は、電気ウキがセットになったものを選ぶ必要があります。
これらのセットを使いながら釣りを経験することで、自然と各パーツの役割が理解できるようになります。慣れてきたら、パーツを個別に購入して自分だけのオリジナル仕掛け作りに挑戦してみるのも良いでしょう。
これで完璧!釣りで浮きの付け方ガイド
- 玉ウキの基本的な付け方
- ウキ止めは必要ですか?役割を解説
- ウキ止めはゴムと糸のどちらが良い?
- 堤防でウキ釣りを楽しむコツ
玉ウキの基本的な付け方

玉ウキは、ウキ釣りの中でも特にシンプルな「固定仕掛け」でよく使われます。付け方は非常に簡単で、「ウキゴム」というパーツを道糸に通し、そこに玉ウキの足を差し込むだけです。
この方法は、仕掛けの構造が単純でトラブルが少なく、初心者の方でも手軽に始められるという大きなメリットがあります。狙う水深(タナ)の変更も、ウキゴムを道糸上でスライドさせるだけで簡単に行えます。
付け方の手順
- 道糸を竿のガイドすべてに通します。
- 道糸の先端にウキゴムを通します。
- ウキゴムの穴に、玉ウキの足(下部の細い部分)をしっかりと差し込みます。
- ウキの下の道糸に、ウキの浮力に合ったガン玉などのオモリを取り付けます。
- 最後に道糸の先端にサルカンを結び、その先にハリスとハリを結んだら完成です。
固定仕掛けの注意点
この固定仕掛けで探れる深さは、竿の長さより少し短いくらいまでが限界です。例えば、3mの竿を使っている場合、ウキからハリまでの長さを3m以上に設定すると、仕掛けの投入や魚の取り込みが非常に難しくなります。深い場所を狙う場合は、後述する「遊動仕掛け」が必要になります。
ウキ止めは必要ですか?役割を解説

結論から言うと、竿の長さよりも深いタナを狙う「遊動仕掛け」を作る場合には、ウキ止めは絶対に必要です。ウキ止めは、その名の通り、仕掛けが目的の深さまで沈んだ時にウキを止める役割を果たします。
なぜなら、遊動仕掛けではウキが道糸上を自由に動くため、ウキ止めがないとウキはオモリやサルカンの位置まで下がってしまい、アタリを知らせるという本来の役目を果たせなくなるからです。ウキ止めを任意の位置に設定することで、ウキからハリまでの長さ(これを「ウキ下」と呼びます)を自由に調整でき、様々な水深にいる魚を狙うことが可能になります。
ウキ止めが実現する「遊動仕掛け」のメリット
- 竿の長さに関係なく、深いタナを狙うことができる。
- 仕掛けを投げる際、ウキが手元近くにくるため、オモリの重さを利用して遠くまで投げやすい。
- 仕掛けが自然に水中を漂い、魚に違和感を与えにくい。
このように、ウキ止めはウキ釣りの攻略範囲を格段に広げてくれる重要なパーツです。チヌ(クロダイ)やグレ(メジナ)といった魚を本格的に狙うフカセ釣りでは、この遊動仕掛けが基本となります。
ウキ止めはゴムと糸のどちらが良い?
ウキ止めには、主に「ウキ止めゴム」と「ウキ止め糸」の2種類があり、どちらを選ぶかは釣りのスタイルや好みによって異なります。それぞれのメリットとデメリットを理解し、自分に合ったものを選ぶのが良いでしょう。
手軽さを重視するならゴムタイプ、キャスト時のスムーズさを求めるなら糸タイプがおすすめです。ここでは両者の特徴を比較してみます。
種類 | メリット | デメリット | おすすめのユーザー |
---|---|---|---|
ウキ止めゴム | 道糸に通すだけなので取り付けが非常に簡単。 | 体積があるため、キャスト時に竿のガイドに引っ掛かりやすく、飛距離が落ちることがある。 | 初心者の方、手軽に遊動仕掛けを試したい方。 |
ウキ止め糸 | 結び目が小さく、ガイドの通りがスムーズで飛距離が出やすい。ズレにくい。 | 結び方を覚える必要があり、慣れるまで少し時間がかかる。 | 本格的にウキ釣りをしたい方、遠投が必要な釣りをする方。 |
私の場合、最初は手軽なゴムタイプから始めましたが、遠投することが増えてからは糸タイプをメインで使っています。糸の結び方も一度覚えてしまえば簡単なので、ぜひチャレンジしてみてください。
ちなみに、遊動仕掛けではウキ止めとウキの間に「シモリ玉」という小さなビーズ状のパーツを入れるのを忘れないでください。シモリ玉がないと、ウキの穴がウキ止め糸の結び目を通り抜けてしまうことがあります。
堤防でウキ釣りを楽しむコツ

道具や仕掛けの準備ができたら、いよいよ実践です。堤防でウキ釣りの釣果を上げるためには、いくつか押さえておきたいコツがあります。特に「ポイント選び」「マキエ(コマセ)の使い方」「タナの調整」の3つが重要です。
ただやみくもに仕掛けを投げるのではなく、魚が集まりやすい場所を狙い、エサで魚を寄せ、魚がいる層に的確に仕掛けを届けるという一連の流れを意識することで、釣果は大きく変わってきます。
ポイント選びのコツ
魚は潮の流れが良い場所や、身を隠せる障害物の周りに集まる傾向があります。堤防では以下のような場所が狙い目になります。
- 堤防の先端や角:潮通しが最も良く、回遊魚が通りやすい一級ポイントです。
- 敷石やテトラポッドの際:カサゴなどの根魚が潜んでいる可能性が高いです。
- 船の通り道(ミオ筋):海底が掘れて深くなっており、様々な魚の通り道になっています。
マキエ(コマセ)の効果的な使い方
マキエは、自分の仕掛けを投入したいポイントの少し潮上(潮が流れてくる方向)に撒くのが基本です。こうすることで、マキエが潮に乗って流れ、自分の仕掛けとちょうど同調し、集まってきた魚に刺しエサを食わせることができます。あちこちに撒くと魚が散ってしまうので、一点に集中して撒き続けることが大切です。
タナの調整(タナを探る)
魚がいる層(タナ)は、時間帯や潮の状況によって常に変化します。アタリがない時は、まずウキ止めを動かしてウキ下を深くしてみましょう。最初は海底近くから探り始め、徐々に浅くしていくのがセオリーです。
逆に、エサだけが取られるようなアタリが続く場合は、タナが深すぎるか、エサ取り(狙いの魚ではない小魚)が多い可能性があります。その際はタナを少し浅くしてみるなどの調整が必要です。この「タナを探る」作業こそが、ウキ釣りの醍醐味と言えるでしょう。
釣りの総合情報サイトであるTSURI HACK(参照:TSURI HACK公式サイト)なども参考に、様々なテクニックを学ぶとさらに釣りが楽しくなります。
釣りで浮きの付け方をマスターしよう

この記事では、ウキ釣りの基本から実践的なコツまでを解説しました。最後に、重要なポイントをリストでまとめます。
- ウキ釣りは竿、リール、仕掛け、エサがあれば始められる
- 初心者の竿は3m~4.5mの万能竿や磯竿がおすすめ
- リールは2000番~2500番のスピニングリールが扱いやすい
- ウキは高感度の「棒ウキ」と風に強い「円錐ウキ」が基本
- 夜釣りにはトップが光る「電気ウキ」が必須
- ラインは道糸とハリスの2種類を使い分ける
- 道糸はナイロン2~3号、ハリスはフロロカーボン1~2号が標準
- ウキの浮力とオモリの重さのバランス調整が釣果を左右する
- ウキのトップが海面スレスレになるのが理想のバランス
- 初心者は必要なパーツが揃った「仕掛けセット」が便利
- 竿より浅いタナを狙うならシンプルな「固定仕掛け」
- 竿より深いタナを狙うなら「遊動仕掛け」
- 遊動仕掛けには「ウキ止め」が不可欠
- 手軽な「ウキ止めゴム」と本格的な「ウキ止め糸」がある
- 釣果アップの鍵はポイント選び、マキエ、タナ調整の3つ