美味しいタコを自分の手で釣ってみたいと思いませんか。この記事では、タコ釣りの基本的な知識を網羅的に解説します。初心者の方が気になるタコ釣りの時期や狙い目の時間帯はいつですか?という疑問から、堤防や船といった釣り場ごとのコツ、さらには釣果を左右する最強の仕掛けや効果的な餌まで、タコ釣り方を詳しく紹介します。また、PEラインは何号がよいですか?といった具体的なタックルの質問や、タコが好きな匂いは?という少しマニアックな疑問、そして安全に楽しむための注意点にも触れていきます。この記事を読めば、タコ釣りの全てが分かります。
この記事で分かること
- タコが釣れる季節や最適な時間帯
- 初心者におすすめの釣り場とそれぞれの攻略法
- 釣果を大きく左右する仕掛けと餌の選び方
- さらなる釣果アップを目指すための具体的なコツ
基本的なタコの釣り方と準備
- タコが釣れる時期と時間帯は?
- 初心者でも簡単なタコ釣りの始め方
- 手軽に楽しめる堤防でのタコ釣り
- 大物狙いにおすすめの船タコ釣り
- 釣果が変わる最強の仕掛けを紹介
- タコ釣りに効果的な餌の種類とは
タコが釣れる時期と時間帯は?

タコ釣りの釣果を伸ばすためには、タコが活発に行動する時期と時間帯を狙うことが非常に重要です。闇雲に竿を出すのではなく、効率的に釣果を上げるためのベストタイミングを知っておきましょう。
タコが最も釣れる時期
タコの活性が上がり始めるのは、海水温が上昇する5月頃から9月頃にかけてです。特に、6月から8月の夏場は、新しく生まれた小さなタコ(新子)が多く、数釣りが最も期待できるハイシーズンと言えます。
もちろん、真冬でも水温が安定している深場などでは釣れることがありますが、タコの絶対数が多く、比較的簡単に釣果に出会える初夏から夏にかけてが、初心者の方には最適な季節です。大型を狙うのであれば、新子が成長する秋口も面白い時期になります。
狙い目の時間帯
タコは基本的に夜行性のため、夜間は最も釣果が期待できるゴールデンタイムです。警戒心が薄れ、エサを求めて活発に動き回るため、日中よりも広範囲に散らばったタコを狙うことができます。
また、日が昇る直前の「朝マズメ」や、日が沈む「夕マズメ」といった薄暗い時間帯も、タコの捕食スイッチが入りやすく、絶好の狙い目となります。日中に釣る場合は、タコが岩の隙間や堤防の基礎部分などの物陰に隠れていることが多いため、ピンスポットを丁寧に探る釣りが求められます。
時間帯別 釣果期待度
夜 > 朝・夕マズメ > 日中
雨の日は要注意
タコは真水を嫌う性質を持っています。そのため、雨が降っている最中や、大雨の直後は川から真水が流れ込み、海岸近くの塩分濃度が下がるため、タコの活性が著しく低下します。特に河口付近のポイントでは、雨による影響を受けやすいため注意が必要です。
初心者でも簡単なタコ釣りの始め方

「タコ釣りって難しそう…」と感じるかもしれませんが、実はポイントさえ押さえれば初心者でも非常に手軽に始められる釣りです。高価な道具を揃える必要はなく、まずは身近な釣り場で挑戦してみましょう。
タコ釣りは、難しいテクニックよりも「タコがどこにいるか」を考えるのが一番の近道です。まずは気軽に始めて、タコのアタリを感じてみてください!
初心者がタコ釣りを始めるためのステップは、主に以下の3つです。
- 釣り場を選ぶ:まずは足場が良く安全な堤防がおすすめです。
- 道具を準備する:専用タックルが理想ですが、硬めのルアーロッドでも代用できます。
- 仕掛けを選ぶ:根掛かりしにくい「タコエギ」から試してみるのが良いでしょう。
タコは好奇心旺盛な生き物で、目の前に仕掛けを通せば比較的簡単に抱きついてきます。最初は根掛かりに苦労するかもしれませんが、それもタコが隠れていそうな場所を探せている証拠です。臆することなく、様々な場所を探ってみてください。
手軽に楽しめる堤防でのタコ釣り

身近な釣り場である堤防は、タコ釣りの一級ポイントです。タコはエサとなるカニや貝類が豊富な障害物周りを好むため、人工的な構造物である堤防は絶好の住処となります。
堤防の狙い目ポイント
堤防と一言で言っても、タコが潜んでいる可能性が高い場所は決まっています。以下のポイントを重点的に探ることで、釣果は格段にアップします。
- 壁際:堤防の足元は基本中の基本です。壁には貝などが付着しており、タコのエサ場となっています。仕掛けを真下に落とし、壁に沿ってゆっくり上下させるだけで釣れることも少なくありません。
- 堤防の継ぎ目やスリット:コンクリートブロックの継ぎ目や排水用のスリットは、タコにとって最高の隠れ家です。このような隙間を見つけたら、集中的に探ってみましょう。
- 敷石・基礎部分:堤防の基礎には、崩れ防止のために石(敷石)が積まれていることが多くあります。岸から数メートル沖の海底にあるこの石周りも、タコが潜む絶好のポイントです。
- 沖の沈み根:目には見えませんが、少し沖に岩や捨て石が沈んでいる場所は「沈み根」と呼ばれ、タコのマンションになっています。仕掛けをズル引きしてきて「ゴツゴツ」と何かに当たる感触があれば、チャンス到来です。
石畳や敷石が多いポイントは、タコがいる可能性が高い反面、根掛かりが多発するというデメリットもあります。仕掛けを失くしやすいので、予備は多めに準備しておきましょう。
大物狙いにおすすめの船タコ釣り

数釣りだけでなく、キロアップの大型マダコを狙いたいのであれば、船釣りが断然おすすめです。船長が実績のあるポイントへ直接連れて行ってくれるため、自分でポイントを探す手間が省け、釣りに集中できるのが最大のメリットです。
堤防からでは届かない沖の深場や、潮通しの良い漁礁周りなど、大型のタコが潜むポイントを効率良く攻めることができます。タックルは堤防用よりもさらにパワーのある専用ロッドと、力強く巻き上げられるベイトリールが主流となります。
船釣りのルールを確認しよう
乗合船でタコ釣りをする場合、船宿ごとにオモリの号数や使用できるエギの数、針の形状などに独自のルールが定められていることがあります。予約の際に必ずレギュレーションを確認し、ルールを守って楽しむことが大切です。特に、兵庫県の明石沖など人気エリアでは、資源保護のために細かいルールが設けられています。
基本的な釣り方は、仕掛けを真下に落として底をとり、オモリで海底をトントンと小突くようにして誘います。タコが乗った時のズシっとした重みは、一度味わうと病みつきになること間違いありません。
釣果が変わる最強の仕掛けを紹介
タコ釣りの仕掛けは、釣り場の状況や狙い方によって使い分けることが釣果アップの鍵です。ここでは、代表的な3つの仕掛けの特徴を解説します。それぞれのメリット・デメリットを理解し、自分に合った「最強の仕掛け」を見つけてください。
仕掛けの種類 | 主な釣り方 | メリット | デメリット |
---|---|---|---|
タコエギ | キャストして広範囲を探る | 手軽でアタリが多い、根掛かりしにくい | アピール力がエサに劣ることがある |
テンヤ | キャストまたは足元を探る | エサを使うためアピール力が高く、大型が狙える | エサの準備が必要、小さなアタリが分かりにくい |
タコジグ | 堤防の壁際を垂直に探る | 足元に特化している、根掛かりに強い | 広範囲を探れない、アピール力は控えめ |
タコエギ(オクトパッシング)
近年、タコ釣りの主流となっているのが、タコ専用のエギを使った釣り方です。ルアーフィッシング感覚で楽しめ、遠投して沖のポイントを探ったり、足元を丁寧に探ったりと、オールラウンドに使えます。ボディに浮力を持たせて根掛かりを回避する工夫がされた製品が多く、初心者でも扱いやすいのが特徴です。

テンヤ
板状のオモリに大きな針が付いた伝統的な仕掛けで、これにエサを巻き付けて使用します。生エサの匂いと味でタコに強力にアピールできるため、特に大型狙いやタコの活性が低い時に絶大な効果を発揮します。タコエギに比べて仕掛け全体が大きいため、小型のタコが掛かりにくいという側面もあります。
タコジグ
タコを模した疑似餌で、主に堤防の壁際を探るのに特化した仕掛けです。キャストはせず、足元にゆっくりと落とし込んでタコを誘います。非常にシンプルな釣り方ですが、堤防の壁に張り付いているタコには効果的です。歩きながら広範囲の壁際を手早く探っていく「ランガンスタイル」に適しています。
タコ釣りに効果的な餌の種類とは

前述の通り、テンヤ仕掛けを使用する場合、タコを誘き寄せるための「餌」が必要になります。タコは非常に貪欲で、様々なものを捕食しますが、特に効果的とされる代表的な餌を紹介します。
最もポピュラーで実績が高いのは、アジやイワシ、サバといった魚の切り身です。特に、光り物と呼ばれる魚は、その輝きと匂いでタコに強くアピールします。
代表的なタコ釣りの餌
- アジ・イワシ:スーパーで手軽に入手でき、実績も十分です。
- カニ:タコの主食の一つで、特に活きガニは効果絶大です。釣具店で販売されていることもあります。
- 鶏の手羽先:意外に思われるかもしれませんが、独特の匂いでタコを寄せます。
- 豚の脂身(背脂):白い色が水中で目立ち、強い匂いを発するため、アピール力は抜群です。ラードをテンヤに塗りつける方法もあります。
これらの餌を、ワイヤーやタコ糸でテンヤの台座にしっかりと固定して使用します。生餌の集魚効果は非常に高いため、タコエギで反応がない時に試してみると、状況を打開できることがあります。
釣果を伸ばす応用的なタコの釣り方
- 釣果を倍増させるコツは?
- PEラインは何号がよいですか?
- タコが好きな匂いは?
- 安全に楽しむための注意点
- 最後に確認するタコ 釣り 方の要点
釣果を倍増させるコツは?

タコ釣りの基本をマスターしたら、次は釣果をさらに伸ばすための応用テクニックに挑戦してみましょう。少しの工夫で、周りの釣り人と差をつけることができます。
常に「底」を意識する
最も重要なコツは、何があっても仕掛けを底から離さないことです。タコは基本的に海底を這って移動し、獲物を探しています。仕掛けが中層を漂っていては、タコに出会う確率は激減してしまいます。キャストした後は必ず完全に着底させ、ズル引きやシェイクといった誘いの最中も、オモリが底を感じられる状態をキープすることが絶対条件です。
誘いのアクションに変化をつける
ただ単に仕掛けをズル引きするだけでなく、アクションに変化を加えることが有効です。例えば、竿先を小刻みに揺らして仕掛けを躍らせる「シェイク」や、ズル引きの途中で数秒間動きを止める「ステイ(止め)」を織り交ぜてみましょう。この「動」と「静」の組み合わせが、タコの好奇心を刺激し、抱きつく「間」を与えるきっかけになります。
アワセは大きく、力強く
タコのアタリは「グーッ」とか「ヌーッ」といった、重みが乗るような独特の感触です。根掛かりと勘違いしやすいですが、少しでも違和感を感じたら、糸フケを素早く巻き取り、竿を大きくあおって力強くアワセ(フッキング)を入れましょう。中途半端なアワセでは、硬いタコの体に針が貫通せず、巻き上げの途中でバレてしまいます。海底や壁に張り付かれる前に、一気に引き剥がすイメージが重要です。
タコのアタリは本当に独特で、「海藻でも引っかかったかな?」と思うことが多いです。迷ったらアワセる!くらいの気持ちで丁度良いかもしれません。
PEラインは何号がよいですか?

タコ釣りでは、海底に張り付いたタコを強引に引き剥がすパワーが必要なため、他の釣りと比べて太いラインを使用するのが一般的です。使用するタックルや釣り場の状況によって最適な号数は異なりますが、ここでは一般的な目安を紹介します。
釣り方別PEラインの号数目安
- 堤防からのタコエギ(スピニングタックル):1号〜2号。投げやすさを重視しつつ、強度も確保できるバランスの取れた太さです。初心者の方はこちらから始めるのがおすすめです。
- 堤防からのテンヤ(ベイトタックル):2号〜3号。重いテンヤをキャストし、大型のタコとやり取りすることを想定した太さです。
- 堤防際のタコジグ:3号〜5号。根掛かりした仕掛けを回収したり、壁に張り付かれたタコを引き剥がしたりするため、極端に太いラインが使われます。
- 船タコ釣り:2号〜3号。船宿の指定がある場合が多いですが、水深のあるポイントや大型狙いを考慮して、このあたりの太さが標準となります。
リーダーについては、根ズレ対策としてフロロカーボンの8号〜12号を30cm〜1mほど接続するのが一般的ですが、PEラインを直接仕掛けに結ぶ「直結」でも問題ありません。太いラインを使うため、ライントラブルが少なくパワーファイトがしやすいベイトタックルが好まれますが、投げやすさを重視するならスピニングタックルも有効な選択肢です。

タコが好きな匂いは?
タコは非常に嗅覚が発達していると言われており、「匂い」はタコを寄せるための重要な要素です。特に、エサを使わないタコエギの釣りでは、匂いをプラスすることで釣果が大きく変わることがあります。
市販されているアイテムで最も手軽なのが、魚介系のエキスを凝縮した集魚スプレーやスタンプです。マルキユーから発売されている「ノリノリタコライダー」などは実績が高く、タコエギに吹き付けたりスタンプしたりするだけで、タコがエギを抱く時間が長くなると言われています。
近年注目を集めているのが、カニやエビを模したワームをタコエギに装着するチューニングです。匂いや味が付いた製品も多く、視覚的なアピール(ボリュームアップ)と嗅覚へのアピールの両方を高めることができます。
前述の通り、テンヤ釣りで使用する豚の脂身や魚のアラなども、強い匂いでタコを誘き寄せます。活性が低い時や、周りが釣れていない時にこそ、匂いの力を試してみる価値は十分にあります。
安全に楽しむための注意点

手軽に楽しめるタコ釣りですが、安全やルールに関して注意すべき点がいくつかあります。気持ちよく釣りを楽しむために、以下の点を必ず守ってください。
漁業権について
タコは、多くの地域で「漁業権」の対象魚種に設定されています。これは、漁業協同組合に所属する漁師さんだけが、その海域でタコを獲ることを許可されているという意味です。一般の釣り人がタコを釣ることが禁止されている、あるいは特定の期間やサイズに制限が設けられている場合があります。
釣りをする前に、必ずその地域のルールを各都道府県の水産庁や漁業協同組合のウェブサイトで確認してください。「知らなかった」では済まされない密漁行為とみなされる可能性があります。
釣ったタコの管理
タコは非常に力が強く、吸盤を使ってどんな場所でも這い上がってきます。そのため、普通のバケツに入れておくと、あっという間に脱走してしまいます。釣ったタコを活かしておく場合は、ジッパー付きの洗濯ネットや、タコ専用のメッシュ袋(スカリ)に入れるのが確実です。
タコを締める際の注意
持ち帰る際は、締めてからクーラーボックスに入れるのが鮮度を保つコツです。締め方は、目と目の間にある神経をナイフやハサミで切るのが一般的です。締まると体の色が白く変化します。
ここで注意したいのが、タコの口です。タコは鳥のクチバシのような硬い口(カラストンビ)を持っており、これで噛まれると大怪我につながる恐れがあります。不用意に口の周りに指を近づけないように、十分注意して扱ってください。
最後に確認するタコの釣り方の要点

この記事で解説した、タコ釣りを成功させるための重要なポイントを最後にまとめます。これらの要点を押さえて、美味しいマダコを釣り上げましょう。
-
- タコ釣りのハイシーズンは夏場の6月から8月
- 狙い目の時間帯は夜間で、朝夕のマズメ時もチャンス
- 雨の直後はタコの活性が下がるため避けた方が無難
- 初心者は足場の良い堤防から始めるのがおすすめ
- 堤防では壁際や障害物周りを丁寧に探る
- 大物狙いならポイント直行の船釣りが有利
- 仕掛けは手軽なタコエギから試してみよう
- 大型狙いや低活性時には餌を使うテンヤが効果的
- 最も重要なコツは仕掛けを常に海底に付けておくこと
- 誘いはシェイクとステイを組み合わせて変化をつける
- アタリがあったら大きく力強くアワセを入れる
- PEラインは釣り方に応じて1号から5号を使い分ける
- 匂い付きの集魚剤やワームが釣果アップに繋がる
- 釣行前には必ず現地の漁業権に関するルールを確認する
- 釣ったタコはネットに入れるなど脱走対策を万全にする