目の前でナブラが湧き、鳥たちが騒がしく水面にダイブしている。絶好のチャンス「時合い」の到来です。しかし、焦ってタックルボックスを開いたものの、メタルジグに付けたフック同士が複雑に絡み合い、取り出すのに手間取っているうちにチャンスを逃してしまった…そんな悔しい経験はありませんか?釣り場で時合いを逃さないためには、ルアー交換の手際よさが釣果を大きく左右します。特にジギングでは、フックを付けたままジグを収納できれば、この上なく大きなアドバンテージになります。この記事では、「そもそもメタルジグとルアーの違いは何ですか?」といった基本的な疑問から、「ジグにフックを付けるには?」という実践的なテクニック、さらにはあなたのフィッシングスタイルに合ったケースおすすめ情報まで、ジグのフックを付けたまま収納するための最適な方法を、網羅的かつ徹底的に解説します。100均グッズを活用した賢いアイデアから、自宅での長期保管に役立つ便利な収納ボックスの選び方まで、あらゆる角度からあなたの悩みを解決し、次の釣行をより快適で実りあるものにするためのお手伝いをします。
この記事で分かること
- フック付きジグを効率的に収納するメリットと、知っておくべきデメリット
- ショア・オフショアなどシーン別のおすすめ収納ケースと失敗しない選び方
- コストを抑えたい人必見!100均グッズを活用した便利なオリジナル収納術
- 大切なジグを長持ちさせるための、正しい洗浄方法と自宅での整理・保管方法
ジグフックをつけ たまま収納する前の基本知識
- メタルジグとルアーの違いは何ですか?
- そもそもジグにフックを付けるには?
- フック付きで収納するメリットと注意点
メタルジグとルアーの違いは何ですか?

釣りを始めたばかりの方にとって、「メタルジグ」と「ルアー」という言葉は、同じように聞こえて違いが分かりにくいかもしれません。まず結論からお伝えすると、メタルジグは数あるルアーの中の一つのカテゴリです。ルアー(Lure)という言葉の語源は「誘惑するもの」であり、魚を釣るために使われる疑似餌全体の総称を指します。その中には、魚の形を模したもの、虫の形をしたもの、あるいは特定の形を持たないものまで、多種多様な種類が存在しているのです。
メタルジグは、その名の通り鉛やタングステン、鉄といった金属(メタル)を主原料として作られたルアーで、その重さを活かして水中を垂直に沈めて使うことを最も得意としています。例えば、プラスチック製の「ミノー」や水面で使う「トップウォータープラグ」が、リールを巻くことで表層から中層を水平に泳がせることを目的としているのに対し、メタルジグは重力を利用して素早く海底まで到達させ、そこからロッドをしゃくり上げて魚を誘うのが基本的な使い方です。これにより、他のルアーでは攻められない深場にいる魚や、縦方向の動きに反応する魚をターゲットにすることができます。
特に素材の違いは、ジグの性能に大きく影響します。安価で加工しやすい鉛が一般的ですが、より比重の大きいタングステン製のジグは、同じ重さでもシルエットを小さくできるため、喰い渋る魚に有効とされています。それぞれの特徴を下記の表で比較すると、その違いがより明確になるでしょう。
項目 | メタルジグ | 一般的なプラグ(ミノーなど) |
---|---|---|
主な素材 | 鉛、タングステン、鉄など(金属) | プラスチック(ABS樹脂)、木材など(非金属) |
構造 | 金属の塊で中身が詰まっている(ソリッドボディ) | 内部が空洞で、ウェイトやラトル(音を出す玉)が入っていることが多い |
得意なレンジ | 中層から海底(ボトム)まで、水深のあるエリア全般 | 水面(トップ)から中層(ミドルレンジ)の比較的浅いエリア |
基本的なアクション | ロッド操作による上下の動き(ジャーク、フォール) | リールを巻くことによる左右の動き(ウォブリング、ローリング) |
得意な魚種 | 青物(ブリ、ヒラマサ)、根魚、タチウオ、マグロなど | シーバス、ヒラメ、ブラックバス、トラウトなど |
このように、メタルジグは「重さを活かして縦方向に沈めて誘う」ことに特化した金属製のルアーであり、ルアーという大きなカテゴリの中の、深場や青物を狙うための強力な武器の一つだと理解すると分かりやすいでしょう。
そもそもジグにフックを付けるには?
市販のメタルジグは、コスト削減やアングラーの好みに合わせるため、フックが付属していない状態で販売されていることも少なくありません。そのため、フックの取り付けはジギングを楽しむ上での基本的なスキルとなります。安全かつ確実なセッティングが釣果に直結しますので、ここで最も一般的な「スプリットリング」を使った取り付け方法をマスターしましょう。
準備するものリスト
- メタルジグ本体
- アシストフック(またはトレブルフック)
- スプリットリング
- ソリッドリング(アシストフックに標準で付いていることがほとんどです)
- スプリットリングプライヤー(必須)
スプリットリングプライヤーはなぜ必須なのか
スプリットリングは、強度を保つために非常に硬い金属で作られた二重リングです。これを素手や一般的なペンチでこじ開けようとすると、リングが変形して本来の強度を失うだけでなく、爪を割ったり指を怪我したりする危険性が非常に高くなります。必ず先端がカギ爪状になった専用の「スプリットリングプライヤー」を用意してください。安全かつ確実に作業を行うための投資とお考えください。(参考:シマノ公式サイト「プライヤー製品情報」)
誰でもできる!フック取り付け4ステップ
ステップ1:プライヤーでスプリットリングを開く
スプリットリングプライヤーの先端にある爪を、スプリットリングの切れ目にしっかりと差し込みます。そして、ハンドルをゆっくりと握り、リングの先端を開きます。この時、力を入れすぎるとリングが広がりすぎてしまうので注意しましょう。
ステップ2:ジグのアイにリングを通す
開いた状態のスプリットリングに、メタルジグ本体のアイ(ラインを結ぶための輪の部分)を引っ掛けます。その後、キーホルダーに鍵を通すのと同じ要領で、リングをくるくると回しながら完全に通します。
ステップ3:アシストフック側のリングを通す
次に、ステップ2と同様に開いたスプリットリングに、今度はアシストフック側のソリッドリング(溶接されて切れ目のないリング)を引っ掛け、同じように回しながら通していきます。
ステップ4:プライヤーを外して最終確認
ジグとアシストフックの両方がスプリットリングに完全に通ったら、プライヤーを外して接続完了です。最後に、接続部分を軽く引っ張って抜けないか、フックがスムーズに動くかなどを必ず確認してください。この一手間が、大物を逃さないための重要なチェックになります。
最初は少し難しく感じるかもしれませんが、数回練習すれば数十秒で交換できるようになります。揺れる船の上での作業は大変なので、釣行前に自宅でいくつかフックを付けたジグを準備しておくと、現場での作業が格段に楽になり、釣りに集中できますよ。
フック付きで収納するメリットと注意点

ジグにフックを付けたまま収納するスタイルには、釣りの効率を劇的に向上させる大きなメリットがある一方で、何も対策をしないと思わぬトラブルに見舞われるリスクも存在します。メリットとデメリットの両方を正しく理解した上で、自分に合った最適な収納方法を見つけることが、快適な釣りへの第一歩です。
最大のメリット:圧倒的な「手返しの速さ」
フック付き収納がもたらす最大の恩恵は、釣り場での手返しの速さに尽きます。魚の活性が一気に高まる「時合い」は、潮の動きや太陽の角度など、様々な要因が重なった一瞬に訪れ、非常に短い時間で終わってしまうことがほとんどです。このゴールデンタイムを逃さないことが、釣果を大きく左右する鍵となります。
フックを付けた状態で収納しておけば、ルアーチェンジはリーダーに結び変えるだけで完了します。特に、刻一刻と変わる状況に合わせてジグのカラーや重さを頻繁に交換する現代のジギングにおいて、この時間短縮は計り知れないアドバンテージとなるのです。ルアー交換のたびにタックルボックスからプライヤーを取り出し、硬いスプリットリングを開閉するという一連の作業が一切不要になるため、貴重な時合いを逃すことなく、最大限に釣りに集中することが可能になります。
知っておくべき4つの注意点(デメリット)
その便利さの裏で、フック付き収納にはいくつかのデメリットや注意すべき点が存在します。これらの問題を軽視していると、タックルトラブルや大切なジグの劣化に繋がり、結果的に釣りの効率を下げてしまうことにもなりかねません。
フック付き収納の主なデメリットと対策の方向性
- フック同士の深刻な絡み:複数のジグを無造作に一つのケースに放り込むと、移動中の振動でフック同士が複雑に絡み合ってしまいます。いざ使おうとした時に解けず、時合いを逃すどころか、最悪の場合リーダーを切らなければならないことも。→対策:ジグを個別に固定・分離できるケースを選ぶ。
- ジグ本体への無数の傷:むき出しのフックの先端は非常に硬く、ジグの塗装面や、釣果を左右するホログラムを簡単に傷つけてしまいます。特にアワビ貼りなどの高価なジグが、一度の釣行でボロボロになってしまうことも。→対策:ジグ本体とフックが接触しない工夫をする。
- フックポイント(針先)の鈍化:鋭い針先はフッキングの生命線です。フックの先端がケースの壁や他のジグに繰り返し当たることで、鋭さが失われ(甘くなり)、魚の硬い口に刺さりにくくなる可能性があります。→対策:針先を保護できるスリットフォームなどを活用する。
- サビの発生と恐ろしい伝染:使用済みの濡れたジグをそのまま収納すると、塩分でフックが錆びてしまいます。さらに厄介なことに、そのサビがまだ使っていない綺麗なフックやスプリットリングにまで移ってしまう「もらいサビ」現象が発生します。→対策:使用済みと未使用のジグを分け、帰宅後に真水で洗浄・乾燥を徹底する。
これらの問題を解決するためには、ただ単に箱に入れるのではなく、ジグやフックが互いに干渉しないように工夫された専用のケースや、理にかなった収納方法を選ぶことが極めて重要になります。
ジグフックをつけたまま収納できるアイテム紹介
- フックが絡まない専用ケースおすすめ
- 大容量の収納ボックスで整理する方法
- 100均アイテムでできる代用アイデア
- 自宅での長期保管に最適な方法
フックが絡まない専用ケースおすすめ

フックを付けたままメタルジグを快適かつ安全に収納するには、やはり専用に設計されたケースを利用するのが最も確実で効率的な解決策です。各メーカーから様々な工夫が凝らされた製品が販売されており、それぞれに特徴があります。ここでは、フック付きジグの収納に適した代表的なケースのタイプと、それぞれの長所・短所を詳しく解説します。
タイプ1:スリットフォーム付きケース
ケースの内蓋や底面に、ウレタンやEVA(エチレン酢酸ビニル共重合樹脂)といったクッション性の高い素材で作られたマットが敷かれ、そこに無数のスリット(切れ込み)が入っているタイプです。このスリットにフックのベンド(曲がっている部分)やシャンク(軸)を差し込んで固定することで、ジグをケース内でしっかりと保持します。これにより、船の揺れや持ち運びの振動でジグが暴れるのを完璧に防ぎ、フック同士の絡みやジグ本体への傷を効果的に防止できます。メイホウの「スリットフォームケース」シリーズなどが代表的です。
【メリット】 ジグの固定力が非常に高く、フック絡みや塗装傷、針先の鈍化といったトラブルをほぼ完全に防ぐことができます。
【デメリット】 収納できる本数があらかじめ決まっており、スペースに融通が利きにくいです。また、フックのサイズや形状によってはスリットに収まりにくい場合もあります。
タイプ2:仕切り板で調整できるマルチケース
内部の仕切り板を自由に抜き差しして、収納スペースの大きさを自在に変更できる、最も汎用的なプラスチックケースです。ジグの長さや太さに合わせて最適な区画を作ることができるため、様々な種類のルアーを整理するのに適しています。特に、メイホウの「リバーシブル」シリーズのように、両面から収納でき、対面トライアングル構造でスペース効率を極限まで高めた製品は人気があります。
【メリット】 汎用性が非常に高く、メタルジグだけでなくプラグやエギなど、他のルアーも一緒に収納できます。コストパフォーマンスに優れた製品が多いのも魅力です。
【デメリット】 一つの区画にフック付きジグを複数入れると、結局中で動いてしまいフックが絡んだり傷が付いたりする可能性があります。基本的に1区画1ジグで使うのが理想です。
タイプ3:ロールバッグタイプ
布やネオプレーン、防水性に優れたターポリンといった柔らかい素材でできており、ジグを個別のメッシュポケットやスリーブに一本ずつ差し込んでから、全体をくるくると丸めてベルトやバックルで固定するタイプです。非常にコンパクトになるため、タックルバッグやバッカンの隙間にスマートに収納できます。
【メリット】 省スペース性に優れ、持ち運びに非常に便利です。ジグ同士が直接触れ合わないため、塗装を傷つける心配がありません。
【デメリット】 収納本数は比較的少なめです。また、釣り場で頻繁にジグを出し入れするには、一度バッグを広げる手間がかかります。
最終的なケース選びのポイント
完璧な万能ケースというものは存在しません。ご自身の釣りのスタイルを考慮して選ぶことが最も重要です。例えば、磯や堤防を歩き回るショアジギングのように機動性が求められるならコンパクトなロールバッグ、船に乗り込み多種多様なジグを持ち込むオフショアジギングなら大容量のマルチケースやスリットフォームケース、というように、シーンに応じて最適なものを使い分けるのが賢い選択と言えるでしょう。
大容量の収納ボックスで整理する方法

特にブリやヒラマサなどを狙う本格的なオフショアジギングでは、水深、潮流、ベイトの種類といった海の状況変化に即座に対応するため、重さ、形状、カラーの異なるジグを数十本単位で持ち込むことも珍しくありません。そうした大量のジグを、フックを付けたまま効率よく、かつ実践的に整理するには、大型のタックルボックスと、それに適合するインナーケースをシステムとして組み合わせる方法が非常に有効です。
このスタイルの頂点に君臨するのが、メイホウ化学工業株式会社の「バケットマウス」シリーズに代表される、座ることもできる堅牢な大型タックルボックスです。これらのボックスは、ただ大きいだけでなく、様々なオプションパーツによって自分仕様にカスタマイズできる拡張性を備えており、多くのベテランジギンガーから絶大な信頼を得ています。
そして、この大型ボックスの真価を最大限に引き出すのが、「インナーストッカー」と呼ばれる、ボックス内部にすっぽりと収まる立て掛けタイプの収納ケースです。インナーストッカーは内部に細かい仕切りがないシンプルな箱のような形状で、ここにフックを付けたジグを次々と立てて収納していきます。この方法なら、驚くほど多くのジグを、まるで本棚の本のように一覧性高く収納することが可能です。
インナーストッカーを活用する3つの大きなメリット
- 圧倒的な収納キャパシティ:ボックスのサイズとインナーストッカーの組み合わせ次第では、50本以上のジグをまとめて持ち運ぶことも可能です。
- 抜群のフィールドでの一覧性:蓋を開ければ、自分が持っているジグの全体像が一目で把握できます。使いたいジグを迷わず、サッと取り出せるため、貴重な時合いを逃しません。
- システマチックな拡張性:ボックス内に複数のインナーストッカーを並べ、「100g~150g用」「200g以上用」「タチウオ用」といったように、重さや魚種ごとに分類して管理することもできます。
船の上では、このインナーストッカーだけをバケットマウスから取り出して足元に置いておくと、ジグ交換が本当にスムーズになります。座ったまま、手を伸ばすだけで交換が完了しますからね。ジギングに特化してシステムを組むなら、間違いなくこのスタイルが最も快適で効率的だと思います。
ただし、この方法はジグ同士が隣り合って接触するため、移動中の揺れで塗装が傷付くことはある程度覚悟する必要があります。特に高価なタングステンジグや、ここぞという時に使いたいお気に入りのジグは、個別に薄い保護スリーブやカバーを付けてから収納するなどの一工夫をすると良いでしょう。また、システム全体が大きく重くなるため、車から船への持ち運びには相応の体力が必要になります。
100均アイテムでできる代用アイデア
専用のジグケースやタックルボックスシステムは確かに機能的で便利ですが、「釣りを始めたばかりで、まずは手軽に試したい」「コストを抑えつつ、自分なりに工夫して整理したい」という方も多いはずです。ご安心ください。実は、私たちの身近にある100円ショップで手に入るアイテムを少し工夫するだけで、驚くほど優秀なジグ収納ギアを作り出すことが可能なのです。
王道アイデア:ペン立て・カトラリースタンド
最も人気があり、多くの釣り人が実践しているのが、プラスチック製のペン立てやキッチン用のカトラリースタンドの活用です。これを大型タックルボックスの中に並べて入れるだけで、前述した高価な「インナーストッカー」とほぼ同じ機能性を実現できます。ジグを一本ずつ立てて収納できるため、取り出しやすく、整理も非常に簡単です。さらに、底に滑り止めシートや、梱包材として使われるEVAマットをカットして敷くことで、移動中の振動による不快な音や、ジグの先端へのダメージを効果的に軽減できます。複数のペン立てを結束バンドで連結させると、さらに安定感が増して使いやすくなります。
使用済みジグの洗浄に最適:ナイロンメッシュケース
文具コーナーで販売されているB6サイズ程度のジッパー付きメッシュケースも、ジグ収納において非常に便利なアイテムです。特に、海水で濡れた使用後のジグを一時的に保管するのに最適。メッシュ素材なので、帰港後にケースごと真水でザブザブと丸洗いし、そのままフックなどに引っ掛けて吊るしておけば、効率的に水切りと乾燥ができます。帰宅後の面倒なメンテナンス作業が、これ一つで劇的に楽になります。
コンパクト派におすすめ:カトラリー収納ポーチ(ロールタイプ)
キャンプなどのアウトドア用品コーナーに置かれている、スプーンやフォークを巻いて収納するための布製ポーチも、アイデア次第でジグのロールバッグとして完璧に流用できます。製品にもよりますが、個別のポケットが付いているモデルが多く、ジグ同士がぶつからず、塗装を傷つけることなくコンパクトに持ち運べます。ショアジギングなど、ランガンスタイルで荷物を減らしたい時に特に重宝するでしょう。
意外なリサイクル活用法:牛乳パック
飲み終わった後の牛乳パックも、侮れない収納アイテムになります。よく洗浄して乾かした牛乳パックを好きな高さにカットすれば、タックルボックス内の仕切りとして最適です。ジグの長さに合わせてジャストサイズに調整できる上、汚れたら気軽に交換できるのが大きな利点です。
このように、100円ショップは釣り人のアイデア次第で宝の山に変わります。自分のタックルボックスのサイズや、収納したいジグの量、そして釣りのスタイルに合わせて、最適なアイテムを探し出し、自分だけのオリジナル収納をクリエイトするのも釣りの大きな楽しみの一つと言えるでしょう。
自宅での長期保管に最適な方法

釣行後の丁寧なメンテナンスと、自宅での正しい保管方法は、高価なものも多い大切なジグを長持ちさせ、次回の釣りを最高の状態でスタートするために非常に重要です。特にフックを付けたままの状態で長期間保管する場合は、最大の敵である「サビ」をいかに防ぐかが最大のポイントになります。
釣具メンテナンスの基本:洗浄と乾燥の徹底
海水には塩分だけでなく、目に見えない多くの不純物が含まれています。これらが付着したままジグを放置すると、フックはもちろん、スプリットリングやジグ本体のアイ(輪)の部分も、驚くほどの速さで腐食し、錆びてしまいます。釣行から帰ったら、その日のうちに必ず真水で塩分や汚れを完全に洗い流しましょう。
- バケツなどに水を張り、その日に使用したジグをすべて入れて30分ほど浸け置きします。これにより、固着した塩分が溶け出し、落ちやすくなります。(40度以下のぬるま湯を使うとさらに効果的ですが、高温はジグのコーティングを傷める可能性があるので注意してください。)
- その後、歯ブラシなどを使い、流水で一つずつ丁寧に洗い流します。特に、アイやリングの隙間は塩が残りやすいので、念入りにブラッシングします。
- 洗浄後は、風通しの良い日陰で完全に乾燥させることが何よりも重要です。まず清潔なタオルで大まかな水気を拭き取り、その後、新聞紙などの吸水性の高い紙の上に並べて一晩以上、じっくりと自然乾燥させるのが最も確実です。
この「洗浄→完全乾燥」という一連のプロセスを面倒くさがらずに徹底することが、サビとの戦いに勝利するための絶対条件です。
サビを寄せ付けない保管環境の作り方
ジグを保管する場所は、当然ながら湿気の少ない場所を選ぶのが基本です。押し入れの奥などは避け、風通しの良い場所を選びましょう。タックルボックスに入れたまま保管する場合は、中に釣具用の防錆剤や、お菓子の袋に入っているようなシリカゲル系の乾燥剤を一緒に入れておくことを強くおすすめします。これらが空気中の湿気を吸収し、錆の発生を効果的に抑制してくれます。
保管方法としては、釣行時と同様にファイルボックスや前述のペン立てなどに立てておくのが、一覧性が高く、ジグ同士が密着しないためおすすめです。また、直射日光が当たる場所は、紫外線によって塗装の劣化や変色を招くため、絶対に避けてください。
鉄則:濡れたジグと乾いたジグは必ず隔離する
釣りをしている最中も、一度使って海水で濡れたジグは、まだ使っていない乾いたジグが入ったケースには絶対に戻さないようにしましょう。サビはあっという間に伝染します。「使用済みジグ専用」のメッシュケースなどを一つ用意し、釣行中から明確に分けて管理する習慣をつけることが、タックル全体のコンディションを良好に保つ秘訣です。

最適なジグフックをつけたまま収納を見つけよう
この記事では、メタルジグにフックを付けたまま収納するための基本的な知識から、具体的なケースの選び方、そしてメンテナンス方法に至るまで、多角的に解説してきました。完璧な一つの正解があるわけではなく、ご自身の釣りのスタイルや所有するジグの量、そして予算に合わせて最適な方法を組み合わせることが、快適なジギングライフへの近道です。最後に、この記事でご紹介した重要なポイントをリスト形式で振り返ります。
- メタルジグは「ルアー」という大きなカテゴリの中の一つのジャンルである
- フックの取り付けには怪我防止のためにも専用のスプリットリングプライヤーが必須
- フック付き収納の最大のメリットは現場での圧倒的な手返しの速さにある
- デメリットとしてフック絡み、塗装傷、針先の鈍化、サビの発生が挙げられる
- これらのデメリットはジグを個別に固定・分離できる専用ケースを使うことで対策できる
- スリットフォーム付きケースはジグを確実に固定できトラブル防止に最も効果的
- ロールバッグは非常にコンパクトになりランガンスタイルの釣りに便利
- 大量のジグは大型タックルボックスとインナーストッカーの組み合わせが最強
- インナーストッカーは使いたいジグが一目で分かる一覧性の高さが魅力
- 100均のペン立てやカトラリースタンドもインナーストッカーとして代用可能
- 100均のメッシュケースは使用済みジグの洗浄と乾燥に非常に役立つ
- コストを抑えつつ工夫を楽しみたいなら100均アイテムの活用がおすすめ
- 釣行後は必ずその日のうちに真水でジグとフックを丁寧に洗浄することが重要
- 洗浄後は風通しの良い日陰で完全に乾燥させることがサビ防止の鍵
- 自宅での保管は湿気を避け、乾燥剤や防錆剤を活用するとさらに効果的
- 濡れたジグと乾いたジグは釣行中から分けて管理する習慣をつけることが大切
- 自分のスタイルに合った収納法を見つけ、ストレスフリーな釣りを楽しみましょう