マゴチのルアー釣りに挑戦したいけれど、「どんなタックルを揃えればいいの?」「最強ルアーやその動かし方が分からない」と悩んでいませんか。また、なぜ高級魚なのですか?という素朴な疑問や、60cmを超えると何年かかるのか、といった生態に関する関心もあるかもしれません。いざ始めてみても釣れない時の対処法、一番釣れる釣り方は何か、ベストな時間帯はいつなのか、あるいは手軽な陸っぱりだけでなくルアー船での釣りにも興味があるかもしれません。この記事では、そんなルアーでマゴチ釣りに関するあらゆる疑問に答え、難易度や楽しみ方まで、初心者の方にも分かりやすく解説していきます。
この記事で分かること
- マゴチの生態や釣りの基本知識
- 釣り場に応じた最適なタックルとルアーの選び方
- 釣果を格段にアップさせるルアーの動かし方とコツ
- 釣れない時に見直すべき具体的なチェックポイント
釣果が変わる!ルアーでマゴチ釣りの基本を解説
- なぜマゴチは高級魚なのですか?
- 60cmを超えると何年かかる?
- マゴチ釣りの難易度は?
- マゴチ釣りに必要なタックルとは
- 釣果を左右するベストな時間帯
- 釣れない時に見直すべきポイント
なぜマゴチは高級魚なのですか?

マゴチが高級魚として扱われる最大の理由は、その卓越した食味にあります。透き通るような美しい白身は、熱を通しても硬く締まりすぎず、上品な旨味とほのかな甘みが特徴です。旬である夏の時期のマゴチは「照りゴチ」とも呼ばれ、フグに匹敵するほどの美味しさと評価されることも少なくありません。
このため、料亭や寿司屋などでは高値で取引され、市場に出回る量も限られていることから高級魚としての地位を確立しています。主な調理法としては、薄造り(刺身)はもちろん、天ぷら、煮付け、潮汁、唐揚げなど、どのような料理にしてもその美味しさを存分に味わうことができます。
釣り人だけの特権
市場では高級魚として扱われるマゴチですが、釣り人にとっては自らの手で釣り上げることで、この絶品を味わえるという大きな魅力があります。釣りの楽しさと食の喜びを一度に体験できるのが、マゴチ釣りの醍醐味と言えるでしょう。
クセのない味わいは万人受けしやすく、釣って楽しいだけでなく、家族や友人に振る舞っても非常に喜ばれるターゲットです。この「食味の良さ」こそが、マゴチが多くの人々を魅了し、高級魚と呼ばれる所以なのです。
60cmを超えると何年かかる?

マゴチが60cmを超えるサイズにまで成長するには、一般的に5年以上の歳月がかかると言われています。もちろん、生息する環境の水温やエサの量によって成長速度には個体差がありますが、比較的成長が緩やかな魚として知られています。
マゴチの成長の目安として、以下のような情報があります。
- 1年で約20cm
- 3年で約40cm
- 5年で約50cm
このデータからも分かるように、50cmを超えるあたりから成長のペースはさらに緩やかになります。そのため、釣り人が「座布団」と呼ぶような60cm以上の大型個体は、その水域で長い年月を生き抜いてきた証であり、非常に価値のある一匹と言えます。
資源保護にご協力を
大型のマゴチは産卵において重要な役割を担っています。もし60cmを超えるような大物を釣り上げた際には、その価値を噛みしめつつも、未来の釣りのためにリリースを検討するのも素晴らしい選択肢の一つです。
一匹の魚がそこまで大きくなるのに要した時間に思いを馳せることも、釣りの奥深さを感じさせてくれる要素ではないでしょうか。
マゴチ釣りの難易度は?

マゴチのルアー釣りの難易度は、同じフラットフィッシュ(ヒラメ・マゴチの総称)のターゲットであるヒラメと比較すると、比較的易しいと言えるでしょう。そのため、サーフからのルアーフィッシング入門としても非常に人気の高いターゲットです。
難易度が比較的低いとされる理由は、主にマゴチの習性にあります。
マゴチが初心者にも釣りやすい理由
マゴチはヒラメと違い、積極的に中層までルアーを追いかけることが少なく、基本的には海底(ボトム)付近に定位しています。このため、釣り人は「とにかく底を丁寧に探る」という一点に集中しやすく、狙うべきレンジ(泳層)が絞りやすいのです。ヒラメのように「今日はどの層を泳いでいるか」と複雑に考える要素が少ない点が、初心者にとって大きなアドバンテージとなります。
「ヒラメはなかなか釣れない…」と挫折しかけた方でも、マゴチならあっさり釣れてしまう、なんてことも珍しくありません。まずはマゴチでフラットフィッシュの引きの強さを体験してみるのがおすすめですよ!
ただし、もちろん何の知識もなしに釣れるほど簡単なわけではありません。ポイントの選び方や基本的なルアーのアクションを理解することが釣果への第一歩です。しかし、その基本さえ押さえれば、初心者の方でも十分に良型のマゴチを釣り上げるチャンスがある、魅力的な釣りと言えます。
マゴチ釣りに必要なタックルとは

マゴチ釣りのタックルは、主に釣りをする場所(フィールド)によって最適なものが異なります。遠投性能が求められるサーフと、手返しや操作性が重要になる堤防では、使いやすい道具が変わってくるためです。ここでは、代表的な2つのフィールドに合わせたタックルをご紹介します。
サーフ&河口域のタックル
広大なサーフ(砂浜)や河口域では、広範囲を探るための遠投性能が最も重要になります。沖のブレイクライン(かけあがり)や流れの変化までルアーを届ける必要があるため、長めのロッドが有利です。
堤防&漁港のタックル
足場が良くエントリーしやすい堤防や漁港では、サーフほどの遠投性能は必要ありません。むしろ、足元の探りやすさやルアーの細かな操作がしやすい、取り回しの良いタックルが適しています。
フィールド | ロッド | リール | メインライン | ショックリーダー |
---|---|---|---|---|
サーフ・河口 | 10ft(約3m)前後 | スピニングリール4000番クラス(ハイギア推奨) | PEライン 1号 | フロロカーボン 5号(20lb) |
堤防・漁港 | 8.6ft〜10ft(約2.6m〜3m) | スピニングリール3000〜4000番(ハイギア推奨) | PEライン 1号 | フロロカーボン 5号(20lb) |
シーバスタックルやショアジギングタックル、エギングタックルでも代用は可能です。まずは手持ちの道具で挑戦してみて、本格的に始める際に専用タックルを検討するのも良いでしょう。(参照:シマノ公式サイト)
釣果を左右するベストな時間帯

マゴチ釣りの釣果を大きく左右するベストな時間帯は、朝マズメと夕マズメです。これは多くの魚に共通することですが、太陽が昇る前後と沈む前後の時間帯は、魚の捕食活動が最も活発になるゴールデンタイムと言えます。
マズメ時が良いとされる理由は、ベイトフィッシュ(マゴチのエサとなる小魚)が活発に動き出すことに加え、光量の変化によってマゴチの警戒心が薄れるためです。普段は砂に潜んで身を隠しているマゴチも、この時間帯は積極的にエサを求めて動き回ります。
また、マゴチはヒラメよりも夜行性が強い傾向にあります。そのため、夜間の釣りでも十分にヒットが期待できるのも特徴の一つです。特に常夜灯のある港湾部などでは、光に集まるベイトを狙ってマゴチが接岸していることも少なくありません。
潮の動きもチェックしよう
時間帯と合わせて意識したいのが「潮の動き」です。一般的に、潮が動いている時間帯の方が魚の活性は上がります。特に上げ潮のタイミングは、海水が岸に寄ってくる流れに乗ってマゴチも活発に行動することが多いため、マズメ時と上げ潮が重なるタイミングは絶好のチャンスとなります。
日中でも釣れないわけではありませんが、やはり確率が高いのはマズメ時です。効率よく釣果を上げたいのであれば、朝か夕方のマズメ時を狙って釣行計画を立てるのが最もおすすめです。
釣れない時に見直すべきポイント

一生懸命ルアーを投げているのに全くアタリがない、そんな時に見直すべきポイントは、主に「レンジ(泳層)」「ルアー」「場所」の3つです。これらのいずれかが、その日の状況と合っていない可能性が高いと考えられます。
1. レンジ(泳層)の見直し
前述の通り、マゴチは基本的にボトム(海底)を強く意識している魚です。釣れない時、最も多い原因がルアーが底から離れすぎているケースです。ルアーを巻くスピードが速すぎたり、ルアーの重さが軽すぎたりすると、知らず知らずのうちに中層を泳がせてしまっていることがあります。まずは、しっかりとルアーを着底させ、そこから底を擦るか擦らないかのギリギリの層を引けているか、改めて確認しましょう。
2. ルアーの見直し
レンジが合っているはずなのに反応がない場合は、ルアーがマゴチの好みに合っていないのかもしれません。見直すべきは「カラー」と「アピール力」です。
- カラー: 派手なピンクやゴールド系で反応がなければ、ベイトフィッシュに近いナチュラルなカラー(イワシ、キスなど)に変更してみましょう。逆に、濁り潮でナチュラルカラーが目立っていないようであれば、チャート系などの派手な色を試す価値があります。
- アピール力: ワームのゆっくりとした誘いに反応がない時は、メタルジグやバイブレーションの強い波動でリアクションバイトを誘うなど、ルアーの種類自体を変えてみるのも有効です。
3. 場所の見直し
同じ場所で粘り続けても反応がなければ、そこにマゴチがいない可能性も考えられます。サーフフィッシングの基本は「ラン&ガン」、つまり歩きながら魚のいる場所を探すことです。少しずつ立ち位置をずらしながら、離岸流やサンドバー、カケアガリといった地形の変化がある場所を重点的に探ってみましょう。たった10m移動しただけで、急にアタリが出始めることも珍しくありません。
実践で差がつくまごち釣りのルアーテクニック
- 一番釣れる釣り方はボトム狙い?
- 基本的なルアーの動かし方とコツ
- 状況別で選ぶマゴチの最強ルアー
- 陸っぱり以外のルアー船という選択肢
一番釣れる釣り方はボトム狙い?

結論から言うと、はい、マゴチをルアーで狙う上で最も効果的で一番釣れる可能性が高い釣り方は「ボトム(海底)狙い」です。これはマゴチ釣りの基本中の基本であり、釣果を出すための絶対条件と言っても過言ではありません。
その理由は、マゴチの生態にあります。マゴチは平たい体型を活かして海底の砂に巧みに擬態し、自分の真上を通りかかる小魚や甲殻類を一瞬で捕食する待ち伏せ型のハンターです。自ら積極的に中層まで泳ぎ回ってエサを探すヒラメとは、この点が大きく異なります。
そのため、ルアーをキャストしたら、まずはリールのベールを返してラインを送り出し、ルアーが「トンッ」と海底に着底するのを感じ取ることが全ての始まりになります。この着底の感覚が分からないうちは、マゴチを釣るのは難しいでしょう。
例外のケースも存在する
「マゴチ=ボトム」は絶対的なセオリーですが、固定観念に縛られすぎるのは禁物です。例えば、水面近くでイワシなどのベイトフィッシュが追われているような状況では、マゴチも興奮して中層付近までルアーにアタックしてくることがあります。基本はボトム狙いを徹底しつつも、海の状況によっては柔軟な対応を心がけることも釣果を伸ばす秘訣です。
まずは徹底的にボトムを意識し、ルアーが海底から離れすぎないように操作すること。これが、一番釣れる釣り方への最短ルートです。
基本的なルアーの動かし方とコツ

マゴチに効果的なルアーの動かし方(アクション)は、主に3種類あります。状況に応じてこれらを使い分けることで、より多くのバイトを引き出すことができます。
1. ただ巻き(ズル引き)
最もシンプルで基本的なアクションです。ルアーが着底したら、一定の速度でリールを巻くだけ。特にワームを使ったジグヘッドリグでは、底をズルズルと引きずるようにゆっくり巻く「ズル引き」が非常に効果的です。底で砂煙を上げることで、エサを探すハゼやキスを演出し、マゴチの食欲を刺激します。
2. リフト&フォール
「ただ巻き」で反応が薄い時に試したい、変化をつけたアクションです。ルアーが着底したら、竿先を「チョン」と軽くあおってルアーを20〜30cmほど持ち上げ(リフト)、その後すぐにラインを張ったまま再び着底させます(フォール)。このフワッと浮き上がって沈んでいく動きに、マゴチは思わず反応してしまうことが多いです。アタリは、ルアーが沈んでいくフォール中に集中します。
3. ストップ&ゴー
リールを数回巻いては止め、また巻いては止める、を繰り返すアクションです。ルアーを止めた瞬間に、マゴチに「食わせの間」を与えることができます。反応はあるけれど、なかなかフッキングに至らないような状況で特に有効なテクニックです。
まずは基本の「ただ巻き」で広範囲を探り、アタリがなければ「リフト&フォール」でアピール度を高めてみましょう。それでもダメなら「ストップ&ゴー」でじっくり見せて食わせる、という流れがおすすめです!
これらのアクションのコツは、いずれの場合も必ずボトム(海底)を意識し続けることです。ルアーがどこにあるのかを常にイメージしながら操作することが、釣果アップに繋がります。
状況別で選ぶマゴチの最強ルアー

「最強ルアー」と一言で言っても、あらゆる状況で万能なルアーは存在しません。フィールドの状況やマゴチの活性に合わせて最適なルアーを選択することが、釣果を伸ばすための鍵となります。ここでは、代表的な3種類のルアーと、その使い分けについて解説します。
ルアー種類 | 特徴とメリット | おすすめの状況 |
---|---|---|
ジグヘッド+ワーム | ナチュラルな波動で食わせる力No.1。ジグヘッドの重さを変えることで、あらゆる水深に対応可能。 | 魚の活性が低い時、スレているポイント、じっくりとボトムを探りたい時。 |
メタルジグ | 圧倒的な飛距離で広範囲を素早く探れる。リアクションバイトを誘いやすい。 | 広大なサーフ、遠投が必要な時、風が強い時、高活性な魚を手早く探したい時。 |
シンキングミノー | 強い波動とフラッシングでアピール力が高い。一定のレンジをキープしやすい。 | 魚の活性が高い時、ベイトフィッシュが多い時、根掛かりの少ない砂地。 |


ルアーカラーの選び方
ルアーのカラー選択も重要です。基本的には、「派手なアピール系」と「自然なナチュラル系」の2種類を準備しておくと良いでしょう。
朝夕のマズメ時や海が濁っている時は、ピンク、ゴールド、チャートなどの派手な色が有効です。逆に、日中の晴天時や澄み潮の状況では、イワシやキスなどのベイトフィッシュに似せたシルバーやクリア系のナチュラルカラーが効果を発揮します。
これらのルアーをローテーションさせ、その日のヒットパターンを見つけ出すことが、安定した釣果を得るための「最強」の戦略と言えるでしょう。
陸っぱり以外のルアー船という選択肢

サーフや堤防から狙う「陸っぱり(おかっぱり)」がマゴチ釣りの主流ですが、ルアー船(ボート)から狙うという選択肢も非常に魅力的です。陸からでは決して届かない沖のポイントを攻めることができ、より高確率でマゴチに出会える可能性があります。
ルアー船を利用するメリットは数多くあります。
ルアー船のメリット
- 釣れる確率が高い: 船長が経験と実績に基づいた一級ポイントへ案内してくれます。
- 効率が良い: 自分でポイントを探し回る必要がなく、釣りに集中できます。
- 大型が狙える: 陸からでは届かない深場や根周りなど、大型が潜むポイントを直撃できます。
- 手ぶらで楽しめるプランも: 遊漁船によってはレンタルタックルが充実しており、気軽に挑戦できます。
一方で、デメリットや注意点も存在します。
ルアー船のデメリットと注意点
最大のデメリットは、乗船料がかかることです。また、事前の予約が必要であり、天候によっては出船中止になる可能性もあります。船酔いが心配な方は、酔い止め薬を準備しておくことを強くおすすめします。
陸っぱりでなかなか釣果に恵まれない方や、いつもとは違う環境でマゴチ釣りを楽しみたい方は、一度ルアー船からの釣りを体験してみてはいかがでしょうか。新たな発見と、忘れられない一匹との出会いが待っているかもしれません。
奥深いルアーでマゴチ釣りの世界を楽しもう

最後に、この記事の要点をまとめます。マゴチ釣りを成功させるためのポイントを振り返り、次回の釣行に活かしてください。
- マゴチは上品な味わいの高級魚
- 60cmを超えるには5年以上の歳月が必要
- 難易度はヒラメより優しく初心者にもおすすめ
- タックルはサーフなら遠投性、堤防なら操作性を重視
- ベストな時間帯は朝夕のマズメ時
- 釣れない時はレンジとルアーと場所を見直す
- 釣り方の基本は徹底したボトム意識
- ルアーアクションはただ巻きとリフト&フォールが中心
- ワームはナチュラルに誘いたい時に最適
- メタルジグは広範囲を手早く探るのに有効
- ミノーは高活性時にアピール力で勝負
- ルアーカラーは派手系とナチュラル系を準備する
- ルアー船からのアプローチも釣果への近道
- 安全対策を万全にして釣りを楽しむ
- マゴチは釣って楽しく食べて美味しい最高のターゲット