バス釣りを楽しんでいると、「PEラインにリーダーは本当に必要なのか?」という疑問が浮かぶことがありますよね。特に、ショックリーダーを結ぶのがめんどくさいと感じる方や、手早く釣りを始めたい時には、PE直結という選択肢が頭をよぎるかもしれません。実際、バス釣りでリーダーはいらない、あるいはPEいらないのではと考えるアングラーは少なくありません。
しかし、リーダーを使うメリットは何か、安易に省略して後悔しないかと不安になるのも事実です。例えば、スピニングPEセッティングでのリーダーの長さや何号の太さを選ぶべきか、フロロとPEの使い分けはどうするのか、そもそもフロロカーボンラインにリーダーは必要ですか?といった具体的な悩みは尽きないでしょう。
この記事では、PEラインのpe直結に関する是非から、おすすめのリーダーや簡単な結び方まで、あなたの疑問に多角的に答えていきます。さらに、意外と知られていないバス釣りでリリースは禁止なのか?というルールに関する重要な情報も解説します。
- リーダーが不要な状況と必要な状況がわかる
- PEライン直結のメリット・デメリットを理解できる
- 状況に応じたリーダーシステムの組み方を学べる
- ラインの使い分けで釣果を伸ばすヒントが得られる
バス釣りでリーダーはいらないと言われる理由
ショックリーダーがめんどくさい時の考え方
- PE直結ならリーダーはいらないという意見
- リーダー無しで使うメリットは何か
- フロロとPEの基本的な使い分け
- フロロカーボンラインにリーダーは必要か?
ショックリーダーがめんどくさい時の考え方
バス釣りにおいてPEラインを使用する際、多くのアングラーが直面するのが「リーダーの結束がめんどくさい」という問題です。特に、釣り場でノットを組み直す必要がある時や、初心者で結束に慣れていない場合は、大きな手間と時間を要します。この煩わしさが、「リーダーなしで釣りができないか」という考えに至る一番の理由と言えるでしょう。
確かに、FGノットのような摩擦系のノットは、強度が高い一方で習得に練習が必要です。そのため、手軽さを優先してリーダーを省略したいという気持ちは、決して不自然なものではありません。
しかし、リーダーシステムはPEラインの弱点を補うために非常に重要な役割を担っています。この後の見出しで詳しく解説しますが、なぜリーダーが必要とされるのか、その理由を理解することが、リーダーの必要性を判断する上での第一歩となります。面倒だからと単純に省略するのではなく、その役割とリスクを天秤にかけることが重要です。
「めんどくさい」という気持ちはとてもよく分かります。ですが、リーダーの役割を知ることで、そのひと手間が釣果に繋がる理由が見えてきますよ。
PE直結ならリーダーはいらないという意見
「太いPEラインを使うならリーダーはいらない」という意見は、特に特定の釣り方において有効な考え方です。これは、PEラインをルアーに直接結ぶ「PE直結」というスタイルを指します。
この意見が成立する主な理由は、ラインの強度にあります。例えば、フロッグゲームやパンチング、フリッピングといったカバーを攻める釣りでは、4号(40lb)以上の非常に太いPEラインが使われることが多くあります。これだけ太いラインであれば、結束強度が多少低下したり、ラインに僅かな傷が入ったりしても、バスの引きで切れるリスクは格段に低くなります。
つまり、ライン自体の強度が、リーダーが担うべき役割(根ズレ対策や衝撃吸収)をカバーしてくれるという考え方です。手返しの速さが求められる釣りにおいて、リーダー結束の手間を省けるPE直結は、合理的な選択肢となり得ます。
PE直結の注意点
ただし、この考え方はあくまで太いPEラインを使用する場合に限られます。後述しますが、0.6号や1号といった細いPEラインで直結を行うと、根ズレや結束部の強度不足により、簡単にラインブレイクしてしまう危険性が高まるため注意が必要です。
リーダー無しで使うメリットは何か
PEラインをリーダー無しで、つまり直結で使うことには、いくつかの明確なメリットが存在します。これらの利点を理解することは、リーダーの必要性を判断する上で役立ちます。
最大のメリットは、手軽さとトラブルの減少です。リーダーを結ぶ必要がないため、釣り場での準備が格段に早くなります。また、キャスト時にガイドに結び目が引っかかる「ガイド絡み」のトラブルが物理的になくなるため、ストレスなく釣りに集中できます。
第二に、感度の向上が挙げられます。リーダーというクッション材が介在しないため、水中の様子やルアーの動き、そしてバスの繊細なアタリがよりダイレクトに手元に伝わります。これは、他のラインシステムでは得られない大きなアドバンテージです。
さらに、ルアーアクションの向上も期待できます。特にトップウォータープラグなど、ラインの重さや抵抗が動きに影響を与えるルアーの場合、結び目がなく比重の軽いPEラインのみのシステムは、ルアー本来の動きを最大限に引き出すことに繋がります。
リーダー無し(PE直結)の主なメリット
- 準備が早く、手返しが良い
- ガイド絡みなどのライントラブルが皆無になる
- 感度が最大化され、微細なアタリも捉えやすい
- ルアー本来のアクションを損なわない
フロロとPEの基本的な使い分け
バス釣りにおいて、ラインの選択は釣果を左右する非常に重要な要素です。ここでは、主流であるフロロカーボンラインとPEラインの基本的な使い分けについて解説します。それぞれの特性を理解し、状況に応じて最適なラインを選ぶことが重要です。
フロロカーボンラインは、根ズレに強く、比重が高く(沈みやすい)、適度な伸びがあるのが特徴です。このため、障害物が多いカバー周りを攻める釣りや、ワームをボトムで操作する釣りに非常に向いています。
一方、PEラインは、引っ張り強度が高く、伸びがほとんどなく、比重が軽い(浮きやすい)という特性を持っています。この特性から、遠投性能が求められる釣りや、ルアーの動きをダイレクトに伝えたいトップウォーター、そして繊細なアタリを取るライトリグなどで大きなメリットを発揮します。
これらの特性をまとめた比較表は以下の通りです。
項目 | フロロカーボンライン | PEライン |
---|---|---|
比重 | 高い(沈む) | 低い(浮く) |
感度(伸び) | やや伸びる(感度は普通) | ほぼ伸びない(感度が非常に高い) |
耐摩耗性(根ズレ) | 強い | 弱い |
引っ張り強度 | 普通 | 非常に強い |
得意な釣り | カバー撃ち、ボトムの釣り | 遠投、トップウォーター、感度重視の釣り |
このように、どちらかが絶対的に優れているわけではなく、釣りのスタイルやフィールドの状況に合わせて使い分けることが、釣果を伸ばすための鍵となります。
フロロカーボンラインにリーダーは必要か?
結論から申しますと、メインラインにフロロカーボンラインを使用する場合、基本的にはリーダーを結ぶ必要はありません。ルアーやスナップに直接結んで使用するのが一般的です。
その理由は、フロロカーボンラインが持つ特性にあります。リーダーが必要とされる最大の理由は、メインラインの弱点である「根ズレへの弱さ」を補うためです。特にPEラインはこの耐摩耗性が著しく低いため、根ズレに強いフロロカーボンやナイロンのリーダーが必須となります。
しかし、メインライン自体が根ズレに強いフロロカーボンであれば、わざわざ別のリーダーを結束して耐摩耗性を補強する必要がないのです。また、PEラインの「伸びの無さ」による衝撃を緩和するためにショックリーダーが使われることもありますが、フロロカーボンには元々適度な伸度があるため、この点でもリーダーの必要性は低いと言えます。
例外的にリーダーを使うケース
ただし、例外も存在します。例えば、タチウオやサワラなど、歯が非常に鋭い魚を狙う際に、メインラインの消耗を防ぐために太いリーダーを組むことがあります。また、非常に細いフロロカーボンラインをメインラインとして使い、根掛かりした際にメインラインを守る目的で、あえて少し弱いリーダー(捨て糸の役割)を結ぶ、といった特殊なケースも考えられます。
しかし、一般的なバス釣りにおいては、フロロカーボンラインは直結で問題ない、と覚えておいて良いでしょう。
バス釣りでリーダーはいらない状況の見極め方
スピニングPEタックルのリーダー術
- リーダーの太さ(何号)と長さの基準
- 覚えておきたい基本的な結び方
- 初心者におすすめのリーダーはこれ
* 補足:バス釣りでリリースは禁止?
スピニングPEタックルのリーダー術
近年、バス釣りではスピニングタックルにPEラインを組み合わせる「スピニングPE」が、パワーフィネスや虫パターン、ディープの釣りなどで急速に普及しています。このセッティングにおいて、リーダーは極めて重要な役割を果たします。
スピニングタックルで使われるPEラインは、0.4号から1.5号程度の細いものが中心です。前述の通り、細いPEラインは根ズレに非常に弱く、岩や杭、さらにはバスの歯に触れただけでも簡単に切れてしまう可能性があります。このPEラインの最大の弱点をカバーするのが、フロロカーボンやナイロン製のリーダーなのです。
また、PEラインは伸びがほとんどないため、瞬間的な強い力がかかると切れやすいという側面も持ちます。リーダーが持つ適度な伸度がショックアブソーバーの役割を果たし、フッキング時のアワセ切れや、魚の急な突っ込みによるラインブレイクを防いでくれます。
スピニングPEでリーダーが必要な理由
- 根ズレ対策:PEラインを障害物やバスの歯から保護する。
- 衝撃吸収:リーダーの伸びがクッションとなり、ラインブレイクを防ぐ。
- 操作性向上:適度な重さと張りを持つリーダーが、軽いリグの操作性を助ける。
このように、スピニングPEの性能を最大限に引き出すためには、リーダーシステムを正しく理解し、適切に組むことが不可欠と言えるでしょう。
リーダーの太さ(何号)と長さの基準
スピニングPEシステムを組む上で、多くの人が悩むのがリーダーの太さ(号数)と長さです。これらは釣りのスタイルやフィールド状況によって調整しますが、基本的な基準を知っておくことが重要です。
リーダーの太さ(何号)
リーダーの太さは、使用するPEラインの号数の2倍から3倍程度を目安にするのが一般的です。例えば、PE0.6号を使うならリーダーは1.2号(5lb)から1.5号(6lb)、PE1号ならリーダーは2号(8lb)から3号(12lb)といった具合です。
これは、キャスト時のライントラブルを減らしつつ、十分な強度を確保するためのバランスです。PEラインの強度ギリギリまで太いリーダー(例:PE1号20lbにリーダー5号20lb)を組む方法もありますが、結び目に大きな段差ができてしまい、ガイド抜けが悪くなるため、特にこだわりがなければPEの2〜3倍の太さがおすすめです。
リーダーの長さ
リーダーの長さは、1mから1.5m(矢引、両手を広げたくらい)を基本と考えるのが分かりやすいです。この長さを基準に、状況に応じて調整します。
状況 | 長さの目安 | 理由 |
---|---|---|
オープンウォーター、遠投主体 | 短め(30cm〜1m) | キャスト時の結び目のガイド抜けを良くし、飛距離を優先する。 |
障害物が多い(カバー、岩場) | 長め(1.5m〜2m) | 根ズレのリスクが高い範囲をリーダーでカバーし、メインラインを保護する。 |
ディープの釣り | 長め(2m以上) | ライン全体を沈みやすくし、ボトムでの操作性を向上させる。 |
初心者のうちは基本の1m〜1.5mで始め、慣れてきたらフィールドや釣りに合わせて長さを調整していくと良いでしょう。
覚えておきたい基本的な結び方
PEラインとリーダーの結束には様々な方法がありますが、強度と信頼性から最もスタンダードとされているのがFGノットです。習得には少し練習が必要ですが、覚えてしまえば釣りの幅が大きく広がります。
FGノットは、PEラインをリーダーに編み込んで摩擦の力で結束する方法で、結びコブが非常に小さく仕上がるのが特徴です。これにより、キャスト時にガイドをスムーズに通り抜け、ライントラブルを大幅に軽減できます。
簡単なFGノットの手順
- リーダーの端を口にくわえるか、固定する。
- PEラインをリーダーの下から上に交差させ、指で輪を作る。
- リーダーの周りをPEラインが交互に通過するように、上下に10〜15回編み込んでいく。
- PE本線とPE端糸をまとめて持ち、ハーフヒッチを1回行い仮止めする。
- PE本線とリーダー本線を両側から強く締め込む。編み込み部分の色が変わるのが目安。
- PE本線とリーダー本線に、PE端糸で交互にハーフヒッチを10回ほど行う。
- 余分なPE端糸とリーダー端糸をカットして完成。
文字で見ると複雑に感じますが、動画サイトなどで「FGノット 簡単」と検索すると、分かりやすい解説がたくさん見つかります。実際に手を動かして練習するのが一番の近道です!
ノットアシストツールの活用
どうしてもFGノットが苦手、あるいはもっと手早く確実に結びたいという方には、「ノットアシスト」と呼ばれる専用の補助器具も市販されています。これを使えば、初心者でも安定した強度のノットを組みやすくなります。
初心者におすすめのリーダーはこれ
いざリーダーを使おうと思っても、釣具店には様々な種類のラインが並んでおり、どれを選べば良いか迷ってしまいますよね。ここでは、バス釣りにおいて信頼性が高く、初心者でも扱いやすいおすすめのリーダーを紹介します。
リーダーの素材は、根ズレに強く感度も良いフロロカーボンが基本となります。リーダー専用として販売されている製品もありますが、普段メインラインとして使っているフロロカーボンラインをそのままリーダーとして使用しても全く問題ありません。
おすすめフロロカーボンライン(リーダー用)
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- クレハ シーガー フロロマイスター
圧倒的なコストパフォーマンスを誇る定番ライン。大容量で価格も手頃ながら、強度やしなやかさのバランスが良く、初心者から上級者まで幅広く支持されています。まずはこのラインから試してみるのがおすすめです。
- クレハ シーガー グランドマックス / グランドマックスFX
最高クラスの強度と耐摩耗性を誇る高性能ライン。価格は高めですが、ここ一番という場面での信頼性は絶大です。特に「FX」は、強度を保ちつつもしなやかさをプラスしたモデルで、ルアーの動きを妨げにくく、ライントラブルも少ないのが特徴です。
- クレハ シーガー フロロマイスター
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これらのラインの中から、前述した「リーダーの太さの基準」を参考に、使用するPEラインに合った号数をいくつか揃えておくと、様々な状況に対応できます。
補足:バス釣りでリリースは禁止?
ここで、ラインシステムとは少し話が逸れますが、バス釣りを楽しむ上で必ず知っておかなければならない重要なルールについて解説します。
外来生物法とリリースの原則禁止
ブラックバス(オオクチバスなど)は、「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」(外来生物法)により、特定外来生物に指定されています。この法律により、特定外来生物を許可なく生きたまま持ち運ぶこと(運搬)、飼育すること、そして放つこと(リリース)が原則として禁止されています。
つまり、釣り上げたブラックバスをその場で再放流(キャッチ&リリース)せず、別の場所に移動させることは法律で禁じられているのです。
キャッチ&リリース自体の扱いについては、環境省の見解として「釣ったその場で再放流する行為は規制の対象とはならない」とされていますが、都道府県によっては独自の条例でリリースを禁止している場合があります。例えば、滋賀県や山梨県などでは、条例によってリリースが禁止されています。
釣りを始める前には、必ずその地域のルール(都道府県の条例など)を確認することが、釣り人としての最低限のマナーであり、義務です。知らなかったでは済まされない問題ですので、十分にご注意ください。
結局バス釣りでリーダーはいらないのか?
バス釣りでリーダーが不要なのは太いPEラインを直結で使う場合に限られる
- フロッグやパンチングなど特定の釣りではPE直結が有効
- 細いPEライン、特にスピニングタックルではリーダーが必須
- リーダーは根ズレからPEラインを保護する重要な役割を持つ
- リーダーの適度な伸びが衝撃を吸収しラインブレイクを防ぐ
- PE直結のメリットは手軽さと感度の向上、ライントラブルの減少
- PE直結のデメリットは根ズレへの弱さと結束強度の低下
- フロロカーボンラインをメインラインにする場合、基本的にリーダーは不要
- フロロとPEはそれぞれの特性を理解し、状況に応じて使い分けることが重要
- リーダーの太さはPE本線の2倍から3倍の号数が目安
- リーダーの長さは1mから1.5mを基本とし、状況で調整する
- PEとリーダーの結束はFGノットが最も信頼性が高い
- 初心者にはコストパフォーマンスに優れたフロロマイスターがおすすめ
- ブラックバスは外来生物法により、生きたままの運搬や許可なきリリースが禁止されている
- 釣行前には必ず地域の条例を確認し、ルールを守って釣りを楽しむ