エギングでギャフはいらない?必要性と選び方、代替案まで解説

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エギングをしていて、「ギャフは本当に必要なのだろうか?」と疑問に思ったことはありませんか。「エギング ギャフ いらない」と検索する背景には、道具を揃える手間やコスト、そして本当に使いこなせるのかという不安があるかもしれません。エギングのランディングツールとして人気のギャフですが、その使い方やメリット・デメリットを正しく理解することが重要です。また、ギャフの代わりになるものはあるのか、代表的なタモとの違いは何か、そして自分に合ったギャフの選び方はどうすれば良いのか、知りたいことは多いはずです。特に、ランガンスタイルに最適なコンパクトなモデルに関心がある方もいるでしょう。

この記事では、エギングにおけるギャフは必要かという疑問に答えるため、基本的な情報から具体的な製品選びまで、網羅的に解説していきます。この記事を読めば、ランディングツール選びにおけるあなたの疑問や不安が解消され、自信を持って次の釣行に臨めるようになるはずです。

  • エギングにおけるギャフの必要性がわかる
  • ギャフとタモのメリット・デメリットを比較できる
  • 自分に最適なランディングツールの選び方がわかる
  • 人気モデルや安全な使い方を学べる
目次

エギングでギャフはいらない?その必要性を検証

  • エギングでそもそもギャフは必要?
  • ギャフを使うメリット・デメリット
  • ギャフの基本的な使い方と注意点
  • 後悔しないためのギャフの選び方
  • 持ち運びやすいコンパクトモデル
  • エギンガーに人気のギャフはこれ

エギングでそもそもギャフは必要?

結論から言うと、エギングにおいてギャフが「絶対に必要」というわけではありませんが、「あると非常に心強い」アイテムです。特に、キロアップの大型アオリイカを狙う場合や、足場の高い堤防・磯で釣りをする際には、その重要性が格段に高まります。

エギングでは、感度や飛距離を重視するため、一般的に0.6号~0.8号といった細いPEラインを使用します。これらのラインの直線強力は概ね5kg前後ですが、これはあくまで理論値です。結束部分の強度低下や、使用による劣化を考慮すると、実用的な強度はさらに下がります。ここに2kgを超えるアオリイカの自重に加え、海中での抵抗や最後の強烈なジェット噴射による瞬間的な負荷が加わると、抜き上げ時のラインブレイクのリスクは飛躍的に高まります。また、エギのカンナには魚釣りの針と違って「カエシ」がないため、水面で激しく抵抗されるとフックアウト(針外れ)する可能性も常に付きまといます。

せっかく長時間かけて掛けた大物を、最後の最後で逃がしてしまう。そんなエギンガーにとって最も悔しい瞬間を回避するため、ランディングツールは不可欠と言えるのです。

その中でもギャフは、携帯性の高さと取り込みの確実性から、多くのエギンガーに支持されています。移動を繰り返しながらポイントを探るランガンスタイルのエギングでは、かさばるタモよりもコンパクトなギャフが大きなアドバンテージとなるでしょう。

ギャフが活躍する主なシチュエーション

大型アオリイカを狙う春シーズン: 2kg、3kgを超えるモンスタークラスの強烈なジェット噴射にも耐え、確実に取り込めます。
足場の高い釣り場: 堤防や磯など、水面まで3メートル以上の高さがある場所ではほぼ必須のアイテムです。
ランガンスタイルでの釣り: コンパクトで機動性を損なわないため、ポイント移動を繰り返す釣りに最適です。

もちろん、300g程度の小型イカがメインとなる秋の数釣りシーズンや、足場の低い釣り場であれば、ギャフがなくても問題ない場面も多くあります。ご自身の釣りスタイルやターゲットサイズ、主な釣り場を総合的に考慮して、ギャフの必要性を判断することが大切になります。

ギャフを使うメリット・デメリット

ギャフはエギングにおいて非常に便利なツールですが、万能ではありません。導入を検討する際は、メリットだけでなくデメリットもしっかりと理解しておく必要があります。ここでは、代表的なランディングツールである「タモ(玉網)」と比較しながら、ギャフの長所と短所をより深く掘り下げて解説します。

ギャフのメリット

ギャフが持つ最大のメリットは、「機動性」「確実性」、そして「操作性」に集約されます。

  1. 軽量で携帯性に優れる
    タモに比べて構造がシンプルなため、非常にコンパクトで軽量です。仕舞寸法が短いモデルも多く、バッグのロッドホルダーに差したり、ベルトに装着したりしても移動の邪魔になりにくいです。テトラ帯や地磯など、足場の悪い場所を активに移動するランガンスタイルでは、この身軽さが釣果に直結する最大の武器となります。
  2. 大型イカも確実にキャッチできる
    春シーズンの大型アオリイカは、最後の抵抗で強烈なジェット噴射を見せます。タモの場合、ネットの中で暴れられてフックが外れる可能性もゼロではありません。しかし、ギャフであれば鋭い針がイカの分厚い胴体をがっちりと捉えるため、一度掛けてしまえば逃げられる心配はほとんどありません。この取り込みにおける絶対的な安心感は、大きな精神的メリットと言えるでしょう。
  3. 風の影響を受けにくい
    タモは網の部分が風を受けてしまい、特に横風が強い日には狙った場所に網を入れるのが困難になることがあります。一方、ギャフは先端部分が小さく細いため風の抵抗をほとんど受けず、悪条件下でも狙いを定めて的確に打ち込むことが可能です。

ギャフのデメリット

一方で、ギャフの構造上、避けられないデメリットも存在します。これらは特に、釣りの倫理観や持続可能性に関わる重要な点です。

  1. イカを傷つけてしまう(リリース不可)
    これがギャフ最大のデメリットであり、使用をためらう最も大きな理由です。鋭い針をイカの体に突き刺してランディングするため、イカに致命的な傷を与えてしまいます。そのため、釣ったイカをリリースするという選択肢は完全に失われます。水産資源の持続的な利用が重視される現代において、これは非常に重要なポイントです。例えば、水産研究・教育機構の調査にもあるように、アオリイカの資源量は産卵期の環境に大きく影響されるため、特に産卵期にあたる春シーズンに小型の個体を保護することは、将来の釣果のために重要とされています。
  2. 使い方に慣れが必要
    タモが「すくう」という比較的簡単な動作なのに対して、ギャフは揺れる水面で動くイカの胴体に的確に「打ち込む」という、ある程度の技術と経験、そして度胸が必要です。慣れないうちは焦ってしまい、手元が狂ってバラシの原因になることもあります。特に初心者にとっては、少しハードルが高いと感じるかもしれません。
  3. 汎用性が低い
    エギング用のギャフは、その針の形状から、基本的にイカやタコといった軟体動物専用です。エギング中にシーバスや青物などのゲストが掛かった場合、ギャフで取り込むのは極めて困難であり、別途タモが必要になります。
ギャフとタモのメリット・デメリット詳細比較
項目 ギャフ タモ
メリット 機動性:軽量でコンパクト
確実性:大型でも逃さない
操作性:風に強い
・比較的安価
保護:イカを傷つけずリリースが可能
安全性:初心者でも扱いやすい
汎用性:他魚種にも使える
デメリット ・イカに致命傷を与える
リリース不可
・扱いに慣れが必要
・汎用性が低い
・重くてかさばる
・風に弱い
・エギが網に絡まることがある
・比較的高価

ギャフの基本的な使い方と注意点

ギャフを安全かつ効果的に使うためには、正しい手順とコツを覚えることが重要です。一連の動作をスムーズに行えるようになれば、ランディングの成功率は格段に上がります。焦らず、落ち着いて操作することが成功への近道です。ここでは、ランディングまでの一連の流れと、特に注意すべきポイントを詳しく解説します。

1. ギャフを伸ばすタイミング

最も重要なのは、「慌ててギャフを準備しない」ことです。イカがヒットしても、すぐにギャフに手を伸ばすのは得策ではありません。まずはロッドワークとリールのドラグを適切に調整し、イкаの体力を十分に奪うことに集中しましょう。海面で何度もジェット噴射を繰り返し、抵抗を続けているうちは、まだ元気が残っている証拠です。

イカが弱り、海面で白っぽく浮くような状態になってから、落ち着いてロッドを脇に抱えるなどして安定させ、ギャフを伸ばし始めます。特に一人でランディングする場合は、一度ギャフを伸ばすと片手が完全に塞がってしまうため、このタイミングの見極めが釣果を左右すると言っても過言ではありません。

2. ギャフを掛ける場所

ギャフを打ち込む場所は、イカの頭の先端部分(胴体)を狙います。専門的には外套膜(がいとうまく)と呼ばれるこの部分は、イカの体で最も硬く、身が厚い箇所です。エンペラ(耳)と足(ゲソ)の間にあるこの胴体部分に掛けることで、身切れのリスクを最小限に抑え、確実にホールドできます。

逆に、柔らかい足(腕)やエンペラの先端部分に掛けてしまうと、引き上げる途中の重みでいとも簡単に身切れしてしまいます。最悪の場合、イカを逃がすだけでなく、急に軽くなった反動でバランスを崩したり、ロッドティップを破損したりする二次的な危険もあるため、絶対に避けなければなりません。

イカを足元まで十分に寄せたら、水面下でギャフをイカの真下に回り込ませ、胴体の中心から頭の先端へ向けて、すくい上げるように引き上げるのがコツです。これにより、ギャフの針先が上を向き、深く刺さりやすくなります。

3. ギャフの引き上げ方

イカにギャフを掛けたら、絶対にランディングシャフトを伸ばしたまま、テコの原理で持ち上げてはいけません。これはカーボン製のシャフトが破損する最も多い原因であり、非常に危険です。

必ず、ロッドを安全な場所に置いた後(可能であれば)、両手でシャフトを持ち、できるだけ地面に対して垂直な状態を保ちながら、シャフトの一番太い節から順番に畳みつつ、ゆっくりと引き上げてください。イカの重みがシャフトの細い先端部分や継ぎ目に強く掛かるのを防ぐことが、高価な道具を長く安全に使うための秘訣です。

安全に関する最重要注意点

ギャフの針は医療用のメスに匹敵するほど鋭利で、非常に危険です。使用時以外は必ず安全カバーを装着し、伸ばしたり畳んだりする際には、針先が自分や周囲の人に向かないよう細心の注意を払ってください。特に、使用後に針を収納する際は、濡れた手で滑らせて怪我をしないよう、一度手を拭くなどして慎重に操作しましょう。万が一の事故を防ぐため、安全第一を徹底してください。

後悔しないためのギャフの選び方

自分に合ったギャフを選ぶことは、釣りの快適性と安全性を大きく左右する重要なプロセスです。ここでは、購入後に「こんなはずじゃなかった…」と後悔しないために、チェックすべき4つの重要なポイントを、より具体的に解説します。

タイプで選ぶ

エギング用ギャフには、大きく分けて2つのタイプがあり、それぞれに明確な特徴があります。

  • 一体型タイプ:ギャフ(針)とシャフト(柄)がセットになっている製品です。購入してすぐに使える手軽さが最大の魅力で、振り出すとギャフが自動で開く機構など、エギングに特化した便利な機能を持つモデルが多いです。特にこだわりがなければ、まずはこちらのタイプを選ぶと間違いないでしょう。
  • 取り付けタイプ:ギャフの先端部分のみで販売されており、手持ちのタモの柄(ランディングシャフト)に取り付けて使用します。ほとんどの製品は「ウィットネジ W1/2」という共通規格で作られているため、多くのタモの柄に装着可能です。すでに高性能なシャフトを持っている方にとっては、コストを抑えられる賢い選択肢です。

長さで選ぶ

ギャフの長さは、「よく行く釣り場の足場の高さ+α」を基準に選びます。干潮時でも余裕を持って水面に届く長さが必要です。

「大は小を兼ねる」と言いますが、長すぎると重くなり、風に煽られて操作性も悪化します。見栄を張らず、自分のフィールドに最適な長さを選ぶのがポイントですよ。

  • 3m前後:干潮時の水面までが2m程度の、比較的足場の低い堤防や、水辺に降りやすい地磯がメインの方におすすめ。軽量で取り回しが良いのが特徴です。
  • 5m前後:干潮時の水面までが4m程度の、高さのある堤防や沖磯がメインの方におすすめ。多くのシチュエーションに対応できる、最も汎用性の高い長さです。
  • 6m以上:特に足場の高い釣り場や、潮位差が激しい地域で釣りをする場合に必要となりますが、その分重くなるため体力と相談が必要です。

重さで選ぶ

ギャフは基本的に片手で操作するため、できるだけ軽い製品を選ぶのがセオリーです。特に長さ5mを超えるモデルは製品によって自重に大きな差があるため、各製品のスペック表にある「自重」を必ず比較検討しましょう。一般的に、5mクラスで500gを切るモデルは軽量と言えます。

ロッドと同様に、カーボン含有率が高い製品ほど、軽量かつ高剛性(たわみが少ない)で、操作性が高くなる傾向にあります。予算が許すのであれば、高カーボンのモデルを選ぶと、ランディング時のストレスが大きく軽減され、結果的にキャッチ率の向上に繋がります。

持ち運び方で選ぶ

ランガンスタイルでは、持ち運びやすさも重要な選択基準です。製品には、肩掛けできるショルダーベルトが付属しているタイプや、バッグやベルトに装着できるカラビナ付きのタイプがあります。

特に注目したいのが、第一精工の「Mgハンガー」のように、マグネットで素早く着脱できるシステムです。これにより、キャスト時には体に固定しておき、ランディング時には瞬時に取り外すといったスムーズな動作が可能になります。

ただし、これらのアクセサリーは後付けでカスタマイズすることも可能です。まずは本体の長さや重さといった基本性能を優先して選び、後から自分のスタイルに合ったキャリーシステムを追加するのも良い方法です。

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持ち運びやすいコンパクトモデル

ポイントを次々と移動していく「ランガン」を主体とするエギンガーにとって、ランディングツールの携帯性は釣りの効率と快適性を左右する非常に重要な要素です。その点で、仕舞寸法が短いコンパクトモデルのギャフは、他の何物にも代えがたい大きなアドバンテージをもたらします。

仕舞寸法とは、シャフトを完全に縮めた状態の長さのことです。この数値が小さいほど、持ち運びが楽になります。例えば、仕舞寸法が40cm以下のモデルであれば、一般的なエギングバッグのロッドホルダーにすっきりと収まります。これにより、移動中に岩やテトラ、木の枝などにぶつけてしまうリスクを大幅に減らすことができます。特に、道なき道を進む地磯へのエントリー(いわゆる藪漕ぎ)など、両手を自由にしておきたいシチュエーションでは、その恩恵を最大限に感じられるでしょう。

また、軽量であることもコンパクトモデルの魅力の一つです。装備全体の重量を少しでも軽くしたいと考えるアングラーにとって、数百グラムの差は一日を通しての疲労度に大きく影響します。体力の消耗を抑えることは、集中力を維持し、結果として釣果を伸ばすことにも繋がります。機動力を最大限に活かし、より多くのポイントを探るためには、コンパクトなギャフが最高のパートナーとなるでしょう。

近年、技術の進歩は目覚ましく、仕舞寸法が30cm台でありながら、伸ばすと3m以上になる高性能なコンパクトギャフも登場しています。足場の低い釣り場がメインであれば、このようなモデルを選択することで、機動力と実用性を極めて高いレベルで両立させることが可能です。

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エギンガーに人気のギャフはこれ

数あるギャフの中からどれを選べば良いか迷ってしまう方のために、長年にわたり多くのエギンガーから絶大な支持を得ている定番中の定番モデルをご紹介します。人気がある製品は、それだけ多くの釣り人に認められた信頼性と実績がある証拠です。

第一精工 オートキングギャフシリーズ

エギング用ギャフの代名詞とも言えるのが、第一精工の「オートキングギャフ」シリーズです。このモデルが他の追随を許さないほどの人気を誇る理由は、その画期的かつ実践的な機能性にあります。

オートキングギャフの主な特徴

  • ワンプッシュセーフティーカバー&飛び出し機構:収納時は針先が安全なカバーに格納されており、ランディング時にリリースボタンを押して勢いよく振り出すと、遠心力でカバーが外れ、ギャフが自動で飛び出して開きます。この一連のスムーズな動作により、イカがヒットしてからランディングまでの時間を大幅に短縮でき、バラシのリスクを軽減します。
  • ソリッドシャフト:アオリイカを掛けるとシャフトの先端部分(ソリッド)が適度にしなり、針先が常にイカの体重で上を向くように設計されています。これにより、引き上げ中の針外れ(バラシ)を物理的に防ぎます。
  • 豊富なラインナップ:仕舞寸法32cmの超コンパクトモデル「CS300」から、足場の高い場所に対応する「630」(6.3m)まで、アングラーのスタイルやフィールドに合わせて選べる豊富なラインナップが揃っています。

まさに「かゆいところに手が届く」機能が満載で、初心者からベテランまで、幅広い層のエギンガーを満足させる完成度を誇ります。もし最初のギャフ選びで迷ったら、このオートキングギャフシリーズを選んでおけば間違いないと言えるほどの、信頼と実績を兼ね備えた製品です。

他にも、YAMASHITA(ヤマシタ)の「エギ王 ランディングギャフ」や、PROX(プロックス)のコストパフォーマンスに優れたモデルなども人気があります。ご自身の予算や、デザインの好み、重視するポイントに合わせて、最適な一本を探してみてください。

「エギングにギャフはいらない」派の代替案

  • ギャフの代わりになるものはある?
  • イカを傷つけないタモという選択
  • ギャフとタモの使い分けポイント
  • シーズンで最適な道具は変わる
  • 結論:エギングでギャフはいらないのか

ギャフの代わりになるものはある?

「ギャフはイカを傷つけるから使いたくない」「針が剥き出しになるのが怖い」といった理由で、ギャフ以外の選択肢を探している方もいるでしょう。ギャフの代わりになるランディングツールとして、最も一般的で確実な選択肢は「タモ(玉網・ランディングネット)」です。これ以外の方法、例えばハンドランディング(手で掴む)や、ラインを掴んで引き上げることは、大型イカに対しては極めてリスクが高く、現実的ではありません。

タモは、先端の網で魚やイカを「すくう」ための道具です。釣り具としては非常にポピュラーで、エギングだけでなく、シーバス、青物、チヌ(黒鯛)など、様々な釣りに対応できる汎用性の高さが最大の魅力です。

実は、エギングアングラーの中でも「ギャフ派」と「タモ派」は永遠のテーマで、どちらにも多くの愛用者がいます。特に、釣ったイカをリリースする可能性がある場合や、エギング以外の釣りも同じ日に楽しむスタイルの方には、タモが選ばれる傾向が強いですね。

ギャフとタモは、それぞれに明確な長所と短所があり、どちらが優れているということではありません。「ギャフはいらない」と考える方は、次の項目で解説するタモの具体的な特徴を理解し、ご自身のフィッシングスタイルに合っているかどうかを検討してみるのが良いでしょう。

イカを傷つけないタモという選択

タモを選ぶ最大の理由は、「イカを傷つけることなく、優しくランディングできる」という、ギャフにはない絶対的な利点に尽きます。これにより、アングラーはより多くの選択肢と、より質の高い釣り体験を得ることができます。

タモのメリット

  • リリースが可能:秋シーズンの小型イカや、産卵を控えた春の大型イカのメスなどを、元気に海へ帰してあげることができます。「食べる分だけキープし、他はリリースする」という、資源を大切にする持続可能な釣りが実践できるのは、タモならではの特権です。
  • 安全性が高い:ギャフのように鋭利な針がないため、自分や周囲の人を誤って傷つけてしまうリスクが低く、特に家族連れや混雑した釣り場でも安心して使用できます。
  • 汎用性が極めて高い:イカだけでなく、エギにヒットしてきたシーバスやマダイ、根魚など、あらゆる魚種に対応できます。エギング以外の釣りも楽しむ方にとっては、道具を一つにまとめられるため、非常にコストパフォーマンスの高い選択肢となります。
  • 初心者でも扱いやすい:「すくう」というシンプルで直感的な動作なので、的確に「打つ」技術が必要なギャフに比べて、初心者でも比較的簡単に扱うことができます。最初のランディングツールとして最適です。

タモのデメリット

一方で、タモにはその構造上、特に機動性に関するデメリットが存在します。

  • 重くてかさばる:大きなフレームとネットがある分、どうしても重く、収納時も太くなります。ランガンスタイルで一日中持ち歩くには、相応の体力と工夫が必要です。
  • 風の影響を受けやすい:ネット部分が風をはらんでしまい、凧のように煽られて強風時には操作が著しく難しくなります。
  • エギが網に絡まる:ランディングの際に、エギのカンナ(針)が網に絡まってしまうトラブルが頻発します。特に、時合いの最中にこのトラブルが起きると、大きなタイムロスに繋がります。これを軽減するため、網目が大きいものや、ラバーコーティングされたネットを選ぶのがおすすめです。

これらのメリットとデメリットを正しく理解し、ご自身のスタイルと天秤にかけて、ギャフと比較検討することが重要です。

ギャフとタモの使い分けポイント

ギャフとタモ、どちらか一方を選ぶのではなく、状況に応じて使い分けるのが最も理想的なスタイルと言えます。多くのベテランアングラーは両方を所有し、その日のプランによって最適な方を選択しています。ここでは、どのような基準で使い分ければ良いのか、3つの具体的なポイントに絞って解説します。

1. 釣りスタイルで使い分ける

  • ギャフがおすすめ:ランガン主体のアクティブアングラー
    地磯やテトラ帯を積極的に歩き回り、足で釣果を稼ぐ機動力重視のスタイルの方には、携帯性に優れたギャフが断然おすすめです。装備を軽量コンパクトにまとめることで、疲労を軽減し、より多くのポイントを探る集中力を維持できます。
  • タモがおすすめ:一か所でじっくり粘るスタイル
    車のすぐそばの堤防や、特定の潮のタイミングを狙って一か所で腰を据えて釣るスタイルの方には、携帯性のデメリットが少ないタモが適しています。汎用性も高く、エギングの合間に他の釣りをすることも容易です。

2. ターゲット(イカの状態)で使い分ける

  • ギャフがおすすめ:持ち帰りが前提の場合
    釣ったイカは全て美味しくいただく、と決めているのであれば、取り込みの確実性が最も高いギャフが有利です。特に3kgを超えるような自己記録級のモンスターを狙う場面では、最後のバラシを防ぐための強力な武器になります。
  • タモがおすすめ:リリースを考慮する場合
    資源保護の観点から小型イカをリリースしたい、と考えている場合は、議論の余地なくタモ一択です。イカへのダメージを最小限に抑え、未来の釣りのために海へ返すという選択が可能になります。

3. 釣り場の環境で使い分ける

風が強い日:風の影響を受けにくいギャフが圧倒的に有利です。
釣り人が多い場所:周囲への安全性を最大限考慮し、鋭利な針のないタモを使用するのがマナーです。
足場が非常に高い場所:どちらも5m以上の長さが必要ですが、風の影響や操作性の観点からギャフの方が扱いやすい場合があります。

このように、ご自身のスタイル、釣りの哲学、そしてフィールドの状況を総合的に判断して、その日最適なツールを選択することが、より豊かで安全な釣果に繋がります。

シーズンで最適な道具は変わる

エギングは、季節によって狙えるアオリイカのサイズや行動パターンが大きく異なります。そのため、シーズンに合わせてランディングツールを戦略的に使い分けることは、非常に効果的です。

春シーズン:確実性を最優先するなら「ギャフ」

春(おおむね3月~6月)は、産卵のために大型のアオリイカが浅場に接岸してくる、一年で最もエキサイティングな季節です。アオリイカは寿命が約1年であり、この時期に釣れるのは厳しい冬を乗り越えて成熟した親イカです。そのため、キロアップは当たり前、時には3kgを超えるような「レッドモンスター」と呼ばれる個体に出会えるチャンスがあります。

この時期の大型イカは身が分厚く、最後の抵抗で見せるジェット噴射のパワーも桁違いです。ランディングの確実性を最優先するならば、鋭い針でがっちりと胴体をホールドできるギャフに軍配が上がります。多くのベテランエギンガーが春にはギャフを選択するのは、生涯一度かもしれない大物との出会いを、「絶対に逃さない」という強い意志の表れなのです。

秋シーズン:資源保護を考えるなら「タモ」

秋(おおむね9月~11月)は、春に生まれた新子と呼ばれる小型〜中型のアオリイカが、好奇心旺盛にエギを追ってくる数釣りのシーズンです。手のひらサイズから500g程度までがアベレージとなり、初心者でも比較的簡単に釣果を得ることができます。

この時期は、まだ小さいイカをリリースする機会が非常に多いため、イカを傷つけずに優しく扱えるタモが圧倒的におすすめです。将来の豊かな海、未来の大型イカとの出会いのために、小型イカを保護するという考え方は非常に重要です。秋はタモを準備して釣行に臨むのが、持続可能な釣りを楽しむための賢明な判断と言えるでしょう。また、イカのサイズも小さいため、そもそもギャフを打つ必要がないケースがほとんどです。

もちろん、これはあくまで一般的なセオリーです。春でも優しくリリースを考えたい方はタモを、秋でも不意の大型に備えたい方はコンパクトなギャフを、というように、最終的にはご自身のフィッシングスタイルと価値観に合わせて選択してくださいね。

結論:エギングでギャフはいらないのか

この記事では、「エギングでギャフはいらないのか?」という疑問について、様々な角度から徹底的に解説してきました。最終的な結論として、以下のポイントを押さえてご自身のスタイルに合った判断をすることが、後悔のないランディングツール選びに繋がります。

  • ギャフは大型狙いやランガンスタイルで非常に有効な道具
  • ギャフの最大のメリットは携帯性と取り込みの確実性
  • 最大のデメリットはイカを傷つけるためリリースには不向きな点
  • ギャフ選びではタイプ、長さ、重さ、持ち運び方がポイント
  • 特に仕舞寸法が短いコンパクトモデルはランガンで有利
  • 定番で人気なのは第一精工のオートキングギャフシリーズ
  • ギャフの代替案として最も一般的なのはタモ(玉網)
  • タモはイカを傷つけずリリースが可能で初心者にも扱いやすい
  • タモのデメリットは重くてかさばり風に弱いこと
  • 持ち帰りが前提ならギャフ、リリースも考えるならタモが基本
  • 春の大型シーズンは確実性の高いギャフが有利
  • 秋の数釣りシーズンはリリースを考えタモがおすすめ
  • 釣りスタイルや釣り場の環境によっても最適な道具は変わる
  • 安全な使い方をマスターすることが最も重要
  • 最終的にはギャフとタモを状況に応じて使い分けるのが理想

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