こんにちは。釣りスタイル、運営者の「アツシ」です。
普段エギングを楽しんでいると、不意にズシッとした重みを感じてタコが掛かったり、あるいは「今日はイカが渋いから、お土産確保でタコを狙ってみようかな」なんて思ったりすることはありませんか?専用のタコ釣りタックルをわざわざ一式揃えるのはハードルが高いけれど、今手元にある使い慣れたエギングロッドを代用して、手軽にタコ釣りを楽しみたいと考える方は非常に多いですよね。私も最初はそうでした。
実際にエギングタックルでタコを狙う際には、ロッドの硬さやリールのパワー不足、そして何よりPEラインやリーダーといった仕掛け全体のバランス調整が非常に重要になってきます。また、タコ釣りは「根掛かりとの戦い」と言われるほどリスクが高い釣りだからこそ、ダイソーなどの安価なエギを改造してコストを抑えたり、タコエギ特有の「ズル引き&シェイク」といったアクションや、釣れる時期(シーズン)を正しく知っておくことが、ボウズを逃れる近道になるはずです。
【この記事で分かること】
- エギングロッドでタコを釣る際の代用基準と限界点
- ダイソーエギをタコ専用に改造する具体的な手順と工具
- 根掛かりを回避しながらタコに抱かせる操作テクニック
- 季節ごとに変わるタコの習性と攻略パターンの違い
エギングでタコを釣るためのロッド代用と仕掛け
イカを釣るための繊細な道具で、海底に張り付くパワーのあるタコにどこまで対抗できるのか。ここでは、手持ちのエギングタックルを流用する際の具体的な基準や、タコ釣りに最適化するためのラインシステム、そしてお財布に優しく楽しむための「ダイソーエギ改造術」について、私なりの失敗と成功の経験を交えて徹底的に解説していきます。
エギングロッドは代用できる?硬さの基準
結論から言うと、エギングロッドでタコを釣ることは十分に可能ですし、実際に多くの釣り人が楽しんでいます。ただし、「どんなエギングロッドでもOK」というわけではありません。
タコはイカとは決定的に違い、危険を感じると海底の岩や海藻に8本の腕と吸盤を使って強烈に張り付く習性があります。一度本気で張り付かれると、まるで根掛かりしたかのように動かなくなります。この時、L(ライト)やML(ミディアムライト)といった柔らかい竿では、竿が曲がりきるだけでタコを引き剥がすパワー(反発力)が伝わりません。最悪の場合、無理に煽ってロッドがバットから折れてしまうリスクすらあります。
私が普段代用として強く推奨しているのは、MH(ミディアムヘビー)クラス以上の硬さを持つエギングロッドです。これくらいのパワーがあれば、キロアップ(1kg以上)のタコが掛かっても、ある程度強引に底から引き剥がすことができます。
また、ロッドの調子(テーパー)に関しては、ファーストテーパー(先調子)のものが扱いやすいですね。タコ釣りでは、海底のゴツゴツした感覚を手元で感じながら、エギを底から離さずに操作する必要があります。ティップ(竿先)に適度な柔軟性があれば、海底の地形変化を鋭敏に捉えやすく、かつタコが触れてきた時の「ヌッ」という違和感を弾かずに追従させることができるからです。逆にバット(竿元)には、張り付いたタコを強引に引き剥がすための強靭なパワーが求められます。
注意点:専用ロッドとの違い
もちろん、タコ専用ロッドは「棒のように硬い」設計で、絶対にタコに主導権を与えないパワーがあります。エギングロッドでの代用はあくまで「流用」なので、2kgを超えるような超大物が掛かった場合や、激しい潮流の中で海藻ごと引き抜くようなシチュエーションではパワー負けする可能性があります。限界を感じたら無理をせず、ラインを切る覚悟も必要です。
適切なリールとPEラインの選び方
リールに関しては、普段エギングで使っている2500番から3000番クラスのスピニングリールで基本的には問題ありません。ただ、もし手持ちに選択肢があるのであれば、ボディ剛性が高く、巻き上げ力の強い3000番から4000番クラス(できればHGやXGではなくノーマルギアやパワーギア)がより安心ですね。タコ釣りは魚のように走らせてドラグでいなす釣りではなく、「重みをゴリゴリと巻き取る釣り」なので、パワーのあるリールの方が圧倒的に楽にやり取りできます。
そして、ロッドやリール以上に重要なのがライン選びです。タコ釣りでは根掛かりが日常茶飯事なので、ラインの強度がそのまま回収率(お財布への優しさ)とキャッチ率に直結します。
推奨ラインシステム
- PEライン:最低でも1.5号、できれば2号〜4号推奨
- リーダー:フロロカーボンの8号〜10号(約30lb〜40lb)
通常のエギングで使用する0.6号や0.8号のPEラインでは、タコが岩に張り付いたり、フジツボが付いた岸壁に少し擦れただけで、あっけなく切れてしまいます。「エギングには太すぎるかな?」と思うくらいで丁度良いんです。私は強度重視でPE3号程度を巻いた替えスプールを用意して、タコ狙いの時だけ交換するようにしています。これなら、多少の根掛かりなら針を曲げてエギを回収できますし、タコとの綱引きでも負けません。
ダイソーのエギを改造して根掛かり対策

タコ釣り最大の敵は、何と言っても「根掛かり(地球を釣ること)」です。1個1,000円以上するメーカー品のエギを数投でロストすると、精神的にも経済的にも大ダメージですよね。そこで私が強くおすすめしたいのが、ダイソーやセリアなどの100円ショップで売っているエギを改造して使う方法です。これが意外と馬鹿にできない、というかめちゃくちゃ釣れます。
改造と言っても、専門的な工具や技術は必要ありません。一番のポイントは「下向きのカンナ(針)を無効化する」ことです。
簡単タコ・チューンの手順
- 針の処理:プライヤー(ペンチ)を用意します。エギの尾部にあるカンナのうち、下半分(海底側に向いている針)をすべて根元から折るか、内側にグイッと曲げてしまいます。
- 上向きフック化:上側の針だけを残すことで、半傘状にします。これで海底を引きずっても針先が地面に触れにくくなり、根掛かり率が激減します。
- オモリの追加:アイ(糸を結ぶ輪)にスナップを付け、そこにナス型オモリ(3号〜10号程度など、水深に合わせて調整)を追加します。こうすることで、エギが海底で少し浮いた状態(サスペンドや立ち姿勢)になり、さらに根掛かり回避性能が向上します。
「下の針がなくて掛かるの?」と不安になるかもしれませんが、タコは獲物に上から覆いかぶさって抱きつく習性があるので、上向きの針さえあれば十分にフッキングします。このひと手間で、根掛かりのリスクを劇的に減らしつつ、ガンガン攻められるようになるので、結果的に釣果アップに繋がります。
餌巻きや2個付けでアピール力を強化

イカは主に視覚で獲物を探しますが、タコは視覚に加えて、非常に優れた「嗅覚」と「触覚」を持っています。吸盤には化学受容体があり、触れたものが餌かどうかを瞬時に判断できるんです。そこで効果的なのが、エギの背面に餌を巻き付ける「餌巻きチューン」です。
私はよく、スーパーで買った豚の脂身、鶏皮、あるいは魚の切り身(サンマやサバ)を適当な大きさに切り、エギの背中に乗せています。固定には細いステンレスワイヤーや、100均でも売っている輪ゴムを使えばOKです。特に脂身は水に溶けにくい油分がゆっくり拡散し、強烈な匂いでタコを寄せ付けます。さらに、タコが抱きついた時に柔らかい感触と味がするため、「これは餌だ!」と誤認して離しにくくなる効果があります。「アタリはあるけど乗らない」というシビアな状況では、この数秒のタイムラグが決定的な差になります。
また、広範囲にアピールしたい時は、リーダーにエギを2個付ける「ダブル付け(ツインリグ)」も有効です。2つのエギがガチャガチャとぶつかる音や、不規則でボリュームのある動きが、遠くにいるタコの好奇心を刺激します。「黄色と白」「赤と緑」など、異なる色を組み合わせることで、その日の当たりカラーを効率よく探るのも面白いですよ。ただし、抵抗が増えるので潮が速い場所では流されやすくなる点には注意が必要です。
根ズレを防ぐリーダーとスナップの接続
先ほども少し触れましたが、リーダーはフロロカーボンの8号以上(場合によっては10号以上)を強くおすすめします。タコは砂地だけでなく、貝殻の付いた岩礁帯、堤防の基礎(敷石)、テトラポッドの隙間など、ラインにとって危険な場所に好んで潜んでいます。細いリーダーだと、タコを引き剥がす際の摩擦であっけなくブレイクしてしまうことが多いです。
また、PEラインとリーダーの結束は、強度の高い「FGノット」などでしっかりと結んでください。電車結びなどでは、タコの重量と根掛かりを外す際の負荷に耐えられないことがあります。
そして意外と見落としがちなのが「スナップ」です。エギング用のスナップは「軽さと動き」を重視して作られているため、強度的にはタコ釣りには不向きです。タコ釣りでは、シーバス用や青物用、あるいはタコ専用の「強力スナップ」や「スイベル付きスナップ」を使ってください。ここで手を抜くと、大物が掛かった時にスナップが伸びてサヨウナラ…という悲劇が起きます。
| アイテム | 推奨スペック | 選定理由・詳細 |
|---|---|---|
| PEライン | 2号〜4号 | 根掛かり時に針を曲げて回収できる引張強度が必要。細いと高切れのリスク増。 |
| リーダー | フロロ8号〜10号 | 岩や貝殻による根ズレ対策として太めが必須。ナイロンより根ズレに強いフロロ推奨。 |
| スナップ | 高強度タイプ | タコの重量と引き剥がす負荷に耐えるため。エギング用SSサイズ等はNG。 |
エギングでタコを攻略するアクションと時期
道具の準備が完璧にできたら、次は現場での実践テクニックです。「エギング」という名前はついていますが、イカ狙いのエギングとはロッド操作が全く異なります。ここを意識するだけで釣果が大きく変わりますし、逆にイカと同じようにシャクっていると全く釣れません。また、季節によってタコの居場所や狙い方もガラッと変わってくるので、そのあたりの戦略についてもお話しします。
底取りとシェイクが基本のアクション

タコ釣りで最も重要なのは「底をしっかり取る(ボトムキープ)」ことです。タコは底生生物であり、中層を泳いでいる獲物を追いかけて捕食することは稀です。常に海底に張り付いて獲物を待っています。
キャストしてエギが着底した感覚(トンッという感触や糸がふける動き)を確認したら、イカ釣りのように大きく跳ね上げる(シャクる)必要はありません。むしろ、エギが底から大きく離れてしまう動きはNGです。
基本のアクションは、ロッドを立てて、チョンチョンと竿先を細かく震わせる「シェイク」です。イメージとしては、海底の岩陰でエビやカニがモゾモゾと動いていたり、逃げ惑っている様子を演出する感じです。オモリが底をコツコツと叩く感覚(ボトムノック)を手元で常に感じながら、リールをゆっくり巻きつつ「ズル引き&シェイク」を繰り返します。
そして重要なのが「ステイ(静止)」です。ずっと動かし続けるのではなく、時折数秒間ピタッと動きを止めます。タコは動くものを追尾し、止まった瞬間に距離を詰めて覆いかぶさってくることが多いのです。「シェイクで寄せて、ステイで抱かせる」。これが黄金パターンです。
アタリの感知と合わせ方のタイミング
タコのアタリは、魚のように「コンッ!」「ググッ!」という明確な衝撃として伝わることは少ないです。多くの場合は、「ヌッ」と重くなるような違和感、あるいは「あれ?根掛かりかな?」「ゴミ袋が引っかかったかな?」というような、重みとして感知されます。
ここで初心者がやりがちなミスが、すぐに「ビシッ!」とアワセてしまうことです。タコは餌を捕まえる際、まずは腕の先で触れて確かめ、その後に全体で覆いかぶさります。最初の違和感の段階では、まだ足先一本で触っているだけの可能性が高く、ここでアワセるとすっぽ抜けてしまいます。
フッキングの極意:遅アワセ
- 違和感を感じたら、リールを巻くのを止め、その場で細かくシェイクを続けます(タコに「逃げるぞ」と思わせて焦らせます)。
- そのまま数秒待ち、さらに重みが「ズズッ」としっかりと乗ってくるまで待ちます。これを「本抱き」と言います。
- ロッドに十分な重みを感じたら、リールの糸ふけを取り、ロッド全体を使って大きく、力強くアワセを入れます。針をタコの筋肉に貫通させ、同時に海底から引き剥がすイメージです。
この「一呼吸も二呼吸も置く」余裕が、キャッチ率を劇的に上げる最大の秘訣です。焦りは禁物ですよ。
夏はランガンで高活性なタコを狙う
タコ釣りには大きく分けて夏と冬の2つのハイシーズンがありますが、攻略法は正反対と言っても過言ではありません。
夏(梅雨明けの6月〜8月頃)は、その年に生まれた「新子(しんこ)」と呼ばれる数百グラムの小型タコがたくさん湧き、水温上昇とともに非常に活性が高くなる時期です。タコも成長するために餌を求めて積極的に広範囲を動き回っています。
この時期の戦略は、一箇所で粘るよりも、足を使って広範囲を探り歩く「ラン&ガン」スタイルが圧倒的に有効です。堤防の壁際(ヘチ)を歩きながら落とし込んでいったり、沖のブレイク(かけ上がり)やシモリ(沈み根)に向かってキャストし、反応がなければすぐに数メートル移動する。これを繰り返して「やる気のあるタコ」を拾っていくイメージです。
数釣りが楽しめるシーズンなので、初心者の方がタコ釣りを始めるなら、まずはこの夏の時期からチャレンジするのがおすすめですね。小型のエギ(2.5号〜3号)がマッチザベイトになることが多いです。
冬は深場や障害物をじっくり攻める
一方、冬(11月〜1月頃)になると水温が下がり、タコは深場へと落ちていきます。数は減りますが、生き残った個体は大きく成長しており、キロアップ〜2kgクラスの良型タコ(渡りダコとも呼ばれます)が狙えるのが冬の魅力です。
この時期のタコは代謝が落ちてあまり動き回らず、岩の隙間やテトラポッドの奥深く、堤防の基礎付近などでじっとしています。そのため、夏のように広範囲を探る釣りよりも、いかにもタコがいそうな一級ポイントの障害物周りをピンポイントで、時間をかけてじっくりと攻める「待ち」の釣りが求められます。
同じ場所でしつこいくらいにシェイクを続け、タコの鼻先にエギを持っていって「うるさいな、食べてやるか」と思わせるような粘りが必要です。寒さとの戦いになりますが、ズッシリとした重量感のある大物を釣り上げた時の感動は、夏タコにはない格別の喜びがあります。
エギングでタコを釣るためのポイントまとめ

ここまで、エギングタックルを使ったタコ釣りのノウハウについて、かなり詳細にお伝えしてきました。最後に、絶対に押さえておきたい要点を振り返ってみましょう。
- ロッド:MH以上の硬さを選び、バットパワーで引き剥がす準備をする。
- ライン:PE2号以上、リーダー8号以上で根ズレと高切れを防ぐ。
- エギ:ダイソーエギの下針を折り、オモリを追加して「根掛かり回避仕様」にする。
- アクション:「シャクリ」は不要。「ボトムキープ」と「シェイク」に徹する。
- フッキング:アタリがあっても即アワセ厳禁。重みが乗るまで待ってから大きく合わせる。
タコ釣りは、決して高級な専用タックルがなければできない釣りではありません。手持ちのエギングロッドと、少しの工夫(改造エギやラインシステムの強化)さえあれば、誰でもすぐに始められる奥の深い釣りです。まずは近くの堤防で、あの独特の「ヌッ」というアタリと、ズッシリとした重量感を体感してみてください。きっと、その面白さと、食卓に並んだ時の美味しさにハマってしまうはずですよ。

