三重県川越町に位置するJERA海釣り(桟橋)は、無料で一日中釣りを楽しめることから、東海地方の釣り人にとって非常に人気の高いスポットです。しかし、初めて訪れる方や釣りの経験が浅い方にとっては、一体何が釣れるのか、最新の釣果を得るためのコツ、おすすめの釣り方、さらには駐車場の場所や利用ルールなど、知りたい情報が多いのではないでしょうか。この記事では、JERA海釣りの桟橋での釣りを最大限に楽しむために必要な情報を、初心者からベテランまで役立つように、分かりやすく網羅的に解説していきます。
- JERA海釣りの桟橋の施設や利用ルール
- 季節ごとに釣れる魚の種類と最新の釣果
- 初心者にもおすすめの釣り方と仕掛け
- 知っておくと便利な周辺施設の情報
JERA海釣りの桟橋の基本情報とアクセス
- 駐車場の場所と利用時間
- トイレ完備でファミリーも安心
- 料金は無料で24時間開放
- 安全に楽しむためのルールと注意点
- 温水プールなど周辺施設も充実
駐車場の場所と利用時間
JERA海釣りの桟橋を利用する際に、まず知っておくべき最も重要な点の一つが駐車場です。桟橋には専用の駐車場が併設されていません。そのため、全ての利用者は最寄りとなる「川越緑地公園」内の無料駐車場を使用することになります。
この駐車場から釣り桟橋の入口までは、川沿いの道を歩いて約500メートルから600メートルほどの距離があります。手ぶらであれば気にならない距離かもしれませんが、竿、リール、クーラーボックス、タックルボックス、椅子、食料など、多くの荷物を持っての移動は想像以上に大変です。そのため、折りたたみ式のキャリーカートを持参することを強く推奨します。カートがあれば、重い荷物も一度に楽々運ぶことができます。

駐車場の利用時間と移動の注意点
川越緑地公園の駐車場は朝7時から夜21時までという利用時間制限が設けられています。この時間を過ぎるとゲートが閉鎖されるため、特に早朝からの釣行や、21時以降まで夜釣りを楽しみたい場合は注意が必要です。また、桟橋までの道のりは舗装されていますが、路上駐車は絶対にやめましょう。近隣住民の方々への迷惑となるだけでなく、緊急車両の通行の妨げにもなります。
釣行計画を立てる際は、この駐車場からの移動時間と利用時間を考慮に入れることが、快適な一日を過ごすための第一歩です。
トイレ完備でファミリーも安心

釣り場選びにおいて、特に女性や子供連れのファミリーにとって重要なのが施設の充実度です。その点、JERA海釣り桟橋は安心して利用できる環境が整っています。
桟橋へ向かう通路の途中には、清潔に管理された公衆トイレが設置されています。男女別にしっかりと分かれているため、誰でも気兼ねなく利用可能です。さらに、トイレの近くには手洗い場や飲料の自動販売機も完備されており、長時間の滞在でも快適に過ごせます。ただし、手洗い場で釣った魚を捌いたり、鱗を流したりする行為は排水溝詰まりの原因となるため、マナーとして絶対にやめましょう。
トイレや自販機が整備されているのは本当にありがたいですね。しかし、安全面では注意が必要です。桟橋は海面からかなりの高さがあり、柵があるとはいえ、小さなお子様が身を乗り出すと危険です。海上保安庁も推奨している通り、万が一の落水に備え、お子様はもちろん大人もライフジャケットを必ず着用しましょう。
また、桟橋の床の一部は格子状の金網(グレーチング)になっています。この隙間からスマートフォンや鍵、小さな釣具などを落としてしまう事故が後を絶ちません。貴重品はカバンやポケットの奥にしっかりとしまい、足元に直接置かないように注意してください。
料金は無料で24時間開放
JERA海釣りの桟橋が多くの釣り人から絶大な支持を集める最大の理由は、利用料金が一切かからない無料の施設であることです。さらに、原則として24時間365日、いつでも釣りが楽しめるように開放されています。(JERA公式サイトでも施設紹介されています)
この釣り場のもう一つの大きな特徴は、隣接する川越火力発電所から排出される温水の影響です。この温排水によって、桟橋周辺の海水温は一年を通して比較的高く保たれています。海水温が安定していると、それを好むプランクトンや小魚が集まり、さらにその小魚を捕食する大型の魚も集まってくるという好循環が生まれます。これにより、魚の活性が下がりがちな冬場でも釣果が期待でき、年間を通して多彩な魚種を狙える一級のポイントとなっているのです。
悪天候時は安全のため閉鎖
24時間開放が原則ですが、利用者の安全を最優先するため、台風の接近や強風、高波といった気象警報が発令されている場合には、予告なく入口のゲートが閉鎖されることがあります。遠方から訪れる場合は特に、釣行前に気象庁のウェブサイトなどで最新の天気予報や警報・注意報を確認することが不可欠です。
安全に楽しむためのルールと注意点

JERA海釣り桟橋は、運営者のご厚意と釣り人たちのマナーによって支えられている公共の場です。この素晴らしい環境を将来にわたって維持していくためにも、全ての利用者が以下のルールとマナーを遵守する必要があります。
釣り人が守るべき重要ルール
- テトラポッド(消波ブロック)エリアは非常に危険なため、立ち入りは固く禁止されています。
- 発生したゴミは、ビニール袋や空き缶はもちろん、使い終わった仕掛けやエサの袋まで、すべて各自で責任を持って持ち帰りましょう。「来た時よりも美しく」を心がけることが大切です。
- 特にアミエビやコマセは悪臭の原因となります。釣り場が汚れた場合は、必ず備え付けの水道や持参した水汲みバケツで綺麗に洗い流してから帰りましょう。
- 周辺では漁業関係者や港湾関係者の方々が作業をされていることがあります。作業の邪魔にならないよう最大限配慮し、挨拶を交わすなどのコミュニケーションも大切です。
- 桟橋は海面から5メートル以上の高さがあります。大物が掛かった際に抜き上げるのは困難なため、長さ6メートル以上のタモ網(ランディングネット)を持参することを強く推奨します。
- 前述の通り、万が一の事故に備え、ライフジャケットの着用は大人・子供を問わず強く推奨されます。
- 混雑時は隣の釣り人との間隔を十分に保ち、お互いに気持ちよく釣りができるよう配慮しましょう。

これらのルールは、釣り人の安全を守り、釣り場環境を保全するために不可欠です。一人ひとりの協力が、この貴重な釣り場を守ることに繋がります。
温水プールなど周辺施設も充実

JERA海釣りの桟橋の周辺には、釣りと合わせて楽しめる魅力的な施設が点在しています。釣りの合間や、家族が釣りに飽きてしまった場合でも、一日中楽しむことができます。
川越火力発電所温水プール
発電所のクリーンな排熱エネルギーを有効活用した室内温水プールです。本格的な25mプール(6コース)のほか、小さなお子様が安心して遊べる子供用プールも完備されています。非常にリーズナブルな料金で利用できるため、釣りの後に家族で汗を流してリフレッシュするのに最適です。
川越緑地公園
釣り場の駐車場がある広大な公園で、複数のゾーンに分かれています。林の中を散策できる「自然林ゾーン」、広々とした芝生で思いきり遊べる「スポーツゾーン」、遊具が設置された「コミュニティゾーン」、そして朝明川の河口に集まる野鳥を観察できる「くつろぎゾーン」など、目的に応じて様々な過ごし方ができます。
各施設の詳細情報
施設名 | 概要 | 料金の目安 | 備考 |
---|---|---|---|
川越火力発電所温水プール | 発電所の排熱を利用した全天候型室内温水プール。 | 大人400円、子供150円(中学生以下) | 水着・水泳帽が必須。定期点検による休館日あり。 |
川越緑地公園 | 自然散策、スポーツ、バードウォッチングなどが楽しめる広大な公園。 | 無料 | スケートボードは禁止。駐車場は21時に閉鎖。 |
※料金や営業時間は変更される可能性があるため、訪れる前に各施設の公式サイト等で最新の情報をご確認ください。
JERA海釣りの桟橋での釣り完全ガイド
- 季節ごとに何が釣れる?
- 初心者でも簡単な釣り方
- 最新の釣果情報をチェックしよう
- 根掛かり対策におすすめの仕掛け
- 夜釣りで狙える魚と工場夜景
季節ごとに何が釣れる?
JERA海釣りの桟橋が「釣りの聖地」とも呼ばれる理由は、その魚種の豊富さにあります。前述の通り、火力発電所からの温排水が安定した水温を保ち、一年を通して様々な魚たちの格好の住処となっているのです。ここでは季節ごとに狙える代表的な魚種を紹介します。
季節 | 主なターゲット魚種 | おすすめの釣り方 |
---|---|---|
春(3月~5月) | クロダイ(チヌ)、カサゴ、メバル、シーバス(セイゴ) | フカセ釣り、ぶっこみ釣り、探り釣り、ルアー |
夏(6月~8月) | シロギス、ハゼ、アジ、サバ、イワシ、マゴチ、キジハタ、サヨリ | ちょい投げ、サビキ釣り、ルアー、ウキ釣り |
秋(9月~11月) | クロダイ、シーバス、ハゼ、アナゴ、カレイ、サッパ、コノシロ | ちょい投げ、サビキ釣り、ぶっこみ釣り、ルアー |
冬(12月~2月) | カサゴ、メバル、アイナメ、シーバス(セイゴ)、タケノコメバル | 探り釣り、穴釣り、ルアー(メバリング・アジング) |
特に夏から秋にかけては、サビキ釣りでアジやサバ、イワシといった回遊魚の数釣りが楽しめる最高のシーズンです。家族で訪れても、誰かの竿に魚が掛かる確率が非常に高く、最高の思い出作りになるでしょう。一方、冬の厳しい時期でも、温排水を求めて集まるカサゴやメバルなどの根魚(ロックフィッシュ)や、シーバスを狙うことができ、腕利きのルアーアングラーたちが集まります。
初心者でも簡単な釣り方

「釣りをしてみたいけど、何から始めればいいか分からない」という方に、JERA海釣り桟橋で特におすすめの、簡単で釣果も出やすい2つの釣り方をご紹介します。
ちょい投げ釣り
専用の重いタックルは不要で、シーバスロッドやコンパクトロッドなど、手持ちの竿で気軽に楽しめるのが「ちょい投げ釣り」です。市販の「ちょい投げ仕掛けセット」を使えば、道糸に結ぶだけで準備が完了します。エサは虫エサが苦手でなければ、生命力があってアピール力の高いイシゴカイやアオイソメが万能です。
釣り方は非常にシンプル。仕掛けを20~30mほど軽く投げ、オモリが海底に着底したら、ゆっくりとリールを巻いて仕掛けを引きずってきます。海底の砂地にはシロギスやハゼ、カレイが潜んでおり、「ブルブルッ」という明確なアタリが竿先に伝わってくるはずです。この瞬間が、ちょい投げ釣りの最大の醍醐味です。
サビキ釣り
ファミリーフィッシングの王道とも言えるのが「サビキ釣り」です。アミエビという小さなエビの冷凍ブロックを解凍して「コマセ」と呼ばれる撒き餌を作り、それをカゴに入れて魚を寄せます。仕掛けにはエビを模した小さな疑似餌(サビキバリ)が複数付いており、コマセに寄ってきたアジやイワシ、サバなどが、間違えてこのハリに食いつくという仕組みです。
サビキ釣りのワンポイントアドバイス
サビキ仕掛けには、カゴが一番上にある「上カゴ式」と、一番下にある「下カゴ式」があります。潮の流れが緩やかな時は、コマセと仕掛けが同調しやすい「上カゴ式」、潮が速い時や底付近を狙いたい時は仕掛けが安定しやすい「下カゴ式」と使い分けると、釣果アップに繋がります。また、アミエビの臭いが苦手な方は、フルーティーな香りが付いたチューブタイプの製品もおすすめです。

最新の釣果情報をチェックしよう
釣りの世界では「情報は最大の武器」と言われます。やみくもに釣り場へ向かうのではなく、事前の情報収集が釣果を大きく左右します。特に、「今、何が釣れているのか」「どの時間帯が良いのか」「ヒットルアーやエサは何か」といった情報は非常に価値があります。
最も信頼性が高い情報源の一つが、近隣にある大手釣具店の公式ブログやウェブサイトです。例えば、「イシグロ」や「フィッシング遊」といった店舗のスタッフは、定期的にお店の近くの釣り場を巡回し、写真付きで非常に詳細な釣果レポートを公開しています。これらの情報は、単なる釣果だけでなく、その日の潮回りや具体的なタックルデータまで記載されていることも多く、非常に参考になります。
出発前に「川越釣り桟橋 釣果 イシグロ」といったキーワードで検索するだけで、直近のリアルな情報が手に入ります。どのスタッフさんがどの魚を釣ったかまで分かるので、お店で直接アドバイスを求める際の参考にもなりますよ。釣具店は、釣り人にとって最高の情報ステーションです。
また、SNSで釣り場名を検索するのも有効な手段です。個人の釣り人がリアルタイムで釣果を投稿していることもあり、思わぬ「お宝情報」が見つかるかもしれません。
根掛かり対策におすすめの仕掛け

JERA海釣りの桟橋は魚影が濃い一方で、釣り人泣かせの一面も持っています。それは「根掛かり」の多さです。特に、桟橋の付け根付近や、朝明川の河口に向かって投げる方向の海底には、過去の工事で沈められたテトラポッドや、流れ着いた流木などが無数に沈んでいます。
これらを知らずにちょい投げ釣りをすると、仕掛けが障害物に引っかかり、高確率で失ってしまいます。せっかくの楽しい時間が、仕掛けの作り直しばかりで終わってしまうのは避けたいところです。
根掛かり対策は万全に!
根掛かりを100%防ぐことは不可能ですが、対策をすることでリスクを大幅に減らせます。まず、予備の仕掛けやオモリ、ハリスは「多すぎるかな?」と思うくらい十分に用意しましょう。最低でも5セットは必須です。その上で、仕掛けの工夫も有効です。
対策 | 具体的な方法 | メリット |
---|---|---|
仕掛けの簡素化 | 一般的な天秤仕掛けではなく、シンプルな中通しオモリや胴付き仕掛け(1本バリ~2本バリ)にする。 | 海底で引っかかるパーツが少ないため、根掛かり率が下がる。 |
捨てオモリ式 | オモリを細い糸(捨て糸)で結ぶ。根掛かりしてもオモリだけが切れ、仕掛け本体は回収できる。 | 仕掛け全体のロストを防ぎ、経済的で環境にも優しい。 |
底から浮かせる | 仕掛けに小さなフロートを付けたり、常に少し巻き続けたりして、オモリが完全に底を引きずるのを防ぐ。 | 障害物の上を通過させやすくなる。 |
また、アタリがないからといって仕掛けを放置せず、常に竿先で海底の様子を探るように意識することも大切です。ゴツゴツとした感触が伝わってきたら、そこは根掛かり危険地帯のサインです。
夜釣りで狙える魚と工場夜景

日が沈むと、JERA海釣りの桟橋は日中とは全く異なる表情を見せます。桟橋の柵に等間隔で設置された常夜灯が灯り、安全な視界を確保してくれるため、夜釣りも盛んに行われています。
夜の海では、日中は深場に隠れていた魚たちが活発に動き出します。常夜灯の明かりはプランクトンや小魚を引き寄せ、それを捕食するためにシーバス(セイゴ・マダカ)、メバル、カサゴといったフィッシュイーターが集まってきます。また、海底ではアナゴがエサを探し始めるため、夜のぶっこみ釣りも人気です。これらのターゲットを、ルアーや電気ウキを付けたエサ釣りで狙うのが夜釣りの定番スタイルです。
日本夜景遺産にも認定された絶景
この釣り場のもう一つの特権は、対岸に広がる四日市コンビナートの壮大な工場夜景を眺めながら釣りができることです。無数の光が織りなすその景観は非常に美しく、「日本夜景遺産」にも認定されているほどの絶景です。魚のアタリを待ちながら、この幻想的な風景に浸る時間は、他では味わえない贅沢なひとときと言えるでしょう。ただし、夜間は静かに楽しむのがマナーです。大声での会話や音楽は控えましょう。
JERA海釣りの桟橋で釣りを楽しもう
-
JERA海釣り桟橋は三重県川越町にある無料で利用可能な釣り施設 - 原則24時間開放されており年間を通して釣りが楽しめる
- 専用駐車場はなく500m以上離れた川越緑地公園の駐車場を利用する
- 駐車場の利用時間は朝7時から夜21時までなので注意が必要
- 重い荷物を運ぶためにキャリーカートの持参を強く推奨
- 釣り場近くには清潔なトイレや自動販売機が完備されている
- 火力発電所からの温排水効果で冬でも魚の活性が高い
- ターゲットはシーバス、クロダイ、アジ、サバ、シロギス、ハゼなど多種多様
- 初心者には操作が簡単な「ちょい投げ釣り」と「サビキ釣り」が最適
- 海底の一部は流木やテトラが多く根掛かりが多発する
- 予備の仕掛けやオモリは最低でも5セット以上準備すると安心
- 夜釣りも可能で常夜灯が足元を照らしてくれる
- 夜はシーバスやアナゴ、根魚がメインターゲットとなる
- 対岸には日本夜景遺産にも認定された四日市工場の絶景が広がる
- 釣行前には釣具店のブログ等で最新の釣果情報を必ず確認する
- 安全のためにライフジャケットの着用と長さ6m以上のタモ網の持参を推奨