「ワカサギ釣りを楽しみたいけれど、どうしても虫エサは苦手…」そんな悩みを抱えていませんか?ワカサギ釣りといえば、ウジ虫や赤虫が定番ですが、触るのに抵抗がある方も多いでしょう。しかし、諦める必要は全くありません。定番のサシ虫とは何か、そして自然界でのワカサギの主食は何かを知り、彼らがどのようにエサ食べるのかという習性を理解すれば、ワカサギ 釣り 餌 虫 以外の選択肢は驚くほどたくさん見つかります。この記事では、コンビニで手軽に買える食品から、便利な人工ワーム、さらにはワカサギを寄せるための寄せ餌 自作のアイデアまで、虫が苦手なあなたのための代用餌を徹底解説します。また、ワカサギが釣れない理由と対策、食い渋りを打破する最強と噂の餌の秘密にも迫ります。この記事を読めば、虫エサに頼らず、快適で楽しいワカサギ釣りを満喫するための知識がすべて手に入ります。
この記事で分かること
- 虫が苦手な人でも安心して使える代用餌の種類
- ワカサギの食性に基づいた効果的な餌の選び方
- 釣果を格段にアップさせる寄せ餌や誘いのテクニック
- ワカサギが釣れない時の具体的な原因と解決策
ワカサギ釣りは餌に虫以外を使っても楽しめる
- 定番の虫餌であるサシ虫とは?
- 自然界でのワカサギの主食は何か
- ワカサギがエサ食べる習性を知る
- コンビニで手に入る代用餌
- 手軽で便利な人工餌のワーム活用術
定番の虫餌であるサシ虫とは?
ワカサギ釣りの世界で、最も広く使われている餌が「サシ」です。この名前を聞いてピンとこない方も、「ウジ虫」と聞けばその姿を想像できるかもしれません。サシの正体はハエの幼虫ですが、もちろんその辺にいるものではなく、釣り餌専用として徹底した衛生管理のもとで人工的に養殖されたものです。そのため、病原菌などの心配はなく、安全に釣り餌として使用できます。
サシがこれほどまでに定番の餌として定着しているのには、明確な理由があります。
サシが定番である理由
- 圧倒的な入手しやすさ: 全国のほとんどの釣具店で、数百円程度と非常に安価に購入できます。手軽に準備できる点は大きな魅力です。
- 優れた餌持ち: 適度な硬さの皮に覆われているため、針にしっかりと掛かり、簡単には外れません。一匹のサシで数匹、時には十数匹のワカサギを釣り上げることも可能です。
- 抜群の集魚効果: 生き餌ならではのウネウネとした動きと、体から発せられる独特の匂いが、ワカサギの本能を強く刺激し、食いを誘発します。
一般的には、食紅で赤く染められた「紅サシ」と、素材そのままの色の「白サシ」の2種類が主流です。釣り人の中では、仕掛けの針に交互に違う色を付け、その日のワカサギがどちらの色により強く反応するか(=当たりカラー)を探るというテクニックも使われます。
しかし、これだけのメリットがありながらも、多くの初心者が躊躇する最大の理由が、やはりその「見た目」です。いくら清潔で安全だと頭で理解していても、生きた幼虫を針に刺すという行為に生理的な抵抗を感じるのは、ごく自然なことです。この心理的なハードルこそ、虫以外の餌、すなわち「代用餌」が注目される大きな理由となっています。
自然界でのワカサギの主食は何か

効果的な代用餌を選ぶためには、まずターゲットであるワカサギが、自然界で何を食べて生きているのかを知ることが最も重要です。彼らの食性を理解することで、代用餌に求められる「要素」が見えてきます。
ワカサギは、成長段階や生息環境によって食性が変化しますが、基本的には動物食性の強い雑食です。その小さな口で捕食できる、比較的小さな生物を主食としています。
国立研究開発法人 水産研究・教育機構の調査報告によると、多くの湖沼においてワカサギの胃の内容物から最も多く確認されるのは、動物プランクトン、特にミジンコ類(Daphniaなど)です。(出典:水産研究・教育機構「霞ヶ浦におけるワカサギの食性」) これらは水中を漂っているため、ワカサギにとって捕まえやすく、最も基本的なエネルギー源となっています。
成長し、より活発に泳ぎ回れるようになると、プランクトンに加えて以下のようなものも捕食対象に加わります。
- 水生昆虫の幼虫: ユスリカの幼虫(釣り餌でいうアカムシ)など、水底に生息する小さな虫。
- 小型の甲殻類: ヨコエビや、大型エビの幼生など。
匂いと振動が索餌の鍵
ワカサギは、水の透明度が低い場所や、光の届きにくい深場にいることも多く、視力だけに頼って餌を探しているわけではありません。むしろ、嗅覚や、側線と呼ばれる器官で水の振動を感知する能力に長けています。そのため、アミノ酸をはじめとする旨味成分の匂いや、餌が発する微弱な波動に強く惹かれる性質があります。
これらの事実から、ワカサギ釣りの代用餌には、「①小さいサイズ感」「②プランクトンのような柔らかさ」「③アミノ酸などの強い匂い」という3つの要素が極めて有効であることがわかります。この原則に基づいて餌を選べば、虫餌でなくとも十分に釣果を期待できるのです。
ワカサギがエサ食べる習性を知る

ワカサギの「食べ方」のクセを理解することは、釣果を伸ばすための最後のピースです。どんなに魅力的な餌を用意しても、ワカサギが食べやすいようにアピールできなければ意味がありません。
ワカサギの解剖学的な特徴として、非常に小さく、やや上向きに開く口が挙げられます。これは、水中を漂うプランクトンや、上からゆっくりと落ちてくる餌を下から見上げて、吸い込むように捕食するのに特化した構造です。
ついばむような繊細なアタリ
バスやシーバスのように餌に猛然とアタックする魚とは対照的に、ワカサギは餌の端をハムハムと「ついばむ」ように、非常に 繊細に捕食します。そのため、釣り人には「ブルブルッ」という明確なアタリではなく、「モゾモゾ」「チクッ」といった、極めて微細な信号として伝わることが多いのです。この繊細なアタリを感じ取れるかどうかが、釣果の分かれ目となります。
この習性から、餌が大きすぎたり硬すぎたりすると、ワカサギは餌をうまく口の中に吸い込むことができず、アタリはあっても針掛かりしない「空振り」が多発してしまいます。
生命感を演出する「誘い」
プランクトンが水中をフワフワと漂う姿を模倣し、ワカサギに餌の存在を気づかせ、食欲を刺激するテクニックが「誘い」です。これはワカサギ釣りにおいて最も重要な技術と言っても過言ではありません。

ただ餌を水中に垂らしているだけでは「死んだ餌」にしか見えません。竿先を細かく震わせたり、ゆっくり上下させたりして、「この餌は生きているぞ!」とアピールすることが不可欠なんです。代用餌を使う場合は、特にこのひと手間が釣果を大きく左右しますよ。
誘いの動作の中に、時折ピタッと動きを止める「食わせの間」を作るのも極めて有効です。動いている餌に興味を示したワカサギが、動きが止まった瞬間に安心して食いついてくるのです。これらの習性を総合すると、「小さくカットした餌を、生命感あふれる誘いでアピールし、一瞬の静止で食わせる」というのが、ワカサギ釣りの基本戦術となります。
コンビニで手に入る代用餌

「今日は釣りに行く予定じゃなかったのに…」「釣具屋が閉まっていた!」そんな時でも、コンビニエンスストアは釣り人の強い味方です。ワカサギが好む要素(匂い・色・柔らかさ)を持つ食材は、実はコンビニにも豊富に揃っています。
ここでは、特に実績が高いとされる代表的なコンビニ代用餌をピックアップし、その特徴と使い方のコツを詳しく解説します。
代用餌 | メリット | デメリット・注意点 | 使い方のコツ |
---|---|---|---|
カニカマ | 紅サシに酷似した赤色で、視覚的なアピールが非常に高い。入手が極めて容易。 | 水中で水分を含むとすぐにほぐれてしまい、餌持ちが悪い。頻繁な交換が必要になる。 | 赤い部分だけを使い、繊維に沿って爪楊枝ほどの細さに、長さ5mm程度にカットして使う。 |
魚肉ソーセージ | 魚肉由来のアミノ酸が豊富で、集魚効果が高い。安価で量が多く、コストパフォーマンスに優れる。 | 練り物なので柔らかく崩れやすい。高活性時でないと餌持ちに難がある。 | 皮をむき、2mm角程度のサイコロ状にカットする。少し乾燥させると身が締まって餌持ちが向上する。 |
ベビーチーズ | 独特の発酵臭が水中で拡散し、ワカサギの嗅覚を強く刺激する。加工が容易。 | 水温が低いと硬くなり、食い込みが悪くなることがある。針から抜け落ちやすい。 | 常温で少し柔らかくしてから、マッチ棒の頭くらいの大きさに丸めて針に付ける。 |
ホタテの缶詰 | 魚介系の凝縮された旨味成分と強い匂いは、代用餌の中でもトップクラスの集魚力を誇る。 | 他の代用餌に比べて価格がやや高め。汁が衣服などに付くと匂いが取れにくい。 | 貝柱の繊維に沿って、できるだけ細く、長さ5mm程度に引き裂いて針にチョン掛けする。 |
これらの食材を餌として利用する際に、絶対に守るべき鉄則があります。それは、ワカサギの小さな口に合わせて、米粒半分〜1粒程度の大きさにまで、徹底して小さくカットすることです。精密な作業になるため、釣り用の小さなハサミやカッターナイフを持参することを強く推奨します。
釣り場の環境保全とルール遵守
食品を餌として使用することは、環境に影響を与える可能性があります。余った餌を水中に投棄したり、パッケージを放置したりすることは、水質汚染や生態系への悪影響に繋がります。ゴミは必ず全て持ち帰り、釣り場の美化に努めましょう。また、湖や管理釣り場によっては、水質保全のために食品系の餌の使用が条例や規則で明確に禁止されている場合があります。釣行前には必ず、訪れる釣り場の公式サイトや漁業協同組合のウェブサイトでレギュレーションを確認してください。
手軽で便利な人工餌のワーム活用術

「虫は絶対に無理、でもコンビニ餌は準備や後片付けが面倒…」という方に、まさに救世主となるのが生分解性プラスチックなどで作られたワカサギ専用の人工餌(ワーム)です。近年の技術進化は目覚ましく、その性能はもはや生餌を凌駕する場面も少なくありません。
人工餌が持つ、他の餌にはない圧倒的なアドバンテージは、その利便性と機能性の高さにあります。
人工餌の圧倒的なメリット
- 究極の保存性: 密閉できるパッケージに入っており、常温での長期保存が可能です。タックルボックスに常備しておけば、いつでもワカサギ釣りが楽しめます。
- 清潔でノーストレス: 汁や体液が出ないため、手や衣服が汚れる心配が一切ありません。匂いも魚が好む香料に調整されており、不快感は皆無です。
- 驚異的な針持ち: 各メーカーが研究を重ねた素材は、柔らかさと弾力性を高いレベルで両立しています。一度付ければ簡単にはズレたりちぎれたりせず、手返しの効率が格段に向上します。
- 戦略的なカラー展開: 定番の赤・白だけでなく、アピール力の高い蛍光色や、深場で効果を発揮するケイムラ(紫外線発光)カラーなど、多彩なラインナップが揃っています。
この分野のパイオニア的存在が、釣り餌メーカーのマルキュー株式会社が開発した「ハイパー紅雪」シリーズです。ワカサギが好むエキスを配合し、水中で硬くなりにくい素材を採用するなど、実釣性能を徹底的に追求した製品として高い評価を得ています。
釣果を倍増させるカラーローテーション戦略
人工餌の性能を最大限に引き出すための鍵が、「カラーローテーション」という戦略です。ワカサギは非常にセレクティブな魚で、その日の天候(晴れ・曇り)、水の透明度、時間帯(朝マズメ・日中・夕マズメ)によって、明らかに反応が良い色が偏る傾向があります。例えば、澄み潮ではナチュラルな白、濁り潮ではシルエットが際立つ赤、深場や曇天では紫外線で光るケイムラカラーが有効、といったセオリーが存在します。
アタリが遠のいたと感じたら、それは群れが去ったのではなく、単にその色にスレてしまった(見飽きてしまった)だけかもしれません。そこで、全く違う色に交換してみることで、ワカサギの興味を再び惹きつけ、バイトを誘発できるのです。最初は仕掛けの上下で違う色を付けてみて、どちらにより多くアタってくるかでその日の当たりカラーを見極める、というのも非常に効率的な方法です。
ワカサギ釣りで虫以外の餌を使い釣果を上げるコツ
- 最強と噂の代用餌とチーズサシ
- ワカサギを寄せるためのテクニック
- 釣果を伸ばす寄せ餌の自作アイデア
- 代用餌の付け方と交換のタイミング
- ワカサギが釣れない理由と対処法
最強と噂の代用餌とチーズサシ
釣り人の間で囁かれる「最強の餌」。それは多くの場合、どんな状況でも釣れる万能餌ではなく、食い渋った状況を打破する起爆剤となる、特殊な餌を指します。その中でも特に有名なのが、生餌であるサシを加工した「チーズサシ」です。
これは虫餌の範疇に入りますが、そのメカニズムを知ることは、虫以外の代用餌で釣果を上げるためのヒントに満ちています。チーズサシは、サシにチーズを食べさせることで、体そのものから強烈な発酵臭を放つようにしたものです。魚類はアミノ酸を検出する能力が非常に高く、特に発酵過程で生まれる旨味成分や匂いには、抗いがたい誘引効果があるのです。
チーズサシの簡単な作り方
もし虫餌への抵抗が少し和らいだなら、試してみる価値はあります。準備は釣行の2〜3日前から行います。
- 釣具店で購入したサシを、おがくずごと蓋に空気穴を開けた容器に移します。(脱走防止のため、穴は非常に小さくしてください)
- そこに、粉チーズ、もしくは細かくちぎったプロセスチーズをたっぷりと振りかけます。
- 蓋をして容器を軽く振り、サシとチーズを馴染ませます。
- サシが餌を食べるよう、冷蔵庫ではなく日陰の涼しい場所(15〜20℃程度)で1〜2日保管します。
こうすることで、サシがチーズを体内に取り込み、全身から集魚効果の高い匂いを放つようになります。この「匂いを添加する」という発想は、他の代用餌にも応用可能です。例えば、魚肉ソーセージをガーリックパウダーにまぶしたり、カニカマを集魚オイルに漬け込んだりすることで、オリジナルの「最強餌」を生み出すこともできます。
本当の「最強」は状況判断力
究極的には、その日のワカサギの気分に最もマッチした餌が「最強の餌」となります。赤色のワームにしか反応しない日もあれば、ホタテの匂いにしか興味を示さない日もあります。大切なのは、一つの餌に固執せず、複数の選択肢を用意し、アタリがなければ躊躇なく餌をローテーションしていく柔軟な状況判断力です。
ワカサギを寄せるためのテクニック

ワカサギは常に湖の中を広範囲に回遊しており、その群れに遭遇できるかどうかが釣果の大部分を占めます。しかし、ただ群れの通過を待つだけでは、効率的な釣りはできません。そこで、「寄せ餌(コマセ)」を使い、積極的にワカサギの群れを自分のポイントに引き寄せ、そして留まらせるという戦略が極めて重要になります。
寄せ餌とは、集魚効果のある匂いや成分を含んだ餌を水中に拡散させ、広範囲に散らばっている魚を一点に集めるためのものです。これにより、釣りをしている時間を「待ち」から「攻め」の時間に変えることができます。
手を汚さない!最先端の市販寄せ餌
かつて寄せ餌といえば、生臭いアミエビなどを手で丸めるのが主流でしたが、現在は虫が苦手な方でも全く問題なく使える、画期的な製品が登場しています。その代表格が、前述のマルキュー株式会社が販売する「寄せっコ」です。
この製品は、魚の形をした水溶性のカプセルの中に、高濃度の集魚エキスが封入されています。使い方は、仕掛けの一番上の針にこのカプセルを引っ掛け、尾びれの付け根のくびれ部分をハサミでプチッと切るだけ。あとは仕掛けを沈めれば、カプセルからエキスが少しずつ溶け出し、強力な匂いの煙幕を張ってワカサギを誘い続けてくれます。これなら手は一切汚れません!(出典:マルキュー公式サイト「寄せっコ」)
効果の持続時間は水温などによって変動しますが、おおむね30分から1時間が目安です。アタリが途絶えたり、魚群探知機の反応が薄くなったりしたら、新しいものに交換するタイミングです。寄せ餌を効果的に使うことで、群れが回遊してきた際の「滞在時間」を飛躍的に延ばすことができ、結果として釣果の大幅アップに繋がります。
釣果を伸ばす寄せ餌の自作アイデア
市販の寄せ餌は非常に高性能で便利ですが、「釣りの楽しみの一つは工夫にあり」と考える方には、オリジナルの寄せ餌作りもおすすめです。スーパーや釣具店で手軽に揃う材料を組み合わせるだけで、驚くほど効果的な寄せ餌を自作することができます。
自作寄せ餌の基本となる素材(ベース材)は、水中で適度にバラけて煙幕を作りやすい「パン粉」です。これに、ワカサギを惹きつける様々な集魚材や摂餌促進材をブレンドしていきます。
オリジナル寄せ餌レシピ
【ベース材】
- パン粉: 寄せ餌の核となる素材。粒子が細かいものを選ぶと、より綺麗な煙幕になります。
【集魚材(匂いと味で寄せる)】
- さなぎ粉: 蚕のさなぎを乾燥させて粉末にしたもの。魚類が好むアミノ酸を豊富に含み、集魚効果が非常に高い定番素材。釣具店で入手できます。
- にんにくパウダー: 強烈な匂いが水中で広範囲に拡散し、遠くのワカサギにもアピールします。
- エビ粉・魚粉: 甲殻類や魚介類の匂いと旨味成分で、ワカサギの食性に直接訴えかけます。
【調整材】
- 米ぬか: 粘りを調整し、まとまりを良くするために加えます。安価でかさ増しにもなります。
これらの材料を、例えば「パン粉5:さなぎ粉2:米ぬか3」といった比率でビニール袋に入れてよく混ぜ合わせ、現場で湖の水を少量ずつ加えながら、耳たぶくらいの硬さに練り上げて使用します。専用のコマセカゴに詰めたり、小さな団子にして定期的にポイントに投入したりします。
寄せ餌(コマセ)の使用ルールを再確認
前述の通り、釣り場によっては環境保全の観点から、寄せ餌の使用が全面的に禁止されている場合があります。特に、管理釣り場や水源地となっているダム湖などでは厳しい規制が敷かれていることが多いです。自作・市販を問わず、釣行前には必ず訪れる釣り場のレギュレーションを公式サイトなどで確認する習慣をつけましょう。ルールを守ってこそ、釣りの楽しさは持続します。
代用餌の付け方と交換のタイミング

選び抜いた代用餌や、工夫を凝らした寄せ餌も、最後の「針への付け方」が適切でなければ、その効果は半減してしまいます。ワカサギの繊細なアタリを確実にフッキングに持ち込むためには、基本に忠実な餌付けが不可欠です。
釣果を左右する「チョン掛け」の極意
ワカサギ釣りの餌付けの基本中の基本、それが「チョン掛け」です。これは、餌の端の方の皮一枚をすくうように、ごく浅く針を刺し通す方法です。なぜこの付け方が重要なのでしょうか。
- 針先の露出: 最大の目的は、針先を最大限に露出させることです。ワカサギが餌を吸い込んだ際、針先が隠れていると口の中に刺さらず、すっぽ抜けてしまいます。チョン掛けなら、針先がフリーな状態なので、わずかな力でもしっかりとフッキングします。
- 自然な動きの演出: 餌を深く刺してしまうと動きが硬くなりますが、チョン掛けなら餌の大部分が自由なため、水中で自然に漂い、ワカサギに違和感を与えません。
このチョン掛けは、カニカマ、魚肉ソーセージ、ワームなど、全ての代用餌で共通の基本テクニックです。常に「針先が出ているか?」を意識してください。
食い渋り時の最終兵器「カット」
アタリが極端に小さい、あるいはアタリはあっても全く針掛かりしない…そんな食い渋りの状況では、餌をさらに小さくカットするチューニングが効果絶大です。カットすることで断面から餌のエキスや匂いが強く拡散し、活性の低いワカサギの最後のひと押しを誘います。また、餌の体積が小さくなることで、ワカサギが餌を吸い込みやすくなり、フッキング率が向上します。
見逃してはいけない餌の交換サイン
釣果を安定させるためには、餌の状態を常にチェックし、鮮度を保つことが重要です。以下のサインが見られたら、迷わず交換しましょう。
【餌の交換タイミング】
- 見た目の変化: 餌が水を吸って白っぽくふやけたり、形が崩れてきた時。
- アタリの変化: それまでコンスタントにあったアタリが、急に遠のいた時。
- 時間経過: 特に明確な変化がなくても、釣れている状況であれば1時間に1回程度を目安に交換することで、集魚効果を持続させることができます。
面倒に感じるかもしれませんが、この一手間が最終的な釣果に大きな差を生むのです。
ワカサギが釣れない理由と対処法
「魚群探知機にはワカサギの群れが映っているのに、なぜか自分の竿にはアタリがない…」これはワカサギ釣りで誰もが経験する「あるある」な悩みです。魚がいるのに釣れないのには、必ず明確な理由が存在します。パニックにならず、一つずつ原因を探って冷静に対処していきましょう。
釣れない時の4大チェックポイントと解決策
1. 棚(タナ)が合っていない
【原因】ワカサギが泳いでいる層(水深)と、自分の仕掛けがある層がズレている状態です。ワカサギの群れは、水温や光量、時間帯によって常に上下に移動しています。たとえ数10cmズレただけでも、アタリは全く出なくなります。
【解決策】まずはオモリを完全に湖底まで沈め、「底取り」を確実に行います。そこから、リールを1回転(約50cm〜80cm)ずつ巻き上げながら、どの深さでアタリが出るかを計画的に探ります。これを「棚探し」と呼びます。魚群探知機があれば、映し出された水深に正確に合わせることが基本です。
2. 誘いがワカサギの気分に合っていない
【原因】誘いのパターンが単調だったり、その日のワカサギの活性に合っていなかったりする状態です。高活性時は大きく速い動きに、低活性時は小さくゆっくりとした動きにしか反応しないことがあります。
【解決策】誘いのバリエーションを試しましょう。竿先を細かくシェイクする「叩き誘い」、ゆっくり大きく竿を持ち上げて下ろす「フカセ誘い」などを組み合わせます。そして最も重要なのが、誘いの合間に「ピタッ」と動きを止める「食わせの間」を作ることです。多くのアタリはこの静止した瞬間に集中します。
3. 餌の選択や付け方が不適切
【原因】前述の通り、餌のサイズが大きすぎる、色が合っていない、古くなって匂いが消えている、針先が隠れているなど、餌自体に問題があるケースです。
【解決策】基本に立ち返りましょう。餌を米粒半分まで小さくカットする、カラーローテーションを試す、新しい新鮮な餌に交換する、針先が完全に出るようにチョン掛けし直す、といった基本的なことを見直すだけで、劇的に状況が改善することがあります。
4. 仕掛けのトラブルや不適合
【原因】仕掛けが絡んでいたり、糸がヨレていたりすると、水中で不自然な動きになりワカサギに警戒されます。また、その日のワカサギの平均サイズに対して、針のサイズが大きすぎたり小さすぎたりすることも、フッキングしない原因になります。
【解決策】少しでも仕掛けに違和感を感じたら、面倒くさがらずに新品の仕掛けに交換しましょう。その日の釣れているワカサギが小さいと感じたら、針の号数を1つ小さいものに変えるといった微調整も有効です。常に複数の種類の仕掛けを準備しておくことが、安定した釣果への鍵です。
これらのポイントを一つずつ潰していくことで、必ず釣れない原因は見つかります。釣れない時間こそ、自分の釣りを見直す絶好のチャンスと捉え、冷静に対処しましょう。

ワカサギ釣りは餌に虫以外を選んで快適に
- ワカサギ釣りの定番餌はサシ(ハエの幼虫)だが虫が苦手な人も多い
- 代用餌選びのヒントはワカサギの主食であるプランクトンや水生昆虫にある
- ワカサギは小さく柔らかく匂いのあるものを好んで食べる
- 捕食の際は小さな口でついばむように食べる習性がある
- コンビニで手に入るカニカマやチーズも有効な代用餌になる
- 代用餌はワカサギの口に合わせ米粒サイズにカットするのがコツ
- 手が汚れず保存も簡単な人工餌(ワーム)は初心者や女性に特におすすめ
- 人工餌はカラーローテーションでその日の当たり色を探すと釣果が伸びる
- 最強と噂のチーズサシはサシにチーズの匂いを付けた強力な餌
- 群れを足止めするために寄せ餌(コマセ)の活用は非常に効果的
- 寄せ餌はパン粉やさなぎ粉などで自作することも可能
- 釣り場のルールで寄せ餌が禁止されていないか事前に確認が必要
- 餌の付け方は針先をしっかり出すチョン掛けが基本
- 食いが渋い時は餌をカットして匂いを拡散させると良い
- 釣れない原因の多くは棚、誘い、餌の状態、仕掛けにある