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天然うなぎを釣る完全ガイド!時期や場所、仕掛けのコツを解説

夏の風物詩としても知られる天然うなぎ。その格別な味わいを求めて「自分で釣ってみたい」と考える方は多いのではないでしょうか。しかし、いざ天然のうなぎを釣るとなると、最適な時期や時間帯、そして釣れる場所が川のどこなのか、そもそも、うなぎがいる川いない川の見分け方など、分からないことが多いですよね。

この記事では、そんなうなぎ釣りに関するあらゆる疑問を解決します。うなぎの生態的な特徴や、減少が続く天然うなぎの漁獲量といった基礎知識から、意外と知られていない川うなぎと海うなぎの違い、さらには釣果を大きく左右する最強の仕掛けや効果的な餌の選び方まで、プロの視点で分かりやすく解説していきます。また、うなぎという貴重な資源を守るために定められた禁止事項やルールについても詳しく触れ、誰もが安心して釣りを楽しめるような情報を提供します。この記事を読めば、うなぎ釣りの全てが分かり、次の一歩を踏み出せるはずです。

この記事で分かること

  • うなぎの生態や釣りに関するルールが分かる
  • 釣果を上げるための最適な時期と場所が分かる
  • 初心者でも釣れる具体的な仕掛けと餌が分かる
  • 釣りの一連の流れと攻略のコツが分かる
目次

天然うなぎを釣る前に知るべき基礎知識

  • 知っておきたいウナギの生態と特徴
  • 天然うなぎの漁獲量と希少価値
  • 川うなぎと海うなぎの違いとは?
  • うなぎがいる川いない川の見分け方
  • 守るべきルールと禁止事項

知っておきたいウナギの生態と特徴

うなぎ、特に日本で一般的に食されるニホンウナギは、非常にユニークで謎の多い生態を持つ魚です。その最大の特徴は、海で産卵し、川で成長するという「降河回遊(こうかかいゆう)」を行う点にあります。はるか遠く、日本から約2,000〜3,000kmも離れたマリアナ諸島沖の深海で生まれた稚魚(レプトケファルス)は、海流に乗って長い旅をし、シラスウナギとなって日本の河川にやってきます。

河川や湖沼などの淡水域で5年から10年以上かけて成長した後、成熟したうなぎは再び産卵のために海へと下っていくのです。この生態のため、河口から渓流域まで非常に幅広い範囲に生息しています。

夜行性で隠れ家を好む習性

うなぎは基本的に夜行性で、日中はテトラポッドの隙間や捨て石、護岸のエグレといった物陰に身を潜めています。そして、夜になると巣穴から出てきて、ミミズや小魚、エビ、カニといった餌を探して活発に動き回ります。この習性を理解することが、うなぎを釣る上で非常に重要です。

うなぎの豆知識

うなぎは地域によって「マムシ」や「ギン」といった別名で呼ばれることもあります。また、ぬるぬるとした体表は、外敵から身を守るだけでなく、皮膚呼吸を助ける役割も持っていると言われています。

天然うなぎの漁獲量と希少価値

ご存知の通り、現在、ニホンウナギは絶滅危惧種(EN)に指定されており、その個体数は著しく減少しています。養殖うなぎの元となるシラスウナギの漁獲量は年々不安定になっており、天然の親うなぎの数も減っているのが現状です。

この背景には、河川環境の変化(ダムや堰の建設による遡上阻害)や海洋環境の変動、乱獲など、様々な要因が複合的に絡んでいると考えられています。水産庁の報告を見ても、長期的に見て漁獲量が減少傾向にあることは明らかです。 (参照:水産庁 ウナギに関する情報

このように、天然うなぎは非常に希少な存在であり、釣りのターゲットとして狙う際には、未来の世代もこの素晴らしい魚に出会えるよう、資源保護の意識を持つことが不可欠です。

資源保護へのご協力をお願いします

うなぎは貴重な水産資源です。各地域で定められたルール(体長制限や採捕数の制限など)を必ず守り、必要以上のキープは避け、小型の個体は優しくリリースすることを心がけましょう。釣り人一人ひとりの意識が、うなぎの未来を守ることに繋がります。

川うなぎと海うなぎの違いとは?

うなぎは成長する場所によって「川うなぎ」や「海うなぎ(河口うなぎ)」などと呼ばれることがあり、その特徴にはいくつかの違いが見られます。これらは生物学的に別種というわけではなく、主に生息環境の違いによるものです。

一般的に、それぞれの特徴は以下のように言われています。

項目 川うなぎ(中〜上流域) 海うなぎ(河口〜沿岸域)
見た目・色 背中が青みがかったり、腹が黄色みがかっていることが多い 全体的に黒っぽく、金属的な光沢を持つことが多い
身質・味 身が締まり、泥臭さが少なく、風味豊かでさっぱりしている傾向 餌が豊富なため脂の乗りが良く、濃厚な味わいであることが多い
主な餌 ミミズ、水生昆虫、テナガエビ、小魚(ハヤなど) カニ、エビ、ゴカイ類、小魚(ハゼなど)

どちらが良いという訳ではなく、それぞれに個性と美味しさがあります。上流域のうなぎは風味が良く、河口域のうなぎは脂の乗りを楽しめる、といった具合ですね。釣れた場所によって、どんな味がするのか想像してみるのも楽しみの一つです。

うなぎがいる川いない川の見分け方

やみくもに竿を出しても、うなぎに出会うことは難しいです。うなぎが好む環境、つまり「いる川」には共通した条件があります。それは、「隠れ家」と「餌」が豊富にあることです。

うなぎ釣りのポイントを探す際は、以下の点をチェックしてみてください。

うなぎがいる川のチェックポイント

  • 隠れ家になる障害物があるか?
    テトラポッド、ゴロタ石、捨て石、沈んだ木、護岸のエグレなど、うなぎが日中に隠れることができる場所は一級のポイントです。
  • 流れに変化があるか?
    川のカーブの外側、流れ込み、合流点、堰の下などは地形が変化しやすく、餌が溜まりやすいため、うなぎが集まる傾向にあります。
  • 餌となる生き物は豊富か?
    テナガエビやハゼ、カニなどが多く見られる場所は、うなぎにとっても魅力的な「エサ場」と言えます。

逆に、川底までコンクリートで固められ、流れが単調な都市型河川は、隠れ家や餌が少ないため、うなぎの生息数は少なくなる傾向があります。ただし、都市河川でも橋脚周りや水門の近くなど、部分的に好条件が揃っていれば十分に狙うことが可能です。

守るべきルールと禁止事項

天然うなぎを釣る上で、最も重要なのがルールとマナーの遵守です。うなぎは多くの河川で漁業権の対象魚種となっており、無許可で釣りをすると密漁と見なされ、罰則が科される場合があります。

遊漁券の購入

漁業権が設定されている河川で釣りをする場合、その河川を管理する漁業協同組合(漁協)が発行する「遊漁券(入漁券)」の購入が義務付けられています。釣行前には、必ず目的の河川に漁業権が設定されているかを確認し、必要であれば釣具店や漁協などで事前に購入してください。

都道府県や漁協が定める規則

前述の通り、うなぎは絶滅危惧種であるため、資源保護を目的として、各都道府県の漁業調整規則や漁協の内規によって、以下のような独自のルールが定められていることがあります。

  • 採捕禁止期間(禁漁期間)
  • 体長制限(例:〇〇cm以下はリリース)
  • 使用できる漁具・漁法の制限
  • 採捕数の上限

これらの規則は地域によって大きく異なるため、釣行前には必ず、釣りをする場所の自治体や漁協の公式サイトなどで最新の情報を確認するようにしてください。例えば、「〇〇県 内水面漁業調整規則」などで検索すると、公式な情報にアクセスできます。

知らなかったでは済まされない!

ルール違反には「100万円以下の罰金」や「6ヶ月以下の懲役」といった厳しい罰則が科されることもあります。楽しい釣りが悲しい結果にならないよう、事前の情報収集を徹底しましょう。

実践!うなぎを釣るための攻略ポイント

  • ウナギ釣りに最適な時期はいつ?
  • 釣果を伸ばすゴールデンタイムの時間帯
  • 川でうなぎが釣れる場所の探し方
  • 初心者も安心の最強仕掛けを紹介
  • 釣果が変わるウナギ釣りの餌選び

ウナギ釣りに最適な時期はいつ?

うなぎ釣りのシーズンは、水温が上昇し、うなぎが活発に捕食を始める春から秋にかけてです。具体的には、地域にもよりますが4月後半から10月末頃までが狙い目となります。水温が10℃を下回ると活動が鈍くなり、冬眠状態に入るため、冬の釣りは非常に難しくなります。

春(4月~5月):シーズンの幕開け

冬眠から目覚めたうなぎが、体力を回復するために餌を探し始める時期です。まだ水温が安定しないため釣果にムラはありますが、シーズン序盤のフレッシュな個体を狙えます。

梅雨(6月~7月):最初のピーク

うなぎ釣りにおける最初の最盛期と言えるのが梅雨の時期です。雨による増水と濁りは、うなぎの警戒心を解き、活性を一気に高めます。また、好物であるミミズが川に流れ込むことも、この時期に釣れやすくなる大きな理由です。

夏(8月):夜釣りの本番

高水温でうなぎの活性は高いままですが、日中の暑さを避けた夜釣りがメインとなります。夕涼みを兼ねて、のんびりとアタリを待つのに最適な季節です。

秋(9月~10月):落ちうなぎのチャンス

産卵のために川を下る「落ちうなぎ」が狙える、もう一つのピークシーズンです。この時期のうなぎは体に栄養をたっぷりと蓄えているため、大型で脂の乗った個体が釣れる可能性が高まります。群れで行動することもあり、思わぬ爆釣に出会えるかもしれません。

釣果を伸ばすゴールデンタイムの時間帯

夜行性のうなぎを狙う上で、時間帯の選択は釣果を大きく左右する重要な要素です。最も期待できるのは、日没直後からおよそ2〜3時間、具体的には21時頃までがゴールデンタイムと言えます。

この時間帯は、うなぎが巣穴から出てきて、空腹を満たすために積極的に餌を探し回るタイミングです。潮の動きよりも、この「マヅメ時」の時合いの方が重要視されることが多いです。そのため、日没の30分ほど前には釣り場に到着し、準備を済ませておくのが理想的です。

例外:日中でも釣れる条件とは?

基本は夜釣りですが、例外もあります。前述の通り、雨の後で川に適度な濁り(笹濁り程度)が入っている状況では、うなぎの警戒心が薄れ、日中でも餌を探しに出てくることがあります。天候次第では、昼間の釣りで思わぬ釣果に恵まれる可能性もあるのです。

川でうなぎが釣れる場所の探し方

うなぎがいる川を見つけたら、次は川の中のどこに仕掛けを投入するか、具体的なポイントを選定する必要があります。狙うべきは、うなぎの「隠れ家(寝床)」と「エサ場(回遊ルート)」です。

狙い目①:障害物周り

ゴロタ石やテトラポッド、橋脚などは、うなぎが身を隠す絶好の住処です。ただし、障害物のど真ん中を狙うと根掛かりが多発します。夜になるとうなぎは隠れ家から出て周辺を回遊するため、障害物の少し沖や、流れが当たる側ではなくヨレている側を狙うのがコツです。

狙い目②:流れの変化がある場所

流れ込みや合流点、川がカーブしている場所の深み(えぐれ)などは、流れが変化して餌が溜まりやすいポイントです。このような場所はうなぎにとって効率よく餌を捕食できるレストランのようなもので、回遊ルートになっている可能性が非常に高くなります。

「釣れた場所」は覚えておく!

うなぎは群れで行動するわけではありませんが、好む環境は共通しています。そのため、一度釣れた場所は、他にもうなぎが潜んでいたり、回遊してきたりする可能性が高い一級ポイントです。アタリがあった場所を正確に記憶し、集中的に狙うことで、連続ヒットも期待できます。

初心者も安心の最強仕掛けを紹介

うなぎ釣りで最も一般的で、初心者にもおすすめなのが「ぶっこみ釣り」というスタイルです。餌を付けた仕掛けをポイントに投げ込み、アタリを待つだけのシンプルな釣り方なので、難しいテクニックは必要ありません。

タックル(竿・リール・糸)の選び方

  • 竿:長さ3m前後で、オモリ負荷が15〜20号程度の投げ竿が扱いやすいです。穂先が柔らかめの竿を選ぶと、うなぎの小さなアタリを弾きにくくなります。
  • リール:3000〜4000番程度のスピニングリールが適しています。
  • 道糸:根ズレに強く扱いやすいナイロンラインの4号〜5号を100mほど巻いておけば十分です。

基本のぶっこみ仕掛け

仕掛けは市販の「うなぎ・アナゴ仕掛け」を利用するのが最も手軽で確実です。自作する場合は、以下のパーツを組み合わせます。

パーツ 種類・サイズ 役割・ポイント
オモリ 中通しオモリ or ジェット天秤 10号〜20号 流れの速さに合わせて重さを調整します。少し流されるくらいの重さが広範囲を探れて効果的な場合もあります。
ハリス フロロカーボン 4号〜5号(長さ30〜50cm) 根ズレに強いフロロカーボンがおすすめです。太めのハリスは根掛かり時に針を伸ばして回収できるメリットもあります。
ハリ 三越うなぎ12〜14号 or 丸セイゴ12〜14号 餌の大きさに合わせて選びます。うなぎは餌を丸呑みするので、専用針は吸い込みやすい形状をしています。

仕掛けは根掛かりで失うことも多いので、予備は多めに用意しておきましょう。恐れずに障害物の際を攻めることが釣果に繋がりますよ!

釣果が変わるウナギ釣りの餌選び

うなぎ釣りの餌は、「万能餌」と、その釣り場のうなぎが普段食べているであろう「特効餌」を使い分けるのが釣果を伸ばす秘訣です。

最強の万能餌:ミミズ

淡水域のうなぎ釣りにおいて、最も定番で効果的な餌がミミズです。特に「ドバミミズ」と呼ばれる太いミミズは、その匂いと動きでうなぎを強く誘います。釣具店で「熊太郎」などの商品名で販売されているものを利用するのが手軽です。針には1匹だけでなく、2〜3匹を房掛けにすると、よりアピール力が高まります。

エリア別の特効餌

万能なミミズに加え、釣り場の環境に合わせた餌を用意すると、釣果が格段にアップすることがあります。

  • 河口・汽水域アオイソメが定番です。また、その場所に生息するカニやハゼ、アナジャコ(カメジャコ)なども非常に有効な餌となります。
  • 下〜中流域テナガエビは、うなぎの大好物です。釣り場で捕まえた新鮮なものを使えば、効果は絶大です。
  • 上流域:その川に生息するアユやハヤなどの小魚の切り身が特効餌になることがあります。
餌は複数種類用意しよう

その日の状況によって、うなぎが好む餌は変わります。竿を複数本出す場合は、それぞれに違う餌を付けてみて、最も反応が良い「当たり餌」を探すのがおすすめです。

ルールを守ってうなぎを釣る楽しみ

この記事では、天然うなぎを釣るための知識と具体的な方法を解説してきました。最後に、安全で持続可能な釣りを楽しむための要点をまとめます。

  • 天然うなぎは絶滅危惧種であり資源保護が重要
  • 多くの河川で釣りには漁業権が設定されている
  • 釣行前には必ず地域のルールや禁漁期間を確認
  • 最適なシーズンは水温が上がる春から秋
  • 特に梅雨時期と産卵で降海する秋が狙い目
  • ゴールデンタイムは日没後から21時頃まで
  • 隠れ家となる障害物と流れの変化がポイント
  • 河口から上流域まで幅広い場所に生息している
  • 基本の釣り方はシンプルなぶっこみ釣り
  • 餌はドバミミズが万能だが現地の特効餌も有効
  • 竿は複数本出して広範囲を探るのが効率的
  • アタリがあってもじっくり食わせるのがコツ
  • 釣れた場所は一級ポイントなので繰り返し狙う価値あり
  • 40cm以下の小型個体は優しくリリースを推奨
  • 未来のために釣り人一人ひとりがルールとマナーを守る

うなぎ釣りは、奥が深く、自然との駆け引きが楽しめる魅力的な釣りです。ここで紹介したポイントを参考に、ぜひ自分で釣り上げた天然うなぎの格別な味を体験してみてください。

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