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用水路の釣りは許可が必要?ルールとマナーを徹底解説

田んぼの脇を流れる用水路は、身近な釣りスポットとして魅力的ですが、「そもそも用水路での釣りは許可が必要なの?」と疑問に思う方も多いのではないでしょうか。用水路の管理は誰がしているのか、知らぬ間に法律違反とならないか、心配になるのは当然です。また、どんな釣れる魚がいて、どのようなエサや仕掛けを用意すれば良いのか、釣った魚は取っていいのかなど、具体的な情報も知りたいところでしょう。この記事では、海釣りで許可がいらないケースや遊漁券がいらない川との違い、そして長野県の安曇野のような地域独自のルールにも触れながら、用水路での釣りに関するあらゆる疑問に答えていきます。

この記事で分かること

  • 用水路での釣りに許可が必要なケースと不要なケースが分かる
  • 漁業権や法律に関する注意点が理解できる
  • 地域ごとのルールや守るべきマナーが把握できる
  • 安全に釣りを楽しむための具体的な方法が学べる

目次

用水路での釣りに許可は必要?知るべき基本

  • 用水路の管理は誰がしているの?
  • 知っておくべき釣りに関する法律
  • 釣った魚は取っていい?確認すべきこと
  • 遊漁券がいらない川との明確な違い
  • 海釣りで許可がいらない場合との比較

用水路の管理は誰がしているの?

用水路で釣りをする前に、まず「誰がその場所を管理しているのか」を理解することが非常に重要です。用水路は、その目的や場所によって管理者が異なります。無許可での釣りはトラブルの原因となるため、必ず確認しましょう。

管理者は主に以下の3つのケースに分けられます。

用水路の主な管理者

1.自治体(市町村など)
地域のインフラとして、市や町が直接管理しているケースです。特に都市部や住宅地を流れる用水路に多く見られます。

2.土地改良区(水利組合など)
農業用水として利用されている用水路の多くは、地元の農家さんたちで組織される「土地改良区」や「水利組合」が管理しています。水の量や流れを調整しており、農業にとって非常に重要な施設です。

3.漁業協同組合(漁協)
用水路が川と繋がっており、アユやヤマメといった漁業権の対象となる魚が生息している場合、その水域を漁協が管理しています。この場合、釣りには「遊漁券」が必要になります。

管理者が誰か分からない場合は、まず地域の市役所や町村役場の農林水産課、または河川課に問い合わせるのが確実です。また、用水路の近くに設置された看板に管理者の名前が記載されていることもあります。農地で作業している方に直接尋ねるのも一つの方法ですが、仕事の邪魔にならないよう配慮することが大切です。

知っておくべき釣りに関する法律

用水路での釣りは、知らず知らずのうちに法律に違反してしまう可能性があるため、基本的な知識を持っておくことが不可欠です。特に関係が深いのは漁業法と、各都道府県が定める漁業調整規則です。

これらの法律で最も注意すべきは「密漁」とみなされる行為です。密漁とは、漁業権が設定されている魚を、許可なく(遊漁券を持たずに)採捕する行為を指します。たとえ悪意がなくても、ルールを知らなかったでは済まされません。

法律違反となる可能性のある行為

  • 漁業権が設定された水域で、遊漁券を持たずに釣りをする行為。
  • 禁漁期間(魚の産卵期など)に指定された魚種を釣る行為。
  • 体長制限(リリースサイズ)が定められている魚を持ち帰る行為。
  • 使用が禁止されている漁具(特定の網や水中銃など)を使う行為。

これらの違反行為には、懲役や高額な罰金が科される場合があります。楽しいはずの釣りが、取り返しのつかない事態にならないよう、事前の確認を徹底しましょう。

また、法律だけでなく、地域の条例で特定の行為が制限されている場合もあります。法律やルールを守ることは、自然環境や漁業資源を守ることにも繋がります。

釣った魚は取っていい?確認すべきこと

「用水路で釣った魚は持ち帰ってもいいの?」これは多くの人が抱く疑問ですが、答えは「魚の種類と場所のルールによる」となります。すべての魚を自由に持ち帰れるわけではありません。

漁業権の対象魚種かどうか

まず確認すべきは、釣った魚が漁業権の対象かどうかです。例えば、ヤマメ、イワナ、アユ、コイ、フナなどは多くの地域で漁業権の対象となっており、遊漁券を持たずに釣って持ち帰ると密漁になります。遊漁券を持っていても、持ち帰れる数に制限(尾数制限)が設けられていることもあります。

一方で、ブラックバスやブルーギル、アメリカザリガニといった外来種は、漁業権の対象外であることがほとんどです。しかし、これらの魚の扱いには別の法律が関わってきます。

特定外来生物の扱いに注意

ブラックバスやブルーギルは「特定外来生物」に指定されています。この法律では、生きたままの個体を許可なく運搬・飼育・放流することが禁止されています。つまり、釣った場所から生きたまま持ち帰ることはできません。もし持ち帰る場合は、その場で締める必要があります。

キャッチ&リリースが推奨される場合も

資源保護の観点から、特定の区間や魚種に対して「キャッチ&リリース」がルールとして定められている場所もあります。釣った魚は速やかに、そして優しく水に戻してあげましょう。魚へのダメージを最小限にするため、バーブレスフック(返しのない針)の使用が推奨されることも少なくありません。

魚を持ち帰るかどうかは、現地のルールを十分に確認した上で判断することが大切です。不明な点は、管理者に問い合わせるのが最も安全です。

遊漁券がいらない川との明確な違い

「遊漁券がいる川と、いらない川は何が違うの?」と疑問に思うかもしれません。その答えは、「漁業権が設定されているかどうか」という一点に尽きます。

漁業権とは、特定の水域で漁業を営む権利のことで、多くは地元の漁業協同組合(漁協)がその権利を持っています。漁協は、この権利に基づき、組合員以外の人が釣りなどの漁業(遊漁)を行うことを許可しています。その許可証が「遊漁承認証」、一般に言う「遊漁券」です。

つまり、遊漁券が必要な川や用水路は、漁協が管理し、魚の放流や産卵場所の整備、河川の清掃といった資源保護活動を行っている場所なのです。私たちが支払う遊漁料は、これらの活動資金となり、豊かな釣り場環境の維持に役立てられています。

遊漁券を買うことは、単に釣りをするための料金ではなく、未来も釣りが楽しめる環境を守るための「協力金」と考えると分かりやすいですね!

一方で、漁業権が設定されていない河川や水路では、原則として遊漁券は必要ありません。ただし、漁業権がなくても、都道府県の漁業調整規則によって採捕が禁止されている魚種や期間、漁具などが定められているため、何をしても良いわけではない点に注意が必要です。

海釣りで許可がいらない場合との比較

内水面(川、湖、用水路)での釣りと比較して、海釣りは許可が不要な場合が多いと感じるかもしれません。これには、法律上の「自由使用の原則」が関係しています。

海(海面)は公共の財産であり、原則として誰でも自由に利用できるとされています。そのため、防波堤や砂浜からの釣りなど、多くの場合は許可や遊漁券なしで楽しむことができます。

しかし、海ならどこでも、何でも釣って良いわけではありません。内水面とのルールの違いを理解しておきましょう。

項目 用水路・川(内水面) 海(海面)
基本原則 漁業権や漁業調整規則による管理が中心 自由使用が原則
許可の必要性 漁業権対象魚種を釣る場合、遊漁券が必須な場所が多い 基本的には不要な場所が多い
注意すべき規制 漁業権、禁漁期間、体長制限、使用漁具の制限など 共同漁業権(アワビ、サザエ、ワカメ等)、禁漁区、保護水面、遊漁船のルールなど

このように、海にも漁協が管理する共同漁業権が存在し、アワビやサザエ、イセエビなどを無断で採捕すると密漁になります。また、特定のエリアが禁漁区に指定されていることもあります。結局のところ、「海だから全て自由」というわけではなく、場所や対象によってルールが存在する点は、用水路や川と同じです。釣行前には、必ず現地のルールを確認する習慣をつけましょう。


用水路の釣りで許可を得た後の注意点

  • 田んぼの近くで釣りをする際のマナー
  • 長野県安曇野市のローカルルール
  • 用水路で狙える釣れる魚の種類
  • 初心者でも簡単な用水路の仕掛け
  • 魚種に合わせたおすすめのエサ

田んぼの近くで釣りをする際のマナー

用水路での釣りは、その多くが田んぼや畑といった農地に隣接しています。許可を得て釣りをする場合でも、地域住民や農家の方々への配慮を欠いた行動は、将来的にその場所が釣り禁止になる原因にもなりかねません。気持ちよく釣りを楽しむために、以下のマナーを必ず守りましょう。

絶対に守るべきマナー

農地に立ち入らない
田んぼや畑は私有地であり、農家の方々の大切な仕事場です。畦(あぜ)道を踏み荒らしたり、近道だからと横切ったりする行為は絶対にやめましょう。

迷惑駐車をしない
農道や作業の邪魔になる場所への駐車は厳禁です。地域の交通ルールを守り、邪魔にならない場所に駐車しましょう。

ゴミは必ず持ち帰る
釣り糸や仕掛けのパッケージ、エサの袋、空き缶などを放置するのは最も悪質なマナー違反です。「来た時よりも美しく」を心がけましょう。

水門や施設に触れない
用水路には水の流れを調整するための水門やバルブがあります。これらは農業に不可欠な施設であり、勝手に操作してはいけません。

騒音を立てない
特に早朝や夕方は、大声での会話や車のドアの開閉音などが響きやすいです。周辺住民の迷惑にならないよう、静かに行動しましょう。

農家の方と会ったら、気持ちよく挨拶をすることも大切です。コミュニケーションが、お互いの信頼関係に繋がりますよ。

長野県安曇野市のローカルルール

用水路のルールは全国一律ではなく、地域によって細かく定められています。ここでは一例として、美しい水辺が広がる長野県安曇野市周辺のルールを見てみましょう。

安曇野市を流れる多くの河川や用水路は、「犀川漁業協同組合」「奈良井川漁業協同組合」などが管轄しています。これらのエリアで釣りをする場合、対象魚種を釣るためには遊漁券の購入が必須です。

遊漁券の必要性

安曇野周辺の河川では、イワナ、ヤマメ、ニジマスなどが漁業権対象魚種に指定されています。たとえ用水路であっても、本流と繋がっていればこれらの魚が生息している可能性があり、釣る場合は必ず遊漁券が必要になります。

遊漁券は、現地の釣具店やコンビニエンスストア、漁協の公式サイトからオンラインで購入することが可能です。料金や対象魚種、有効期間(日券、年券など)は漁協によって異なるため、釣行前に必ず公式サイトで最新の情報を確認してください。

漁協によるルールの違い

同じ安曇野市内でも、川によって管轄する漁協が異なる場合があります。釣りをする場所がどの漁協の管轄なのかを事前に地図で確認し、正しい遊漁券を購入することが重要です。不明な場合は、地元の釣具店で情報を得るのが確実です。

このように、特定の地域では独自のルールが細かく設定されています。安曇野市に限らず、初めて訪れる場所で釣りをする際は、必ずその地域の漁協や自治体の情報を調べ、ルールを遵守するようにしましょう。

用水路で狙える釣れる魚の種類

用水路には、想像以上に多種多様な魚たちが生息しており、手軽な小物釣りのターゲットとして私たちを楽しませてくれます。場所や水のきれいさによって釣れる魚は異なりますが、一般的に以下のような魚を狙うことができます。

主な対象魚

フナ・コイ
用水路の定番ターゲット。流れの緩やかな場所に多く、ミミズや練り餌で狙うことができます。小型のフナ(コブナ)は数釣りが楽しめます。

タナゴの仲間
婚姻色が美しい人気の魚。ドブガイなどの二枚貝に産卵するため、貝が生息する砂泥底の場所がポイントになります。非常に小さな口をしているため、専用の仕掛けが必要です。

オイカワ・カワムツ・アブラハヤ
流れのある場所を好む魚たち。好奇心旺盛で、エサを見つけると積極的にアタックしてきます。初心者でも釣りやすい代表的な魚です。

モツゴ・タモロコ
群れで行動することが多く、一度釣れ始めると連続でヒットすることも。日本のどこにでもいる、身近な小魚です。

ハゼの仲間(ヨシノボリなど)
川底にじっとしている魚で、底を狙うと釣れてきます。独特の見た目が可愛らしい魚です。

外来魚(ブルーギル、ブラックバス)
繁殖力が強く、多くの用水路で見られます。特にブルーギルは食欲旺盛で、どんなエサにも食いついてくることが多いです。

ナマズ・ライギョ
大型の肉食魚。小魚を追って用水路に入ってくることがあります。釣るためには専用の丈夫なタックルが必要です。

このように、小さな水路にも豊かな生態系が広がっています。釣れた魚を観察ケースに入れてじっくり見てみるのも、用水路釣りの醍醐味の一つです。

初心者でも簡単な用水路の仕掛け

用水路での小物釣りは、大掛かりな道具は必要なく、シンプルな仕掛けで十分に楽しむことができます。初心者の方に最もおすすめなのが、リールのない「のべ竿」を使ったウキ釣りです。

基本のウキ釣り仕掛け

のべ竿を使った仕掛けは非常にシンプルで、トラブルが少ないのが特徴です。以下の道具があれば、すぐに釣りを始めることができます。

1. のべ竿
用水路の幅に合わせて、1.5m~3.6m程度の短いものが扱いやすいです。

2. 仕掛けセット
釣具店で「小物釣りセット」や「タナゴ仕掛けセット」として販売されています。道糸、ウキ、オモリ、ハリス、針がすべてセットになっているので非常に便利です。竿の長さに合ったものを選びましょう。

仕掛けを自作する場合は、「道糸」「玉ウキ」「ゴム管」「オモリ(板オモリやガン玉)」「ハリス止め」「ハリス」「釣り針」をそれぞれ用意します。

仕掛け選びのポイント

ウキの感度
魚のアタリ(魚がエサを食べた合図)は非常に小さいことが多いので、感度の良い小型のトウガラシウキや玉ウキを選びましょう。

針のサイズ
釣りたい魚の口の大きさに合わせることが最も重要です。タナゴなどの小型魚を狙うなら専用の「タナゴ針」、フナやオイカワなどを狙うなら「袖針(そでばり)」の2~4号あたりが適しています。

まずは市販の仕掛けセットから始めて、釣りに慣れてきたら魚種や状況に合わせて自分で仕掛けを調整していくと、もっと釣りが楽しくなりますよ!

魚種に合わせたおすすめのエサ

用水路の魚たちは食欲旺盛なことが多く、様々なエサで釣ることができます。ターゲットにする魚や、状況によってエサを使い分けるのが釣果アップのコツです。

万能な生き餌

ミミズ
小物釣りの王道ともいえるエサで、ほとんどの魚が好んで食べます。釣具店で購入できるほか、畑や庭でも捕まえることができます。針の大きさに合わせて、小さく切って使うのがポイントです。

アカムシ・サシ
こちらも非常に食いが良いエサです。特に冬場の低水温期に効果を発揮します。小さいので針に付けるのが少し難しいですが、その分釣果が期待できます。

手軽な練り餌

生き餌に抵抗がある方や、もっと手軽に釣りを楽しみたい方には「練り餌」がおすすめです。水を加えて練るだけで簡単に作れる粉末タイプや、チューブから出してすぐに使えるペーストタイプがあります。

チューブタイプの練り餌が便利!

マルキューの「ヤマベチューブハエ」などに代表されるチューブタイプの練り餌は、手を汚さずにエサ付けができ、携帯にも便利なため初心者の方に特におすすめです。アミノ酸などの集魚成分が配合されており、魚を寄せる効果も高いです。

身近なものでも代用可能

もし専用のエサがなくても、食パンや魚肉ソーセージ、うどん、ごはん粒などを小さく丸めて針に付ければ、エサとして使うことも可能です。ただし、専用エサに比べると食いは劣る場合があります。状況に応じて色々試してみるのも面白いでしょう。


安全に楽しむための用水路での釣り許可とマナー

この記事では、用水路での釣りに関する許可やルール、マナーについて詳しく解説しました。最後に、重要なポイントをリストでまとめます。

  • 用水路での釣りは管理者の許可が必要な場合がある
  • 管理者は主に自治体・土地改良区・漁協のいずれか
  • 漁業権が設定された場所では遊漁券が必須
  • 漁業法や漁業調整規則などの法律を遵守する
  • 許可なく漁業権対象魚種を釣ると密漁になる可能性がある
  • 釣った魚を持ち帰れるかは魚種と地域のルール次第
  • 特定外来生物は生きたままの移動が禁止されている
  • 農地への無断立ち入りや迷惑駐車は絶対にしない
  • ゴミは必ず持ち帰り釣り場をきれいに保つ
  • 安曇野市のように地域独自のローカルルールが存在する
  • 事前の情報収集を怠らないことがトラブル回避の鍵
  • 釣れる魚はフナやタナゴ、オイカワなど多種多様
  • 仕掛けはシンプルな「のべ竿」でのウキ釣りがおすすめ
  • エサはミミズや練り餌が効果的
  • 地域住民や農家の方への感謝と配慮の気持ちを忘れない

用水路は身近に自然と触れ合える貴重な場所です。ルールとマナーをしっかりと守り、誰からも後ろ指をさされることのない、安全で楽しい釣りを心がけましょう。

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