初心者必見!サビと固着を防ぎ寿命が延びる釣竿の洗い方を徹底解説

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釣行後、使った道具の手入れはどうしていますか?そもそも釣竿は洗うべきなのか、釣行後は水洗いしたほうがいいのか、疑問に思う方もいるかもしれません。特に海釣りでは、塩分を放置するとサビや固着の原因になりかねません。正しい釣竿の洗い方を知ることは、大切な道具を長持ちさせる第一歩です。この記事では、基本的な手入れを釣行後すぐに行う重要性から、振り出し竿やカーボンロッドの手入れといった種類別のポイント、さらにはリールの洗い方まで網羅的に解説します。また、どんな洗剤を使えば良いのか、仕上げに役立つメンテナンススプレーや手入れに便利なシリコンスプレーの活用法まで、あなたの疑問に全てお答えします。

この記事で分かること

  • 釣行後にすべき基本的な手入れの順番
  • 竿の種類や素材に応じた正しい洗い方
  • リールやその他の道具のメンテナンス方法
  • 道具を長持ちさせる仕上げのコツと注意点

目次

基本的な釣竿の洗い方と手入れの重要性

  • そもそも釣竿は洗うべき?放置のリスク
  • 釣行後は水洗いしたほうがいい理由
  • 手入れの基本は釣行後すぐに行うこと
  • どんな洗剤が使える?選び方のポイント
  • 意外と知らないリールの洗い方の注意点

そもそも釣竿は洗うべき?放置のリスク

結論から言うと、釣竿は釣行後に必ず洗うべきです。「淡水だから大丈夫」「少ししか使っていないから」といった油断が、愛用の道具の寿命を著しく縮める原因となります。特に海釣りで使用した後は、目に見えない微細な塩分が霧のように付着しており、これが深刻なダメージの引き金になります。

最も分かりやすく、そして深刻なリスクは、金属パーツのサビ(腐食)です。ガイドフレームやリールシートの金属部分は、ステンレスやチタンなど錆びにくい素材が使われていますが、これらも塩分が付着したまま放置されると「孔食(こうしょく)」と呼ばれる点状のサビが発生することがあります。一度サビが発生すると、ラインが触れることで傷が入り、大物とのやり取りの最中に突然切れる「ラインブレイク」という最悪の事態を招きます。

また、振り出し竿の場合は、節の継ぎ目に塩分や砂などの異物が入り込み、抜けなくなる「固着」という現象が頻繁に起こります。無理に力を込めて縮めようとすると、ブランクス(竿本体)が割れたり、折れたりする原因となり、高額な修理費用が必要になるケースも少なくありません。

釣竿を洗わずに放置する主なリスク

  • ガイドのサビ:ラインを傷付け、強度を低下させる。最悪の場合、ファイト中にラインが切れる。
  • リールシートの固着:塩ガミによりリールが着脱不能になる。
  • 振り出し竿の固着:節が伸縮しなくなり、無理な力を加えると破損する。
  • 塗装の劣化:塩分や紫外線により塗装が浮き、剥がれやブランクスの露出につながる。
  • ブランクス本体の強度低下:微細な傷や塗装の劣化から水分が浸透し、素材自体の性能が落ちる。

このように、釣行後の洗浄を怠ることは、釣具にとって「百害あって一利なし」です。大切な釣竿と長く付き合うためにも、洗浄は釣りの一部として習慣化しましょう。

釣行後は水洗いしたほうがいい理由

釣竿の洗浄は、釣行後できるだけ速やかに行うのが理想です。「疲れているから明日にしよう」と考えてしまいがちですが、このわずかな時間の差が、後の手入れの手間や釣竿へのダメージを大きく左右します。

その最大の理由は、付着した塩分や汚れが時間経過とともに化学的・物理的に変化し、落としにくくなるためです。海水が乾燥する過程で、水分だけが蒸発し、後に残った塩分は硬く鋭い微細な結晶となります。この状態になると、単に水で流すだけでは落ちにくく、スポンジなどで擦る必要が出てきます。この結晶が研磨剤のように働き、ブランクスの表面に無数の細かい傷を付けてしまうのです。

これは淡水の釣りでも同様です。泥や砂、水中の藻などが付着したまま乾燥すると、粘土のように固着してしまいます。特にグリップのEVAやコルク素材の凹凸に入り込んだ汚れは、乾燥すると取り除くのが非常に困難になります。

帰宅が遅くなる場合の応急処置

もし遠征や夜釣りなどで帰宅までに時間がかかる場合、あるいはすぐに洗えない事情がある場合は、現地での応急処置が非常に有効です。車に真水を入れたペットボトルやスプレーボトル、そしてマイクロファイバータオルを常備しておきましょう。釣りが終わった際に、タオルに水を含ませて竿全体を丁寧に拭き、塩分や大まかな汚れを取り除いておくだけで、塩の結晶化や汚れの固着を大幅に防げます。この一手間が、帰宅後の本格的な洗浄を格段に楽にし、釣竿へのダメージを最小限に抑えます。

このように、汚れが竿の上で「変化」してしまう前に洗い流すことが、効率的かつ竿に優しいメンテナンスの絶対的な秘訣です。

手入れの基本は釣行後すぐに行うこと

釣竿のメンテナンスに、特別な技術や高価な道具は必要ありません。基本となるのは「洗う → 拭く → 乾かす」という、誰でも実践できる3つのステップです。この一連の流れを丁寧に行うことで、釣竿を常に最高のコンディションに保つことができます。

それぞれのステップについて、より詳しく見ていきましょう。

1. 洗う:優しく、しかし確実に

まず、お風呂場や庭の水道を使い、35℃前後のぬるま湯で洗浄します。冷水よりもぬるま湯の方が、塩分や魚の脂を効率良く溶かして落とすことができます。シャワーヘッドを使い、強い水圧ではなく、優しい流水で竿全体を洗い流すのがポイントです。リールシートの隙間やガイドの根元は特に汚れが溜まりやすいので、使い古しの柔らかい歯ブラシなどで優しくブラッシングすると効果的です。

2. 拭く:水分を残さない意識で

洗浄が終わったら、マイクロファイバータオルなどの柔らかく吸水性の高い布で、全体の水分を丁寧に拭き取ります。この時、ブランクスを傷付けないようにゴシゴシ擦るのではなく、優しく押さえるようにして水分を吸い取ります。特にガイドフレームとリングの隙間、ガイドの付け根のラッピング部分(スレッド)は水分が残りやすい箇所です。ここに水分が残るとサビの原因となるため、タオルの角などを使って念入りに拭き上げましょう。

3. 乾かす:時間をかけて完全に

拭き上げが終わっても、まだ内部には微量の水分が残っています。最後の仕上げに、直射日光の当たらない、風通しの良い場所で陰干しします。紫外線は塗装やエポキシ樹脂を劣化させる大敵なので、必ず日陰を選んでください。竿を壁に立てかけ、完全に乾くまで半日~1日ほどじっくり時間をかけましょう。急いでいるからといってドライヤーの熱風を当てるのは、素材を傷める原因になるため厳禁です。

釣竿メンテナンスの基本3ステップ(詳細版)

  1. 洗う:35℃程度のぬるま湯を使い、シャワーなどの弱い流水で全体を洗い流す。ガイド周りは歯ブラシで優しく。
  2. 拭く:マイクロファイバータオルで、擦らずに押さえるように水分を吸い取る。ガイドの隙間まで念入りに。
  3. 乾かす:直射日光を避け、風通しの良い日陰で半日以上かけて完全に乾燥させる。

この基本的な流れを釣行後のルーティンとして確立することが、高価な釣竿の性能を維持し、長く愛用するための最も確実な方法です。

どんな洗剤が使える?選び方のポイント

前述の通り、基本的には水かぬるま湯での洗浄でほとんどの汚れは落ちます。しかし、コマセの悪臭や魚の油、グリップに染み付いた手の皮脂など、水だけでは落ちにくい頑固な汚れが付着している場合は、洗剤の力を借りましょう。ただし、洗剤の選択を誤ると、塗装を曇らせたり、金属パーツのコーティングを剥がしたりと、取り返しのつかないダメージを与える可能性があります。

釣竿の洗浄に安心して使えるのは、液性が「中性」に分類される台所用洗剤です。多くの大手メーカーから販売されている食器用洗剤がこれに該当します。中性洗剤は素材への攻撃性が低いため、釣竿の洗浄に適しています。使用する際は、原液を直接かけるのではなく、ぬるま湯で数滴薄め、スポンジの柔らかい面によく泡立ててから優しく洗ってください。洗浄後は、泡が完全になくなるまで、流水で念入りにすすぐことが重要です。洗剤成分が残っていると、それが新たな劣化の原因となります。

絶対に使用してはいけない洗浄剤・薬品

釣竿の洗浄には、アルカリ性や酸性の強力な洗剤(カビ取り剤、トイレ用洗剤など)、クレンザーなどの研磨剤、そしてシンナー、ベンジン、アセトンといった有機溶剤は絶対に使用しないでください。これらは塗装を瞬時に溶かしたり、カーボン素材を結合している樹脂を脆くしたりする危険性が非常に高いです。美しい釣竿がまだら模様になったり、強度が著しく低下する原因となります。

洗剤の選び方について、より分かりやすく下の表にまとめました。

分類 具体例 使用可否 備考
使える洗剤 台所用の中性洗剤 花王の「キュキュット」やライオンの「CHARMY Magica」などが代表的。油汚れに効果的で、素材への攻撃性が低い。
カーシャンプー(中性・ノーコンパウンド) 車の塗装を傷めないように作られているため、釣竿にも比較的安全に使える。
使えない洗剤 アルカリ性・酸性洗剤 × 塗装の変色や金属パーツの腐食を早める可能性がある。
クレンザー(研磨剤入り) × ブランクスやガイドに無数の細かい傷を付け、光沢を失わせる。
有機溶剤(シンナー、ベンジン等) × 塗装を完全に溶かし、素材自体を著しく劣化させる危険があるため厳禁。

洗剤はあくまで最終手段です。普段は丁寧な水洗いを心がけ、汚れが蓄積しないようにすることが最も竿に優しい手入れと言えるでしょう。(参照:花王株式会社 製品Q&A)

意外と知らないリールの洗い方の注意点

釣竿と一緒にリールも洗浄するのが一般的ですが、リールは数百ものパーツからなる極めて精密な機械です。そのため、釣竿と同じ感覚でジャブジャブ洗ってしまうと、一発で故障する可能性があります。正しい知識を持って、慎重に手入れを行う必要があります。

最も重要な原則は、「内部に水を入れない」「潤滑油を流さない」の2点に尽きます。近年のリールは防水性能が向上していますが、それはあくまで通常使用の範囲での話です。誤った洗浄方法は、いかなる防水機能も無力化してしまいます。

スピニングリールの洗い方

スピニングリールは構造が複雑なため、特に注意が必要です。大手釣具メーカーのシマノが推奨するメンテナンス方法を参考に、手順を確認しましょう。

  1. ドラグを完全に締める:スプール内部にあるドラグワッシャーへの水の侵入は、性能低下の大きな原因です。洗浄前にドラグノブを時計回りに回し、完全に締まっていることを確認します。
  2. 常温の流水をかける:弱い水流の水道水(必ず常温)を、ドラグノブ側(上)から全体にかけ流します。この時、ハンドルを回すと内部に水が浸入しやすくなるため、ハンドルは固定したまま洗うのが鉄則です。ラインローラーやスプールエッジに付着した塩分を重点的に洗い流します。
  3. 拭き上げと乾燥:乾いた柔らかいタオルで全体の水分を丁寧に拭き取ります。その後、ハンドルを20~30回ほど素早く回し、遠心力で内部に残った水を飛ばします。最後に、風通しの良い場所でしっかり陰干しします。

ベイトリールの洗い方

ベイトリールも基本的な注意点は同じです。ドラグを締め、常温の流水で洗います。スピニングリールと異なり、ハンドルを回しながら全体を洗浄できるモデルが多いですが、レベルワインド周辺やスプールの隙間に水が溜まりやすいので、念入りに乾燥させることが重要です。

リール洗浄の絶対NG事項

  • お湯の使用:内部のグリスやオイルは熱に弱く、溶けて流れ出してしまいます。
  • 洗剤の使用:強力な脱脂作用により、必要な潤滑油まで完全に洗い流してしまいます。
  • 水に浸け置きする:たとえ短時間でも、内部まで完全に浸水し、ベアリングのサビや電子部品(デジタルカウンター搭載機など)の故障を引き起こします。
  • 高圧洗浄機の使用:強力な水圧は、あらゆる防水パッキンを突破し、内部機構を破壊する可能性があります。

リールの洗浄は「洗いすぎない」ことが肝心です。表面の塩分と汚れを優しく落とす、という意識で手入れを行いましょう。


種類別で変わる釣竿の洗い方と仕上げ

  • カーボンロッドの手入れで気をつける事
  • 振り出し竿ならではのメンテナンス方法
  • 仕上げに使うメンテナンススプレーとは
  • 手入れにはシリコンスプレーも効果的
  • 長持ちさせる正しい釣竿の洗い方まとめ

カーボンロッドの手入れで気をつける事

現在の釣竿の主流であるカーボンロッドは、「カーボン繊維」をエポキシ樹脂などの接着剤で固めて作られています。この構造により、軽くて張りが強く、魚の微細なアタリを伝える「高感度」という大きなメリットが生まれます。しかしその一方で、特定の方向からの力、特に「衝撃」に対して非常に弱いという弱点も併せ持っています。

カーボン素材は、表面に付いたごく小さな傷、例えば硬い地面に置いた時についた擦り傷などから、キャストやファイトで大きな負荷がかかった際に、そこを起点に突然「ポキッ」と折れてしまうことがあります。そのため、手入れの際にはこの「衝撃への弱さ」を常に念頭に置く必要があります。

洗浄時に硬いタワシや研磨剤入りのスポンジで擦るのは論外です。必ず柔らかいスポンジや布を使い、汚れを優しく拭うように洗いましょう。また、乾燥させる際も細心の注意が求められます。壁に立てかけている時に、何かの拍子に倒してしまう「ガチャン」という一回の衝撃が、致命的なダメージになることも少なくありません。安定した場所に置くか、可能であれば専用のロッドスタンドを使用して保管するのが最も安全です。

継ぎ目(コミ)部分の清掃と保護

2ピースロッドなどの継ぎ目(コミ)は、釣竿の性能を左右する重要な部分です。ここには釣行中に砂や塩の結晶が溜まりやすく、放置すると摩耗や固着の原因になります。清掃には、割り箸の先にティッシュやガーゼを巻き付け、薬局で手に入る無水エタノールを少量含ませて拭き取るのが効果的です。エタノールは油分や汚れをよく落とし、すぐに揮発するためカーボン素材を傷めません。清掃後、継ぎ目の摩耗を防ぐために「フェルールワックス」という専用のワックスを薄く塗っておくと、スムーズな着脱を維持でき、寿命を延ばすことができます。

このように、カーボンロッドはガラス製品を扱うような「優しく丁寧な扱い」を心がけることが、その性能を最大限に引き出し、長く付き合うための秘訣と言えます。

振り出し竿ならではのメンテナンス方法

一本の竿が数本のセクションに分かれており、望遠鏡のように伸縮する振り出し竿(テレスコピックロッド)。そのコンパクトな収納性は大きな魅力ですが、構造が複雑な分、内部に水や汚れが溜まりやすく、専用のメンテナンスが不可欠です。表面をさっと洗うだけでは、内部のトラブルを防ぐことはできません。

手入れを怠ると、内部に侵入した水分で塗装が内側から浮いてきたり、塩分が固着して竿が伸縮しなくなったりと、様々な不具合が発生します。最悪の場合、固着した竿を無理に収納しようとして破損させてしまうこともあります。

振り出し竿の分解・洗浄・乾燥手順

  1. 下栓(エンドキャップ)を外す:まず、竿の一番太い部分の末端にあるキャップ(下栓)を反時計回りに回して外します。これを忘れると、内部の洗浄も乾燥もできません。
  2. 節(セクション)を慎重に抜く:竿を逆さにし、穂先側から順番に、節を一本ずつ慎重に引き抜きます。この時、節同士をぶつけたり、床に落としたりしないように注意しましょう。
  3. 各節を個別に洗浄する:抜いた節を、一本ずつぬるま湯の流水で丁寧に洗います。特に節の外側だけでなく、内側にもしっかり水を通して、内部の塩分や汚れを洗い流すことが重要です。
  4. バラバラのまま完全に乾燥させる:洗浄後、各節の水分を柔らかい布で拭き取ったら、節を組まずにバラバラの状態で立てかけて陰干しします。内部まで完全に乾かすことが最も重要で、最低でも丸一日は乾燥時間を確保しましょう。
  5. 点検しながら組み立てる:完全に乾いたことを確認したら、遊動ガイドの位置などを確認しながら、細い節から順番に元に戻します。最後に下栓を締めて完了です。

下栓を外した状態で不用意に衝撃を与えると、内部のガイドが外れてカラカラと音を立てる原因になるので、分解・組立時は特に優しく扱ってくださいね。乾燥には十分すぎるほどの時間をかけるのが、トラブルを未然に防ぐコツですよ!

この分解洗浄は少し手間がかかりますが、振り出し竿の性能を維持し、長く快適に使うためには絶対に欠かせないメンテナンスです。

仕上げに使うメンテナンススプレーとは

洗浄と乾燥が完了した釣竿の仕上げとして、市販されている専用のメンテナンススプレー(ロッドコーティング剤)を使用すると、保護性能を高め、より良いコンディションを長期間保つことができます。

これらのスプレーの主成分は、フッ素樹脂やシリコーンオイルなどで、竿の表面(ブランクス)に撥水性と潤滑性、そして保護効果のある非常に薄いコーティング被膜を形成します。これにより、次のような多岐にわたるメリットが生まれます。

  • 防汚性能の向上:コーティングされた表面はツルツルになるため、塩分やコマセ、魚のヌメリといった汚れが付着しにくくなります。これにより、次回の洗浄が驚くほど簡単になります。
  • 撥水効果による性能維持:雨天時や波しぶきがかかる状況で、ラインが竿に張り付く「ベタつき」現象を大幅に軽減します。これにより、ルアーの飛距離低下を防ぎ、仕掛けの操作性を維持することができます。
  • 表面保護と光沢の維持:微細な擦り傷からブランクスを保護し、カーボン素材の美しい光沢を維持します。見た目が綺麗になるだけでなく、竿の資産価値を保つことにも繋がります。

使い方は製品によって多少異なりますが、基本的にはスプレーを清潔で柔らかい布に少量吹き付けてから、竿全体をムラなく拭き上げるだけです。この時、直接竿にスプレーすると液剤が垂れたり、リールシートの隙間に入り込んだりする可能性があるため、布に取る方法が推奨されます。

釣具メーカー各社から専用品が販売されており、例えばグローブライド(ダイワ)の「ロッドガードII-100」などが有名です。メーカー純正品は、自社の釣竿の塗装との相性もテストされているため、安心して使用できるというメリットがあります。初めて使用する際は、こうした信頼性の高い製品を選ぶのが良いでしょう。

定期的なコーティングは、釣竿を外部のダメージ要因から守る「鎧」のような役割を果たしてくれます。

手入れにはシリコンスプレーも効果的

釣具専用のコーティング剤は非常に高性能ですが、価格がやや高めであることも事実です。そこで代替品として、ホームセンターなどで安価かつ手軽に入手できる汎用のシリコンスプレーを手入れに活用する方法もあります。シリコンスプレーは、様々な素材の表面にシリコン被膜を形成し、滑りを良くしたり、撥水性を持たせたり、美しい艶を出したりする効果があります。

ブランクスの保護や艶出し目的で、柔らかい布に少量つけて薄く塗布するのは、一定の効果が期待できます。しかし、専用品ではないため、使用にはいくつかの重要な注意点とリスクが伴います。

最大のリスクは、その強力な潤滑(滑り)効果です。これを塗布する場所を間違えると、重大な事故につながる可能性があります。特にグリップ(EVAやコルク)やリールシートなど、釣りの最中にしっかりと握り込む必要がある部分に付着すると、非常に滑りやすくなり危険です。渾身の力でキャストした際に竿が手からすっぽ抜けたり、大物とのファイト中に力が入らず主導権を握られたりする恐れがあります。

シリコンスプレー使用に関する厳重な注意点

  • 塗布箇所の厳守:使用はブランクス部分のみに限定し、グリップ、リールシート、ラインが直接触れるガイドリングには絶対に塗布しない。
  • 塗装への影響:製品に含まれる溶剤の種類によっては、釣竿の塗装を傷めたり、変色させたりする可能性があります。必ず目立たない場所で試してから自己責任で使用する。
  • 過剰な塗布は避ける:厚塗りすると、ホコリを吸着しやすくなったり、竿の感度をわずかに鈍らせたりする可能性があります。
  • 専用品との違い:釣具専用のフッ素系コーティング剤に比べ、耐久性が低い場合が多く、効果は一時的です。

手軽さとコストパフォーマンスは魅力的ですが、あくまで「応急処置」や「自己責任での活用」と割り切り、基本的には信頼性の高い釣具専用のコーティング剤を使用することをお勧めします。

長持ちさせる正しい釣竿の洗い方まとめ

ここまで解説してきた、釣竿を長持ちさせるための正しい洗い方とメンテナンスの全知識を、最後に要点としてまとめます。これらのポイントを一つ一つ実践することが、高価な釣具の性能を維持し、次の釣行を最高のコンディションで迎えるための鍵となります。大切な相棒と長く付き合っていくために、ぜひこのまとめを保存し、釣行後の習慣にしてください。

  • 釣行後の釣竿は必ず洗う
  • 放置はサビや固着など劣化の原因になる
  • メンテナンスは釣行後なるべく早く行う
  • 基本は「洗う・拭く・乾かす」の3ステップ
  • 洗浄は真水かぬるま湯の流水が基本
  • 汚れがひどい場合は台所用の中性洗剤を使う
  • シンナーなどの溶剤は絶対に使用しない
  • 乾燥は直射日光を避けて風通しの良い場所で陰干し
  • リールはお湯や洗剤を使わず常温水で洗う
  • スピニングリールはドラグを締めてから洗浄
  • 振り出し竿は下栓を外して内部までしっかり乾かす
  • カーボンロッドは衝撃や傷に注意して優しく扱う
  • 仕上げに専用の保護スプレーを使うと効果的
  • シリコンスプレーの使用は箇所と用途をよく考える
  • 正しい手入れが釣具の寿命を延ばしトラブルを防ぐ

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