クーラーボックスおすすめ釣りと検索しているあなたは、釣った魚を新鮮に持ち帰るための最適な一品を探していることでしょう。釣り初心者の方は、まずどのサイズを選べば良いか悩みますし、20リットルはどのくらいの容量なのか見当もつかないかもしれません。また、ウレタンとスチロールどっちが良いのか、ダイワとシマノどっちを選ぶべきか、保冷力の違いも気になるところです。青物などの大物を狙う方、逆にコスパを最優先しホームセンターでの購入を検討する方、最強の保冷力を求める方まで、ニーズは様々です。この記事では、詳しい選び方から、実際の口コミまで、クーラーボックスに関するあらゆる疑問に答え、あなたの釣りに最適な一台を見つけるお手伝いをします。
この記事で分かること
- 用途別の最適なクーラーボックス容量が分かる
- 断熱材(スチロール・ウレタン・真空)の違いと選び方が明確になる
- ダイワとシマノの具体的な特徴と強みが比較できる
- コスパ重視から最強モデルまで、おすすめの商品が見つかる
クーラーボックスおすすめ 釣りの基本
- 失敗しないクーラーボックスの選び方
- ウレタンとスチロールどっちを選ぶ?
- ダイワとシマノどっちが良いのか比較
- 20リットルはどのくらいの容量?
- 購入前にチェックしたい口コミや評価
失敗しないクーラーボックスの選び方

釣り用クーラーボックスを選ぶ上で失敗しないための最も重要なポイントは、「容量」「保冷力」「機能性」の3つのバランスを考えることです。高価で高性能なモデルが必ずしも最適とは限りません。なぜなら、ターゲットにする魚の大きさ、釣行時間、利用シーン(堤防、船、磯など)によって、求められる性能が大きく異なるためです。
クーラーボックス選び 3つの鍵
- 容量(サイズ):釣る魚のサイズと量、飲み物や食料の量で決める。
- 保冷力(断熱材):釣行時間(日帰りか、真夏か)で決める。
- 機能性(使い勝手):釣り場(車からの距離、船の上か)で決める。
まず最も重要なのが容量(サイズ)です。アジやキスなどの小物釣りがメインであれば10〜20Lの小型モデルで十分ですが、青物やマダイなどを狙う場合は40L以上の大型モデルが必要になります。このとき、必ず「内寸」を確認してください。外寸が大きくても、断熱材が厚い高性能モデルほど内寸は意外に狭くなります。80cmのブリを釣る予定なのに、内寸60cmのクーラーでは魚を折り曲げて入れることになり、鮮度ムラや身割れの原因にもなります。
次に保冷力です。これは断熱材の種類によって決まります。短時間の日帰り釣行なら安価な「スチロール」でも対応できますが、真夏や長時間の釣行では「ウレタン」、さらには「真空パネル」といった高性能な素材が必要になります。保冷力については、次の見出しで詳しく解説します。
最後に機能性です。釣りの快適性を左右する細かな機能にも注目しましょう。以下の機能があると釣りが格段に快適になります。
水抜き栓
釣りが終わった後、溶けた氷の水を捨てる際に必須の機能です。特に大型クーラーになると、本体ごとひっくり返すのは非常に重労働です。ワンタッチで排水できると掃除も格段に楽になります。
キャスター(車輪)
大型クーラーボックスや、駐車場から釣り場まで距離がある場合に重宝します。魚や氷で満載になったクーラーボックスは想像以上に重くなります。静音タイプや大型のキャスターだと、舗装されていない道でもスムーズに運べます。
フタの仕様(両開き・取り外し)
両開きフタは、クーラーボックスの置き場所が制限される船の上や、車のトランク内で非常に便利です。向きを気にせず開閉できます。また、フタが完全に取り外せるモデルは、釣った魚を入れる時や、丸洗いする時に便利です。
投入口
フタ全体を開けずにアジなどの小魚を素早く入れられる小さな窓です。冷気が逃げるのを最小限に抑え、保冷力を維持するのに役立ちます。
堅牢性(座れるか)
多くの釣り用クーラーは、堤防などで椅子代わりに座れるよう頑丈に設計されています。耐荷重が明記されているモデルもあり、別途椅子を持っていく必要がなくなるため荷物を減らせます。
これらの3つのポイント(容量、保冷力、機能性)を踏まえ、ご自身の釣りのスタイル(何を、どこで、どれくらいの時間釣るか)を具体的にイメージして、最適なクーラーボックスを選ぶことが、失敗しないための鍵となります。
ウレタンとスチロールどっちを選ぶ?

クーラーボックスの価格と性能を決定づける最大の要因が、内部に使われている「断熱材」です。主な断熱材は「発泡スチロール」「発泡ウレタン」「真空パネル」の3種類があり、それぞれ特性が異なります。ウレタンとスチロールどっちを選ぶかは、ご自身の予算と、どれくらいの保冷力を求めるかのバランスで決めるのが良いでしょう。
それぞれの特徴を理解するために、以下の比較表をご覧ください。
断熱材 | 保冷力(相対) | 価格 | 重量 | 主な用途 |
---|---|---|---|---|
発泡スチロール | △(低い) | ◎(安い) | ◎(軽い) | 短時間の日帰り釣行、涼しい季節 |
発泡ウレタン | ○(中程度) | ○(普通) | ○(普通) | 丸1日の釣行、夏場の日帰り |
真空パネル | ◎(非常に高い) | △(高い) | △(重い) | 真夏の長距離遠征、数日間の釣行 |
発泡スチロール (ポリスチレン)
最も安価で軽量な断熱材です。スーパーの鮮魚コーナーで使われる箱もこれにあたります。リーズナブルなモデルの多くに採用されています。保冷力は後述のウレタンや真空パネルに劣りますが、日帰りの釣行や、涼しい季節の使用であれば十分な性能を発揮します。釣りの頻度が低い方や、初期費用を抑えたい初心者の方におすすめです。軽量なので、持ち運びの負担が少ないのも大きなメリットです。
発泡ウレタン
スチロールと真空パネルの中間に位置する、最もバランスの取れた断熱材です。クーラーボックスの壁の隅々まで隙間なく充填できるため断熱効率が高く、スチロールの約1.5倍とも言われる高い断熱性を持ちます。(出典:ダイワ公式サイト「クーラーボックスの保冷のお話し」) 丸1日の釣行や、夏場でもある程度の保冷力を維持したい場合に最適で、汎用性が非常に高いのが特徴です。多くの釣り人がこのウレタンモデルを愛用しています。
迷ったら「ウレタン」がおすすめ スチロールでは夏場の保冷力が心許ないけれど、真空パネルは高価すぎて手が出ない…という場合に、発泡ウレタンは最適な選択肢となります。保冷力、価格、重量の3つのバランスが最も良く、アジ釣りから船釣りまで、幅広い釣りに対応できる「標準装備」と言える断熱材です。
真空パネル
断熱材としては最強の保冷力を誇ります。魔法瓶と同じ原理で、真空層が熱の伝導をほぼシャットアウトします。スチロールの約10倍とも言われる圧倒的な断熱性能を持ち、真夏の炎天下や数日間にわたる遠征でも氷を長持ちさせます。 ただし、価格が非常に高価になり、クーラーボックス本体の重量も重くなるのがデメリットです。最上位モデルでは、この真空パネルを6面すべてに使用したものもあります。
結論として、短時間・低予算なら「スチロール」、バランス重視でほとんどの釣りをカバーしたいなら「ウレタン」、何よりも保冷力を最優先するなら「真空パネル」を選ぶと良いでしょう。
ダイワとシマノどっちが良いのか比較

釣り用クーラーボックスを選ぶ際、国内の二大巨頭であるダイワ(Daiwa)とシマノ(SHIMANO)は避けて通れない選択肢です。どちらも非常に高品質な製品を提供しており、結論から言えば、どちらのメーカーの同価格帯の製品を選んでも大きな失敗はありません。しかし、細かな設計思想や強みに違いがあります。
比較項目 | ダイワ (Daiwa) | シマノ (SHIMANO) |
---|---|---|
耐久性・堅牢性 | 優位な傾向(例:「プロバイザー」シリーズなど堅牢設計が多い) | 軽量化を優先したモデルも多いが、十分な耐久性を持つ |
ラインナップ | 釣り特化型が多く、大型サイズのバリエーションが豊富 | キャンプなど多目的に使いやすいデザインも多く、内部オプションが豊富 |
内部構造 | 広く使えるシンプルな構造が多い(例:大型魚を入れやすい) | 仕切りトレーやインナートレーが装着しやすく、整理整頓しやすい |
保冷力基準 | 「KEEP値」(例:KEEP 50=50時間) | 「I-CE値」(例:I-CE 60h=60時間) |
代表的シリーズ | クールライン(エントリー)、プロバイザー(ハイエンド)、トランクマスター(大型) | ホリデークール(エントリー)、フィクセル(主力)、スペーザ(大型) |
耐久性と機能性のダイワ
ダイワのクーラーボックスは、全体的に堅牢性が高く、タフな使用に強い印象があります。「プロバイザー」シリーズに代表されるように、釣り場での過酷な環境(磯や船上)に耐える設計が特徴です。また、大型サイズのラインナップが豊富で、青物などの大物狙いの釣り師からの支持が厚いです。機能面でも、フタの開閉が楽な「リフトアップオープンシステム」など、独自の便利な機構を搭載しているモデルがあります。
保冷力と利便性のシマノ
シマノは、最上位モデルの「ICEBOX」シリーズなどに見られるように、圧倒的な保冷力を追求する技術に強みがあります。シマノ独自の保冷力基準である「I-CE(アイ-ス)」は、クーラー容量の20%の氷が何時間持つかを示す分かりやすい指標として知られています。また、内部の構造が工夫されており、仕切り板やインナートレーを効率よく配置できるモデルが多いのが特徴です。これにより、釣った魚と飲み物・食料を分けて収納しやすいというメリットがあります。
どちらのメーカーも、オプションパーツ(ロッドホルダー、エサ箱など)が豊富に用意されており、自分の釣りに合わせてカスタマイズする楽しみがあります。最終的には、デザインの好みや、あなたが重視する機能(例:耐久性か、内部の整理しやすさか)で選ぶのが良いでしょう。
20リットルはどのくらいの容量?
クーラーボックスの「20リットル」というサイズは、堤防での小物釣りや日帰り釣行に最適な万能サイズと言えます。大きすぎず、小さすぎず、持ち運びやすさと必要十分な容量を高いレベルで両立しているのが理由です。
具体的にどのくらいの容量なのか、釣り人の視点でイメージを掴んでみましょう。
収納できる魚の目安
アジ、サバ、キス、メバルといった体長15cm〜20cm程度の小物であれば、数釣り(数十匹)をしても余裕を持って収納できます。氷や保冷剤を入れるスペースもしっかり確保できます。 また、工夫次第では40cm〜50cmクラスのイナダ、シーバス、ヒラメ、マゴチなども、尾を曲げることで入れることが可能です。陸っぱり(おかっぱり)からの釣りに幅広く対応できる、まさにジャストサイズです。

飲み物や保冷剤の目安
一般的なデータとして、500mlのペットボトルを立てて約15本〜17本程度収納できるモデルが多いです。(※モデルの形状により異なります) 実際の釣りでは、コンビニの板氷1枚と、500mlペットボトル数本、さらに軽食(おにぎりやサンドイッチ)を入れるとちょうど良いサイズ感になります。
最初の一つに最適 20Lクラスのクーラーボックスは、その汎用性の高さから「釣り用クーラーボックスの最初の一つ」として非常におすすめです。大きすぎず重すぎないため、公共交通機関での釣行や、ランガン(釣り場を移動するスタイル)にも対応しやすい絶妙なサイズです。
注意点:船釣りや大物狙いには不向き 一方で、船釣りで中型〜大型の魚を数多く釣る場合や、ブリやヒラマサといった大型青物を専門に狙う場合には、明らかに容量不足となります。あくまで陸っぱりからの日帰り釣行、または船でのキス釣りやアジ釣り程度がメインのサイズと考えると良いでしょう。
購入前にチェックしたい口コミや評価
クーラーボックスを選ぶ際、カタログスペック(保冷力○時間!など)だけでは分からない実際の使用感を知るために、口コミや評価のチェックは非常に重要です。特に「保冷力」「堅牢性」「使い勝手」に関するレビューは、購入後の満足度を左右するため参考になります。
保冷力に関する口コミ
「スチロール製でも、日帰りのアジ釣りなら氷は夕方まで十分持ちました」 「ウレタンモデルを購入。真夏の炎天下で朝から夕方まで釣りをしたが、板氷が半分以上残っていて驚いた」 「6面真空パネルはさすが。2泊3日のキャンプでも食材をしっかり保冷できた」
このように、断熱材ごとのリアルな保冷持続時間が分かります。「真夏の炎天下」「日帰り」といった具体的なシチュエーションが書かれている口コミは、自分の釣行時間と照らし合わせて判断するのに非常に役立ちます。
堅牢性(座れるか)に関する口コミ
「シマノのフィクセルに座っていますが、体重80kgでも全く不安がありません」 「ダイワのクールラインは頑丈で、堤防で座るのにちょうど良い」 「安価なホームセンターモデルに座ったら、フタがミシミシと音を立てたので怖くてやめた」
釣り場では椅子代わりになる堅牢性が重宝されます。特にダイワやシマノの釣り専用モデルは、内部に補強リブを入れるなどして「座れる」ことを前提に設計されているため、この点に関する高評価が多い傾向にあります。
機能性(使い勝手)に関する口コミ
「両開きフタは本当に便利。向きを気にせず開けられるストレスフリーは素晴らしい」 「水抜き栓が無いモデルを買って後悔。掃除のたびに本体ごとひっくり返すのが重くて大変」 「大型クーラーはキャスター付きにして大正解。駐車場から堤防までの移動が楽になった」
購入前は些細な違いに思える機能も、実際の釣り場では快適性を大きく左右します。特に「水抜き栓」の有無(特に中型以上)と、大型モデルの「キャスター」の有無は、後悔しないために必ずチェックすべきポイントとして多くの口コミで指摘されています。
良い口コミだけでなく、悪い口コミ(例:「フタの開閉が固い」「思ったより重かった」)にも目を通し、自分にとって許容できるデメリットかどうかを見極めることが大切です。
用途別クーラーボックスおすすめ 釣り編
- 釣り初心者向けのモデルを紹介
- コスパ重視派におすすめのモデル
- ホームセンターで買えるモデルとは?
- 青物も入る大型クーラーボックス
- 保冷力最強のクーラーボックス5選
- 最適なクーラーボックスおすすめ 釣り用
釣り初心者向けのモデルを紹介
釣りを始めたばかりの初心者の方が最初の一個を選ぶなら、「15〜20Lクラスのスチロール製モデル」が最もおすすめです。その理由は、初期費用を抑えつつ、軽量で持ち運びやすいため、釣りを手軽に始めるのに最適だからです。
初心者のうちは、堤防でのサビキ釣りやちょい投げ、アジングやメバリングといったライトゲームがメインになることが多いです。これらの釣りでは、釣行時間も半日〜1日程度が中心となります。
なぜ15〜20Lか?
前述の通り、このサイズはアジやキスなどの小物釣果を収めるには十分すぎる容量でありながら、持ち運びの負担が少ないためです。車でも場所を取らず、電車や自転車での釣行にも対応できます。大きすぎるクーラーは、かえって持ち運びが億劫になり、釣りに行くハードルを上げてしまう可能性もあります。
なぜスチロール製か?
最大の理由は価格の安さです。高性能なウレタンや真空パネルは魅力的ですが、非常に高価になります。釣りが趣味として定着するか分からない段階で高額な投資をするのはリスクがあります。まずは安価なスチロール製モデルで釣りの楽しさを知り、自分のスタイル(船釣りもする、真夏も長時間釣るなど)が確立してから、高性能モデルにステップアップするのが賢明です。日帰り釣行がメインであれば、スチロールでも保冷力は十分対応可能です。
初心者におすすめの具体例
- ダイワ「クールラインα」シリーズ (スチロールモデル) 釣具メーカーの定番エントリーモデル。座れる堅牢性や水抜き栓、両開きフタ(モデルによる)など、釣り用としての基本機能がしっかりしています。
- シマノ「ホリデークール」 シマノのエントリーモデル。シンプルな設計ながら、釣りに必要な基本性能を備え、非常に安価です。
これらのモデルは、釣具店やネット通販で5,000円前後から購入できることが多く、最初の一個として最適です。釣り以外のレジャー(BBQや運動会)にも流用しやすい点もメリットです。


コスパ重視派におすすめのモデル
「コスパ」を重視する場合、単なる安さ(リーズナブル)だけでなく、「価格に対する性能の高さ」(ハイコスパ)も考慮する必要があります。ここでは、価格を抑えつつも高い保冷力を持つモデルを紹介します。
結論から言うと、「アウトドアメーカーが販売するウレタン製モデル」が狙い目です。
ダイワやシマノといった釣り専用メーカーのウレタンモデルは高性能ですが、価格もそれなりにします。しかし、コールマンやロゴス、イグルーといったアウトドアメーカーの製品に目を向けると、安価ながらウレタン断熱材を使用したモデルが多く存在します。
価格と保冷力の両立モデル
例えば、コールマンの「エクスカーションクーラー」は、実売価格5,000円以下から選べるモデルがありながら、断熱材に発泡ウレタンを使用しています。スチロール製のエントリーモデルとほぼ同等の価格帯で、ワンランク上の保冷力を手に入れることが可能です。釣り専用品と比べて、水抜き栓がなかったり、フタが片開きだったりする点はありますが、保冷力という基本性能を安価に手に入れたい方には最適です。

また、アメリカのイグルー社のクーラーボックスも、コストコなどで安価に販売されていることがありますが、独自開発の高密度ウレタンフォームにより高い保冷力を発揮するモデルが多く、コスパに優れます。
容量コスパモデル
もし保冷力はそこそこで良く、とにかく大容量で安いものが欲しい場合は、伸和(SHINWA)の「ホリデーランドクーラー」も選択肢になります。断熱材はスチロールですが、70Lを超える大型モデルでも1万円前後から購入でき、キャスターや水抜き栓などの機能も充実しています。大物釣りの入門用として人気があります。
釣具メーカーのロゴにこだわらなければ、アウトドアメーカーの製品もチェックすることで、予算内でワンランク上の性能を持つクーラーボックスを見つけることができますよ。ただし、ロッドホルダーなどの釣り専用オプションは取り付けにくい場合があるので注意が必要です。

ホームセンターで買えるモデルとは?
ホームセンターで販売されているクーラーボックスも、釣りのスタイルによっては十分使用可能です。カインズやコーナン、DCMなどのオリジナルブランド品は、非常に安価で手に入りやすいのが最大の魅力です。
ただし、これらのモデルを選ぶ際には、釣り専用品との違いを正しく理解しておく必要があります。
メリット
最大のメリットは圧倒的な価格の安さです。1,000円台から様々なサイズが揃っており、2,000円〜5,000円も出せば、中型サイズのものも購入できます。また、全国の店舗で気軽に現物を見て購入できる手軽さも魅力です。「とりあえず今日、サビキ釣りで使うクーラーが欲しい」といった緊急のニーズにも応えられます。
デメリット(注意点)
一方で、釣り専用設計ではないため、いくつかの注意点があります。これらは価格の安さとトレードオフの関係にあります。
ホームセンター製クーラーの注意点
- 耐久性:多くがキャンプやレジャーでの使用を想定しているため、釣り専用品に比べてヒンジ(蝶番)やバックル、取っ手の作りが簡易的な場合があります。重い魚や氷を入れると破損しやすく、椅子代わりに座るのには適さないモデルがほとんどです。座るとフタが割れたり、ヒンジが壊れる原因になります。
- 保冷力:断熱材が発泡スチロールで、かつ断熱材の厚み自体が薄い傾向にあります。そのため、真夏の炎天下での長時間の使用には向きません。氷が予想以上に早く溶けてしまうことがあります。
- 密封性:フタにゴムパッキンが省略されているモデルも多く、密封性が低いため冷気が逃げやすいです。本体を傾けると水漏れすることもあります。
結論として、ホームセンターのクーラーボックスは、釣りの頻度が低い方や、アジのサビキ釣りなど半日程度の短時間釣行、または涼しい季節の釣りに限定して使用する「入門用」としては選択肢になります。しかし、長く快適に使いたい場合や、夏場も釣りをする場合は、最初からダイワやシマノの釣りメーカーのエントリーモデルを選ぶ方が結果的にコスパが良くなることも多いです。
青物も入る大型クーラーボックス

ブリやヒラマサ、ワラサ(メジロ)、サワラといった青物をターゲットにする場合、クーラーボックスの選択には「内寸の長さ」が最も重要になります。なぜなら、これらの大型魚は、折り曲げずに真っ直ぐ収納することで、氷が均一に当たり、鮮度を最高(※)の状態で保ちやすいためです。(※魚の鮮度保持には適切な締め方と血抜きが前提となります)
必要なサイズ目安は以下の通りです。
ターゲット別 内寸の長さ目安
- イナダ・ワラサ(〜80cm程度): 最低でも内寸60cm〜70cmクラスが必要です。容量で言えば45L〜50Lクラスが該当します。(例:ダイワ トランクマスターHD II 4800、シマノ スペーザ ホエール ライト 450)
- ブリ(80cm〜1mクラス): 内寸80cm以上が推奨されます。容量では60L以上のモデルが中心となります。(例:ダイワ トランクマスターHD II 6000、シマノ スペーザ ホエール リミテッド 600、伸和 ホリデーランドクーラー 76H)


大型クーラーボックス選びのポイント
大型モデルはクーラー本体の重量に加え、釣った魚、そして大量の氷が入ると、総重量が30kg、40kgを超えることも珍しくありません。そのため、以下の機能が非常に重要になります。
大型モデルの必須機能
- キャスター(車輪): もはや必須の機能です。駐車場から船や堤防までの長い距離を運ぶ労力を劇的に軽減します。大型の静音キャスターを搭載したモデルがおすすめです。
- 堅牢性(耐久性): 船上での使用も多いため、波しぶきや衝撃に耐え、大人が座ってもびくともしない堅牢なモデルが求められます。ダイワの「トランクマスターHD II」シリーズなどは、その堅牢性で高い人気を誇ります。
- 大型水抜き栓: 大型になるほど、水を抜く際の重要性が増します。ワンタッチで開閉でき、排水口が大きい大型の水抜き栓があると、掃除や水替えが非常に楽です。
- 両サイドのハンドル: 一人でキャスターで引くだけでなく、二人で持ち上げて車に積載する場面も多いため、両サイドにしっかり握れるハンドルが付いていると安全です。
購入前には、釣具店で実物の内寸を確認すると同時に、ご自身の車のトランクに積載可能かどうかも必ず確認してください。大きすぎてトランクに入らない、という事態は避けなければなりません。
保冷力最強のクーラーボックス5選

釣った魚の鮮度を何よりも優先したい、真夏の遠征や数日間の釣行にも対応できるクーラーボックスが欲しい、という方には「最強」クラスの保冷力を持つモデルがおすすめです。
結論から言うと、最強の保冷力を持つのは「6面すべてに真空パネル」を配置したモデルか、「ロトモールド(回転成形)製法による厚いウレタン」を採用した海外製プレミアムクーラーです。
ここでは、最強クラスの保冷力を持つクーラーボックスの代表例を5つ紹介します。
最強クラスのクーラーボックス代表例
- シマノ (SHIMANO)「フィクセル ウルトラプレミアム」 シマノのフラッグシップモデル。6面真空パネルと発泡ウレタンを組み合わせ、シマノの保冷力基準「I-CE」で最大値を誇ります。まさに国内最強クラスの一つです。
- ダイワ (Daiwa)「プロバイザートランクHD II ZSS」 ダイワの最上位モデル。同じく6面真空パネルを採用し、ダイワ独自の堅牢設計と釣り用機能性を兼ね備えた、現場で最強のクーラーボックスです。
- オルカ (ORCA Coolers) アメリカ発のプレミアムクーラーブランド。ロトモールド(回転成形)という継ぎ目のない一体成形で作られ、分厚いウレタン断熱材と高い密閉性を持ちます。モデルによっては最大10日間の氷保持性能を謳っており、その堅牢性とデザイン性も人気です。
- ペリカン (Pelican) プロテクターケースで有名なペリカン社のクーラーボックス。「Elite」シリーズは、オルカ同様に非常に堅牢で、業界トップクラスの保冷力を持ちます。熊でも壊せない(ベア・レジスタンス認証)ほどの耐久性も特徴です。
- ロゴス (LOGOS)「ハイパー氷点下クーラー」 (※これはハードタイプではありませんが)最強の保冷剤「氷点下パック」との併用を前提に設計されたソフトクーラー(またはハードクーラーの「サーモテクト」)。短時間であればアイスクリームも保冷可能と謳う、局地的な「最強」性能を持ちます。




これらのモデルは、価格も重量も最大クラスになります。5万円を超えることも珍しくありません。しかし、一度釣った魚の鮮度を絶対に妥協したくないという強いこだわりを持つアングラーや、炎天下で長時間の釣りを余儀なくされる方にとっては、それだけの価値がある投資と言えるでしょう。
最適なクーラーボックスおすすめ 釣り用
この記事の要点をまとめます。最適なクーラーボックスを見つけるための参考にしてください。
- 釣り用クーラーボックス選びは容量・保冷力・機能性の3点が基本
- 容量は釣る魚のサイズで選ぶ
- 堤防の小物釣りは15Lから20Lが万能
- 青物など大物狙いは内寸60cm以上を確認
- 保冷力は断熱材で決まる
- スチロールは安価で軽量だが保冷力は低い
- ウレタンは価格と保冷力のバランスが良い
- 真空パネルは最強の保冷力だが高価で重い
- 初心者はスチロールか安価なウレタンから
- ダイワは耐久性と釣り機能に強み
- シマノは保冷力と内部の整理しやすさに強み
- コスパ重視ならアウトドアメーカーのウレタン製も選択肢
- ホームセンター製は短時間の釣りなら使用可能
- 口コミで実際の保冷力や堅牢性を確認
- 水抜き栓やキャスターの有無も快適性に影響する